自作そばがき

2010年01月02日
【店舗数:—】【そば食:441】
岡山県某所

湯捏ねそばがき

2009年の年末も、おかでん家一同の首根っこを押さえこみ、俺様の蕎麦、というか麺らしきもの、というか鴨汁をおみまいしてやった。9年も続けていれば、美味いかまずいかなんて超越した存在に昇華しつつあるのがありがたい。初詣に行ったり、正月におせちを食べたりお雑煮を食べるのに何の疑問も感じないように、おかでん蕎麦も何も考えずに食え。褒め言葉以外は黙れ。

そんなわけで2010年新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくおねがいしたいのだが、一体何をよろしくなんだか言っている自分でもわからないので、まあいいや。お前には頼まん。

さて1月2日だが、家族一同家を出払っておかでん一人がお留守番。おかでんは一人、ロフトに行き、「新春初売りセール」に参戦。小さな黄色いロフト袋に、「温泉の素」詰め放題500円。頭脳プレイと腕力を駆使し、袋に印字された「LOFT」のロゴが原型を留めないほどパンパンに詰め込んだ結果、温泉の素19袋ゲット。一袋25円くらいと格安。店員さん苦笑い。店員さん、新年から悪夢だ。一方のおかでんは意気揚々と退却。

しかし、温泉の素はおまけで、本当はロフトが入っているビルの中にあるイタリア料理店で、ピザ食いながらワインでも飲もうと画策していたのだった。いい加減和食に食傷気味だったので、無性にピザ食いたかった。ピザ食わせてくれ、ピザ。

お店に行ってみたら、なんと「本日貸し切り」の表示が。おい、新年早々貸し切りですか。景気がよろしいですな。同窓会かな?一方のわたしは大変に景気がよろしくないです。ひとりぼっちです。

危なく、「寂しいアナタを私が暖めてあげる」とおいでおいでしていた、「しゃぶしゃぶ温野菜」に入りそうになったが、それはそれで残念な選択なのでかろうじてパス。

その後、未練たらたらで街中をうろつき、広島お好み焼きの店は満員で振られ、別のイタリア料理店は何だか自分とオーラがあわなかったのでパス。完全に不審人物として町を徘徊した後、結局家に戻ってきたのだった。

家では食べるものに一応困らない。おせちの残りがたくさんあるし、昨年末のおでんの残りがまだしょぼくれて冷蔵庫で出番待ちだ。まあいいや、家で食べよう。結局和食に落ち着くというのは気にくわないが、まだ俺にはやり残したことがある。

椀がき

それは、そばがき。

実家の冷凍庫を漁ってみたら、何年前のだ?という蕎麦粉の未開封袋を発見。「田舎蕎麦粉」と書かれている。えーと、記憶にはあるけど何年前だっけ。ゆっくりと刻(とき)を重ねて熟成されまくっているではないか。熟成されすぎて風味飛んでそう。何とか食べてしまわないと。

とはいえ、この粉のために大変な労力で蕎麦打ちをする気にもならぬ。そうだ、そばがきにしよう。

そばがきといえば案外面倒なものだ。奇麗に仕上げようと思うと、蒸したり整形したり、ちょっと素人ができるもんじゃあない。

また、以前、雪平鍋を加熱しながら蕎麦粉と水を捏ねてみたところ、水を吸った蕎麦粉が雪平鍋にへばりつき、食べるところが殆どなくなってしまった事がある。鍋の方はというと、まるで牡蛎の土手鍋みたい。単に蕎麦粉を無駄にしただけだった。

ただ、実際はもっと簡単なそばがきの作り方がある。つい最近知った。それは「水捏ね」と「湯捏ね」の二通り。

「水捏ね」は、水で蕎麦粉を捏ね、蕎麦団子を作った後に沸騰したお湯に落とす。ゆで上がり水面に団子が浮き上がってきたら、でき上がり。倉敷の「あずみ」はこの手のそばがきを出す。

一方「湯捏ね」はもっと簡単で、器に蕎麦粉を入れ、そこに熱湯を注いでかき混ぜるだけで完成だ。「ぐらの」で蕎麦のコース料理「そば膳」を頼むと、セルフそばがきとしてこれが登場する。手軽なんだが、ゆでていない分粉っぽさは残る。ざらざらした食感でも良ければ、これが一番手軽。

今回はこの湯捏ねにチャレンジ。

丼に蕎麦粉を入れ、熱湯を注いでコネコネと。お湯と粉の配分は様子を見ながら微調整。しばらく捏ねていると、見栄えは悪いがなんとなくそれっぽいものが完成。

おせちと、プレモルと、椀がき

そばがきだけでもおなかいっぱいになりそうだが、せっかくなので冷蔵庫内のタッパウェアをあちこちのぞき込み、適当におかずを探して来た。

奇麗に盛りつけるのは面倒なので、台所にあったお皿にそのまま盛りつけ。数の子や酢蓮根など、いかにも正月っぽい料理なのに、その割には下品な盛りつけで雰囲気をぶち壊し。許せ。家族が帰ってくるまでに、一人宴会を済ませてしまわないといかんので、ちょっと慌ただしい。

麦酒は正月なんでプレミアムモルツにしてみた。清酒も南部鉄瓶に入れてスタンバイ。白鷹大吟醸。あれ、杯がないや。しょうがない、ラッパ飲みだ。・・・さすがにそれはひどいので、やめた。

肝心のそばがきだが、美味い美味い。さすがに真空パックで冷凍保存とはいえ、2年?以上は年月が過ぎているものだ、田舎蕎麦の割にはあまり風味が感じられない。それ単体で食べると、単に粉っぽい粉を食べている(意味不明な日本語)印象しかないが、醤油を垂らすと大変塩梅がよろしい。ぐっと味が引き寄せられる。さらにわさびを載せると、これがスターαでボーナスポイント進呈状態。やあ、こりゃいいや。

そばがきをお店で食べると結構なお値段するけど、いい蕎麦粉さえあれば自宅でそばがきってのもいいな。自分の好みのつまみと、酒と共に。これはやっぱり、昼下がりにやるに限る。夜に食べるほどの色気は、正直無い。かといって、朝というわけにもいくまい。

ピザがそばがきに化けたけど、これはこれで相当満足な一時を過ごしたのだった。今年はこじんまり、良い年になりそうな気がする。

おっといけねえ、家族が戻ってきた。大あわてでビール缶を隠したりお皿を片付けたり。シンデレラは24時までしかお姫様ではいられないのだった。

でも見てろ、いずれ王子様がやってくるから。またお姫様になれるさ。

・・・その時は、タライいっぱいのそばがき、だったりして。うはあ。

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