そば処 菖蒲庵

2003年12月23日
【店舗数:151】【そば食:269】
長野県小諸市

せいろそば、生酒牧水

菖蒲庵

本日のメインイベント扱いとなっている蕎麦屋が、菖蒲庵だ。2001年の蕎麦屋行脚の際にもここを訪れていたが、「肩のリハビリ治療のため休業」という看板の前に呆然と立ちつくした経緯がある。今回は捲土重来だ。

車中、事前学習として「長野味本」に書かれている紹介文を読み上げた。

「最高級の石臼で挽いたそば粉を使用し・・・」

そこで、しぶちょおの待ったがかかる。

「おい待て、その『最高級』って言葉はどこにかかっているんだ?その文章だと、そば粉が最高級なんじゃなくて、石臼が最高級みたいだぞ?」

あらためて文章を読んでみる。

「・・・確かに。これだと、石臼が最高級、という事だな」

果たしてどうなのだろう。早くもドキドキしてきてしまった。店には行ったら、金ぴかに輝く石臼が置いてあったらどうしよう。しかも、その横に「国産最高級・御影石使用」なんて誇らしげに看板がかかっていたりなんかしたらどうしよう。

そうこうしているうちに店に到着。さすがに今日はちゃんと暖簾が下げられていた。やれ、肩の調子は今日は悪くないらしい。

新そばです!

入口脇には、「新そばです!」という誇らしげな文字がお出迎えをしてくれた。

あまりに誇らしかったのか、文字が踊っている。

しかしなぁ・・・ここ最近、「新そば」であまりいいのに出会ってないんだよなあ(蕎麦喰い人種の最近の記事を参照のこと)。新そばだからおいしい、という先入観はやめにして、まっさらな気持ちで食べさせてもらいますわ。

店内の様子

店内の様子。開放的な窓の向こうには、広々として庭がある。その先は・・・あれ、何もない。

庭の先まで調べに行ったしぶちょおによると、その先は崖ですっぱり切れ落ちているらしい。柵を作らないと危ないといえば危ないのだが、店内からの眺めを優先して、庭と空のコントラストを楽しんでもらおうという主旨だとか。

確かに、いい眺めだ。お品書きに、わざわざ「当店の裏庭からの景色は、小諸一です」と言うのもあながちわからんでもない。

地酒牧水

先ほどの職人館でお酒が飲めなかったうっぷんを、ひびはこの菖蒲庵ではらそうとしていた。

地酒牧水、純米吟醸1000円也を注文した。

そうするとこちらも負けてはいられない。同じものを注文するのも悔しいので、「むむむ、ならば」と生酒牧水300ml、750円也を注文してみた。

「300mlって、量多くない?」

なんて言われながらも、イマイチ実感が沸かなかったので「いや、でも2合も無いんだろ?大丈夫だってば」なんて気楽に答えておいた。

しかし、いざお酒が届けられてみると・・・うわ。そうか、300mlって小さな瓶の、あのサイズだったのね。これ一人で飲むのって、結構な量だぞ。 左のガラスとっくりに入っているお酒の方が、値段が高い。むむむ。

昼酒をあおる

まあ、そういう運命(さだめ)なんだろう、と割り切った。「じゃあひびさん、お互いぐいっと飲りますか」と言って、二人そろってぐいーっ。

きゅう。久々に蕎麦屋でハシゴ酒をしたが、なかなか肝臓に染み渡りますな。これでいっぱい目のひびは「ぷはー」なんて言ってるが、こっちは「うむぅ」という低い声を出す。その様を眺めながら、お酒が飲めないしぶちょおはニヤニヤしている。

そば焼きみそ

さて、酒のつまみとして注文したものを頂きましょうかね。

まずは、そば焼きみそ。お品書きには、「そばの実、くるみ等をみそで練り 焼き上げたものです」と書かれている。くるみが入っているのが、東信濃地区独特といったところか。

食べてみると、確かにくるみの香ばしさがある。これで酒がくいくいとすすむ・・・ううん、やっぱり量が多いぞ、このお酒。

既にお酒をもてあまし気味。

鴨スモーク

鴨スキーのしぶちょおが、鴨スモークを頼んでいた。ロースハム状のものと、パストラミ状のものの二種類が用意されている。あまりスモークされているような印象は無かったが、鴨なんて出てきた日にゃ、いくら酒があっても足りないくらい・・・

「おい、飲むペースが落ちたんじゃないか?」

しぶちょおから指摘を受ける。おかでん、ニコヤカに「そんなことあるかい。小諸一の風景を眺めていたら、もうそれだけで酔ってしまって」なんて訳のわからん言い訳をする。

店のオバチャンから、「まだお蕎麦はおもちしない方がいいですよね?」と確認がきた。「ああ、すいませんまだお酒がありますんで、もうしばらく待ってください」とお断りを入れる。

その後も、飲みきれないお酒を前にチンタラとちびちび呑んでいたら「お蕎麦は?」とお店のひとから確認が2度ほどきた。「すいませーん、まだもう少し。飲み終わったらお知らせしますんでー」と恐縮。

間違っちゃいけないのは、われわれはここを居酒屋にしようとしてやってきたわけではないということだ。そばを食べにきたのだ、しかも、「最高級の石臼で挽いた」そばを・・・あれ、逆だったか?

お品書きには、解説のページがわざわざ用意されていて、そこには

菖蒲庵のそばは、国産の最高級石臼引きそば粉を使用。つなぎの割合は10:2 外2割、細打ち

と書かれていた。ううむ、これでもやっぱり最高級なのは石臼なのかそば粉なのか、どっちか不透明だ。しかし常識的に考えてこの文章を解釈すれば、「最高級」の「石臼引きそば粉」なのだろう。それは楽しみだ。でも、楽しみである反面、こういう事を自ら宣言しちゃう蕎麦屋ってえてして言うほどおいしくないような気がするので、ちょっと不安。

そば

そば、出てきました。ゆで時間が20秒から30秒、ということなので相当短時間のゆで方だ。

では、早速。

ずるずる。

ほぅ、これが・・・。

三人とも、もくもくと蕎麦をすすり、「じゃ、行こうか」

車中、「で、結局最高級だったのはどっちだったんだろう?」という議論になったのだが、結論は3人とも「石臼だったんじゃないかな」という事だった。 おいしかったんですけどね、味が何か薄かったんですよ・・・。

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