はつかり麺 日本そば

2017年12月16日
【店舗数:—】【そば食:688】
東京都内某所

かけそば

年越し蕎麦で鴨南蛮を作る、ということが2017年は1カ月も前に大決定している。そのため、こちらとしても余裕をもってあれこれ検討に入ることができる。

これまでに、2軒の蕎麦屋さんにお邪魔し、実際にプロが作る鴨南蛮を味わってきた。

そのときの印象としては、「鴨のダシが汁に溶け込んでもう、うまくてかなわんのです」という食べ物ではないのだな、ということ。僕はすっかり鍋料理と勘違いしていたらしい。もちろん、鴨つくねを煮ることで鴨のうまみはつゆに溶け出ているけど、そこまで味を支配するほどではない。

むしろ、印象に残ったのは、立ち食い蕎麦屋の甘ったるくて辛いつゆとは違う、凜とした、キリッとした心地よいつゆの味だった。これを是非、自分の年越し蕎麦でも採用したいものだ。

そんなわけで、予行演習としてだしをとることにした。

かつお節を煮出す

「だしをとる」なんて、日本料理の基本中の基本過ぎて、今更僕がここでレシピ紹介なんてする必要はあるまい。しかし、よく考えるとびっくりするくらい自分ではだしをとっていないことに気がついた。「だしの素」や「中華スープの素」「ウェイパー」といったものがすでに常備されているし、それ以外でだしをとるとしても、昆布を一晩水に浸けるおく、とか、いりこを浸ける、といった程度のことしかやっていない。肝心のかつお節でだしをとるなんて、年末の年越し蕎麦の時だけだ。

こりゃいかんね、ちゃんとやらないとね。基礎の基礎がわかっていない。

そんなわけで、スーパーで削り節を買ってきた。100グラムで450円くらい。案外高いものだ。で、今回その100グラムを全部使っちゃった。自宅で食べるにしては、やたらと高いだしになったなオイ。

過去の教訓として、今回はかつおを中心としたダシの構成にしようと思っている。ついつい、「あれもこれも混ぜた方が、いい味になるのではないか?」ということで、昆布を多めに入れてしまう傾向があるからだ。だいたい毎年、年末になると実家の厨房には「礼文産」の昆布がおいてある。ブランド昆布の相場は全く疎いのだけど、何やら高級品っぽいので、ついつい多めに使ってしまうのだった。

昆布だしはうまいのだけど、地味だ。もっと僕としては、パーン!と華やかな香りと味にしたい。なので、昆布は少々、かつおをメインという形にしたい。

いっそのこと昆布を無しにして作ってみようかと思ったけど、いろいろだしのレシピを調べてみると、昆布は入れるようだ。だったら逆らわずに、昆布を使うことにする。

出汁をこす

お湯が沸騰前に昆布を引き上げ、沸騰後に削り節を入れて弱火で30分。

道場六三郎のように追い鰹じゃああああ!というのはもったいないのでやらない。

こんなのでよいだろうか?と疑心暗鬼になりながら、だしを漉す。

さてここからが邪道かつ手抜きだ。

本当は、「だし」と「かえし」は別に作らなくてはいけない。「かえし」とは、醤油とみりんと砂糖を煮きったものだ。

しかし、僕は今回横着して、だしを作った鍋にそのまま醤油、みりん、砂糖をどかんどかんと投げ入れた。鍋を洗うのが面倒だから、というのではない。年越し蕎麦を作る環境のことを考えて、だ。

12月31日ともなれば、おせちを作らなくちゃ!ということで厨房はごった返している。母親と義姉が料理をあれこれ手がけているし、父親も車エビの背わたを取り除いたりなんやら、家族総出で何かをやっている。そんなわけで、コンロも争奪戦であり、年越し蕎麦のために「だし用鍋」「かえし用鍋」の二カ所を占拠するわけにはいかないのだった。できるだけ一つで済ませなくては。

本当にこんなんでいいのだろうか、と思いながら、一つの鍋でつゆを完成させる。

かけそば

麺は、近所のスーパーで激安で売られていた「はつかり麺 日本そば」というゆで麺を使用。38円だったか39円だったか。

「風味豊か」を標榜する生麺を茹でて使うのも良かったのだけど、今回はダシのチェックが主目的なので手を抜いた。麺を茹でるというより、暖めるだけで完成。具もなにもない、かけそばで勝負だ。つゆの味を堪能しようぜ。

で、味なんだが、さすがに出来合いの「めんつゆの素」を薄めたものとは訳が違う。かつお節の風味が、とてもフレッシュだ。作りたてのだしだからだろう。角が立つ感じ、というとネガティブに聞こえるだろうけど、かつおのピチピチとした勢いが伝わってくる感じがする。「めんつゆ」だと、醤油とかと渾然一体になってデロン、と横倒しになっている感じだけど、それとは全く違う。

しかし、なんだかまだお店のものとはほど遠い。うっかり砂糖が多すぎたのか、甘い。もっときりっとさせたかった。何しろ目分量だもんなー。「ダシの中に、かえしの材料を全部ぶち込みます」というレシピなんて存在しないから、適当に醤油から砂糖から、入れちゃったんだよな。

もう少し砂糖を控えて、みりんを入れるべきだったかもしれない。しかしみりんのラベルを見ると、アルコール度数13.5%と書いてあってびびった。一切の断酒をしている僕にとっては、ちゃんとアルコールを煮きらないとやばい。そのせいで、せっかくのつゆを大沸騰させざるをえなかったのは失策だった。多分それで風味の一部が飛んだはずだ。

いろいろ課題があるけど、もうこのままいくしかない。

何度もそばつゆを作っているほど、僕は蕎麦を家で食べ続けるわけにはいかない。帰省まであと半月、さて、本番はどうなる。

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