ピリ辛つゆの鶏つけ蕎麦

2010年06月19日
【店舗数:—】【そば食:445】
東京都内某所

ピリ辛つゆの鶏つけ蕎麦

セブンイレブンには用事がほとんどない。電子マネーやポイントカードに全くメリットを感じないからで、意図的にセブンイレブンは避けるようにしている。おかでん的コンビニ優先順位は「ファミマ>ローソン>その他適当」となっている。ああ、でもセブンイレブンに用事があるとすれば、ATMだな。今じゃ、セブンに行く=銀行に行く、と同義になっていて、それ以上でもそれ以下でもない。

セブンイレブンの新作そば

そんな中、先日久々に店内をうろついてみたら、弁当・お総菜売り場の拡充っぷりが非常に目立った。もともとセブンは多競合店と比べ商品開発力が優れ、お弁当類の売り場面積は広くとってある傾向がある。しかしそれにしても以前比1.5倍くらいはあるんじゃないか?

何がどうやったらそんなに水増しされるんだ、と思ったら、麺類の品そろえが相当気合い入っていたからだった。

従来のとろろそばやざるそば、焼きそば、焼きうどんだけじゃない。最近じゃスパゲティもノーマル型と生パスタ型に細分化されているし、ビーフンがある。さらにこれは最近のトレンドなのだろう、つけ麺、冷やしラーメンなど「ラーメン」ジャンルが増えている。へええ。

今年6月に新横浜のラーメン博物館にも出店した、川越のつけ麺有名店「頑者」のつけ麺なんぞもあって、感心することしきり。

そんな中、発見したのがこの商品。「ラー油が決め手!ピリ辛つゆの鶏つけ蕎麦」。

名前だけみると、暖かい蕎麦なんだか冷たい蕎麦なんだかさえよくわからない。が、どうやら冷たいままで食べるもののようだ。

最近、ラー油が入ったつゆで蕎麦をわっさーと食べるのがはやりなのかね?東京都港区に「港屋」というジャンクな蕎麦を出す有名店があるが、そこはまさにラー油のつゆで蕎麦をいただくスタイル。蕎麦には海苔と胡麻がどっさり、というスタイルらしい。行列がものすごいらしいので、なかなか行きたくても行けないお店。

そのインスパイア店が都内各地に出現しているという噂も聞くのだが、まさかコンビニにも出てくるとは。
「港屋」が有名になったのはいくつかの特徴的な営業スタイルが絡み合っているのだが、特にその盛りの豪快さが著名。「蕎麦界のラーメン二郎」と言われることもある。その流れを踏襲してか、この蕎麦も麺は300g。結構なボリュームだ。いったい蕎麦業界はどこへ向かっていくのだろう?一時、dancyuやらのグルメ雑誌で、通ぶった蕎麦の世界がさんざん持ち上げられていたが、今度はB級蕎麦がはやるのかもしれない。確かに、「駅の立ち食い蕎麦」以外で、B級な蕎麦ってまだ手薄。もっとお手軽・新感覚の蕎麦があってもいい。

おっと、店の中で壮大な思いをはせすぎた。とりあえず、買って帰ることにしよう。お会計は・・・えっ?450円。結構しますな。これ、売れるんかなあ。今日日、スーパーじゃ298円で海苔弁当買えちゃうようなご時世なのに。ちょっと挑戦的な値付け。

おいしいお召し上がり方

家に持ち帰って、あらためてパッケージを読み返してみる。

さすがに「お湯を注いで3分待て」みたいなことは書いていないが、なにやら「おいしいお召し上がり方」という記述があるぞ。

水→めんにかけてほぐす
つゆ→ちょこの中にあける
ねぎ・あげ玉→つゆの中へ
とり肉・のり・ごま→めんの上へ

めんどくせー。なんてぇお作法だ。花嫁修業の一環ですかこれは。茶道華道、そしてコンビニ蕎麦。まるで、「赤あげて、白あげないで赤下げて」と旗の上げ下げゲームやってるような感覚。

麺用ほぐし水

おっ。つゆを入れるお椀の底に、「麺用ほぐし水」発見。

麺を水でほぐせ、と書いてあった時、てっきり水道で蕎麦作りの作業をしろ、という事かと思った。そんな面倒くさい事などやっとれん、と思ったが、さすがにそれは開発者も同意見だった模様。水が添付されているとは珍しい。

週刊・鶏つけ蕎麦をつくろう

プラモデルを作るかのような感覚で、パッケージの記述を音読しながらトッピング作業を進める。ええと、海苔は麺の上にかけるのね、とか、揚げ玉はつゆの中ね、とか。

葱はつゆの中に入れよ、と書いてあったのだが、なぜか蕎麦の上にすでにのっかっていた。これをわざわざ箸でつまんで、つゆにお引っ越し願う手間たるや相当なもんです。なんなんだこの面倒くささは。

多分、「週刊・鶏つけ蕎麦をつくろう」・・・創刊号は特別価格450円、なんていう作りになっているにちがいねぇ。来週になるとさらなるパーツがついて売られるぞ。で、完成するまで1年くらいかかるという。デアゴスティーニ商法。

太い麺が魅力

あたふたしながら作って、ようやくできました。

さて肝心の麺だが、確かに量は多い気がする。で、麺は太い。つるつるっと手繰ってくれ、というたぐいの太さではない。噛め!急いで口で噛め!という太さ。

コンビニで売られる蕎麦となれば、ゆであがってから相当時間が経ってしまっている。のどごしなんてハナから期待できないので、こういうわさわさ麺に活路を見いだすのは正解だと思う。

300gの麺はほぐれきれない

とはいえ、待て待て、誰が麺同士くっついてよいと言った?

いくらほぐし水を使ったとはいえ、ほぐれてくれやしない。なにせ300gもの麺がぎゅうぎゅうに押し込まれていたんだもの、そりゃお隣さんの麺と憎からずの関係になりますわな。その結果、箸を麺玉に突っ込んで、塊をごっそりすくい上げるしかない。ええと、確認だけど、これは麺料理だよな?

ぶっかけ状態

その結果、つゆに浸けたらこんな感じに。

もう何が何だか。

味については、この麺の状態では何とも言いようがない。ただ、咀嚼して嚥下しておしまい。

ラー油が入っていてピリ辛である、というつゆは、それほどインパクトがなかった。揚げ玉が入って甘みが出たせいもあるが、もっと差別化を図るためにジャンキーな味つけに傾けてもよかったと思う。

鶏肉は完全に場違い感あり。それよりも、武蔵野うどんでよくあるように、つゆの中に豚肉が既にダイブしており、豚肉のうまみが出ているタイプの方がよいと思う。

こういう新しい試みをやってくれるのは大変にありがたいのだが、消費者としては、「せっかくやるなら従来にないパターンの、くせの強い奴を頼むぜ。」という心境。ただ、売る側としては「万人受けしないとペイしませんがな旦那」となるわけであり、ここのミスマッチがこの商品に出ちまった気がする。今後の新商品開発に期待。

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