移動1日、下見半日
日 時:1993年(平成04年) 12月25~27日(0泊3日)
場 所:新潟県佐渡市 佐渡島
参 加:おかでん、蛋白質 (以上2名)
第一回天幕合宿を神島で敢行し、成功裏に終わったわれわれは、早くも翌夏の第二回天幕合宿の開催場所選定を開始した。いろいろ検討が行われたが、基本的に離島というのは交通の便が悪く、交通費が高く、学生であるわれわれにとってはなかなか行きづらい場所であった。いくつもの候補が提示され、検討はされたがそのほとんどが却下となっていった。
なにしろ当時はmapionなどのネット地図が存在しない時代。中学高校の地理の授業で使った日本地図帳を眺めつつ、島の存在を確認し、「ここはどうだろうか?」なんて議論の遡上に載せるしか手段がなかった。その島に砂浜があるかどうかなどはさっぱりわからないので、目星をつけたら都心の大きな本屋に出向き、1/25,000地図を確認するという非常に手間がかかる段取りだった。
なかなか候補地が決まらない中、半ばやけくそに「佐渡島でも良いんじゃないか」と傾いていった。文句なしの離島ではあるが、非常に広大な面積を持つ島。いまいち、これぞ島だ!という感覚には欠ける。とはいえ、「下見でぐるりと島一周してくれば、水も食料も確保しやすい砂浜くらい、どこかにあるだろう」という希望的観測があった。とりあえず佐渡島に下見してきて、そこで見極めを行うことにした。
新宿を深夜に出発する快速「ムーンライトえちご」に乗り、明け方に新潟到着。そこから歩いて佐渡汽船のフェリーターミナルへ移動。そこから2時間の船旅で佐渡島に到着した。現地ではレンタカーを借り、島南部を半日かけて探索した。
こじんまりした砂浜、立派な海水浴場、2カ所の候補が見つかったが、さすが離島だけあって呑気な砂浜地帯ってのは少ない。海の直前まで崖が迫っているようなところが多く、思ったより候補となる場所は少なかった。佐渡島の面白いところは、海沿いの周回道路に沿って、数キロおきに集落があることだ。全く集落がない「不毛地帯」があっても良さそうだが、ぽつん、ぽつんと集落が常に現れる。集落がある=食料調達ができる、ということであり、キャンプの候補地となりえる場所であった。そのため、「あっ、集落だ!それ、この近所にテントが張れる砂浜はないか探せ!」と何度となく探したのだが、結局ほとんど見つけることはできなかった。
お昼、両津に戻り、名物というイカソーメンを食らいつつ、キャンプ地の選定会議を行った。結局、両津から南に10kmの至近距離にあるこじんまりとした砂浜にテントを張ることを第一候補として決定した。
砂浜の近くに川が流れていることもあり、水の調達もなんとかできそうだったからだ。あと、近くに集落があるし、場合によってはバスで両津にまで買い出しに出かけることもできる。
午後、両津の北側、外海府の方を目指したのだが、帰りのフェリーの時間が迫ってきたので断念した。レンタカーを返却し、そのまま東京へと戻った。
後で知ったのだが、佐渡島のキャンプ場といえば「二ツ亀キャンプ場」が非常に有名らしい。われわれが下見しようとしていたが時間の制約で断念した場所にある。下見していたら絶対そこが気に入ったはずだが、当時のアワレみ隊の発想としては「キャンプ場でキャンプやるなんて小学生の野外活動と一緒で軟弱なんだよケッ」となっていたと思われ、恐らく却下されていただろう。当時は若かった。そして、金が無かった。
(2006.07.30記)
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