シマダヤ「流水麺そば」(05)

2009年05月21日
【店舗数:—】【そば食:416】
東京都某所

流水麺そば、粗挽きそば、八割蕎麦

流水麺そば

日本は四季があって楽しい国だ。

五感に感じる気温や景色だけでなく、食べ物も季節ごとに変わっていくので舌が飽きる暇がない。

とはいえ、都会に住んでいるとなかなかその四季を真正面から受け止める事は難しく、結局スーパーの食品売場で「おや、もうこんな食材が出てきたか」と感心することで補っている。

一番顕著なのは、おでん種のコーナーだろう。冬の最盛期になれば、スーパーの一角を堂々と占めるが、夏頃にはごく僅かな面積になる。コンビニだって、冬にはカウンターでどうだとばかりにおでんが湯気を上げている。

あとは果物、だろうか。やはりこれは季節感が強い。逆に、野菜は技術の進歩のおかげで年中ほとんどのものが食べられ、季節感をスーパーで感じる事は少ない。

そんな中、「おや、もうそんなシーズンですかね」と毎年思うのが、麺を売っているコーナーだ。麺など、季節感もへったくれもなさそうだが、実は冬の間冬眠していて、春先になるとにょっきりと現れる、季節の定番があるのだった。

シマダヤの「流水麺」。

原材料である蕎麦粉が旬だから・・・というのとは全く違う。蕎麦の旬といえば、晩秋から冬だろう。その時期は店頭から外され、そしてどちらかといえば蕎麦粉がへたってくる春先になると姿を現すのだから、面白い。やはり、夏場つるつるッと蕎麦を手繰る、という消費者ニーズを鑑みての事だろう。

八割蕎麦
粗挽きそば

久々にお目にかかったが、以前と違いパッケージデザインに変化があった。緑色だ。その色になんとなく惹かれてしまい、ついつい買ってみることにした。あんまり味には期待していないのだが。


そうだ、せっかくだから他の「お手軽に食べられる系」の蕎麦と食べ比べしてみよう、と急に思い立ち、そのお店で購入できる蕎麦を2種類、追加で購入してみた。生麺や乾麺は当然除外だ。購入したのは、「粗挽きそば」と「八割蕎麦」のゆで麺二つ。

早速流水麺から食べてみた。水ですすいで、そのまま食べられるところが「自宅で酒飲み」派のおかでんにとってはありがたい。いちいちゆでたりなんだかんだするのは面倒だ。で、その面倒に見合っただけの美味なる蕎麦が食せるとも思えないので、こういうのはチャチャチャっと。

つゆはキッコーマンの「ざるそばつゆ」。ストレートタイプで、ミニペットボトル入りのもの。つゆも「そのままいただけます」というものを選んでみた。今までは自分でつゆを調合したりしていたので、そっちの味に蕎麦の味が引っ張られていたが、今回は純粋に蕎麦を楽しみたい。

・・・ええと。

何か酸っぱいですな、流水麺。これは前回食べた時にも思ったのだが、多分防腐のためかくっつき防止のためか、何か細工をしているためだろう。その努力があってこその流水麺という商品なのだろうが、それにしても鼻に抜ける香りが酸っぱい。

流水のさせ方が悪かったのかと思い、再度水ですすぎ直してみた。しかし、やっぱり味が悪い。

うーん、こんなもんだっけなあ、と首をひねりながら、次の八割蕎麦を開封してみる。こちらは1分程度ゆでた後に水で締める必要がある。

食べてみる。うは、こちらも酸っぱい。しかも、何だか麺がもっちりどっしりしちゃっていて、気持ちよく蕎麦を手繰れない。もさもさ。流水麺の方がまださっくり手繰れた。蕎麦の風味?・・・いや、もうそれ以前に、この酸味をどうにかしてください。

こりゃいかん、と思い最後の粗挽きそばは盛りそばではなく、かけそばにしてみた。すると、あら不思議、普通に食べることができました。

開封直後に臭いを嗅いでみると、やっぱり酸っぱい臭いがするのだが、あたたかいつゆにくぐらせるとその香りが消えるのだな。多分、流水麺や八割蕎麦でも、同じように酸味が消えたと思う。

これらの商品を開発したチームは、どういうコンセプトで商品を世に送り出したのだろうか。「基本的には温かい蕎麦で食べるだろう」という前提に基づいているような気がする。家で、ゆで麺を買ってきてもり/ざるそばを食べる人など小数である、としているようだ。まあ、確かにそうだとは思う。

もりそばで食べる場合、葱やわさびといった薬味を多めに入れて食べると、案外イケるかもしれない。もしくは、ぶっかけにして、上に色々具を載せる。

・・・と話をまとめかかったが、おいちょっと待て、今シマダヤのサイトに行って流水麺の情報を調べてみたのだが、「冷やし専用」と書いてあった。あたたかい蕎麦用ではないのか。

うーん、悩ましい。どうなっとるんだ。水ですすぐ時間が短かったのか?

もう少しこの麺について深掘りすべきか、それとも「これ以上掘っても何も出てこないよ」と納得するのか、ちょっと思案してしまう。

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