手打ちそば はっぴ(03)

2003年10月19日
【店舗数:—】【そば食:264】
広島県広島市西区己斐本町

焼きみそ、わさびの醤油漬け、鴨煮、くみあげ湯葉、だし巻き玉子、せいろそば、神亀、醸し人九平次

はっぴ

ベタ褒めした前回・前々回の訪問から既に1年2カ月が経過した。久々に広島に立ち寄る機会があったので、はっぴで蕎麦を手繰ることにした。季節は、秋。ちょうど新蕎麦の季節だ。蕎麦がダレる8月であれだけおいしいものが出てきたのだ、新蕎麦だったら一体どうなっちゃうんだろう。おしっこチビったらどうしよう。

そんな心配を真剣にしつつ、家族を伴ってはっぴへと向かったのだった。

その日の夕刻に、東京に戻らないと行けなかったおかでんは、母親から「夕食、どうする?」と聞かれて即座に「みんなではっぴで夕食を頂こう」と提案した結果だ。

店の前に着いてみると、ほら・・・「新そば」の張り紙が。楽しみだ。

お品書きが写真入り

席についてみると、以前とは異なりお品書きが写真入りになっていた。なにやらチープな感じがしなくもないが、わかりやすくて非常に好感が持てる。だって、蕎麦屋に馴染みが薄い人なんて「板わさ」なんて何のこっちゃわからないし。

やっぱり、広島という蕎麦の発展途上国においては、こういう努力は惜しんではいかん。店主、頑張れ。

でも、なんだかこういうお品書きってどこかで見たことがあるような、既視感があるんだよな、なんだったかな・・・

あ、わかった。雑居ビルの2階にあるような、エスニック料理店のお品書きだ!

清酒のラインナップがこれまた写真入り

写真入りお品書きの裏面には、清酒のラインナップがこれまた写真入りで紹介されていた。どれも瓶じゃないか、写真の意味ないじゃん、と思わなくもないが、これはこれで楽しい。

「醸し人 九平次」なんて面白そうなお酒も置いてある。清酒の価格帯は、1合500円から1500円。11種類ものお酒を置いてある蕎麦屋なんてあまり聞いたことがない。これは素晴らしいことだ。「蕎麦屋で昼酒」の文化を広島の地にも根付かせるためにも、この品そろえには拍手・・・どころか、柏手をもって歓迎したい。

ちなみに、一番右下にぽつんと「キリンビール」と書かれていて、一番搾りの瓶の写真が添えられていたのがしみじみと面白かった。この商品だけ、解説文ナシ。「ラベルに描かれている麒麟とは、中国における伝説の生き物であり・・・」なんて今更解説するまでもなかった、ということか。

焼きみそ

まずは、一献。

神亀純米を頂きながら、焼きみそを頂く。

うん、おいしい。

ただし、この小さなしゃもじを取り囲んで、大人三人が味噌をこそげ落としている様というのは他人様から見たらあまり見栄えが良くなかったかも知れない。

わさびの醤油漬け

わさびの醤油漬け。

以前お邪魔したときにも頂いた記憶があるが、相変わらずおいしいですな。お酒がついつい進む、ってもんだ。

鴨煮

鴨煮。

煮こごりにする必然性があるのかどうか、ちょっと僕自身は疑問だがこれもおいしいのだ。でも、温かければもっと好きだ。

くみ揚げ湯葉

くみ揚げ湯葉。

地味だけど滋味、という奴ですな。

いや、これ以上コメントしようがないですがな。オモロい事書け、って?むちゃ言うな。

お酒は「醸し人 九平次」にチェンジ。

だし巻き玉子

だし巻き玉子。

表面が非常にきれいなので、箸をつけるのがためらわれる。とりあえず、箸の先でえいえい、とつついてみる。

ぷるんぷるん。

おおお。

母親に「何やってるの」と怒られる。この「寸止め一本」の感覚を理解できんのか、アンタは!とちょっと残念。

えいやっと箸を突き立てた。御免ね、玉子焼き。

でも、こうして少年オカデンはまた一つ大人への道を歩んでいったのであった。

なわけあるかい。

鴨せいろ

そろそろ電車の時間が迫ってきたので、お酒を切り上げて蕎麦を食べることにする。

両親は鴨せいろを注文。

やっぱり、「蕎麦だとおなかがいっぱいにならん」という認識を強く持っているので、こういうオーダーになるようだ。タネものでないと、落ち着かないらしい。

ちなみに、両親は「せめて天ぷらくらい置いてくれていればいいのにねぇ」としきりにぼやいていた。そういえば以前訪問したときも同じ事を言っていたな。確かに、天ぷらがあると「酒を呑む」人も「蕎麦じゃ腹が満たされん」と不満に思っている人も満足すると思うのだが・・・フライヤーを用意しないといけなくなるので、厨房の制約があるのだろう。

せいろそば

さて、自身が注文したせいろそば。

どれどれ。これが楽しみだったんですよ。

ずるずる。

・・・ん?

ずずずずっ。

うーん、普通だなあ。麺のコシは気持ちよく、相変わらずの満足感なんだけど・・・肝心の蕎麦の味と香りが、どこへ行っちゃったのかしらん。思わず、ざるやらお盆を持ち上げて「香りやーい」と探そうかと思った。それくらい、香りが見あたらない。新蕎麦じゃなかったんかい?

以前、夏に非常においしい蕎麦を食べさせてもらった事から、「新蕎麦だったらどんなにおいしい事やら」と期待していたのだが・・・期待値がデカすぎたらしい。

結論。美味い蕎麦を食べさせてくれるお店だからといって、秋には美味い蕎麦が食えるわけでは無い。

とほほー。

まあ、期待と実体に乖離があっただけで、いい蕎麦屋であることは事実だと思う。今回はタイミングが悪かったということにしておこう。