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『Spreme(ミックスピザ)』
(神奈川県横須賀市泊町)

横須賀にある米海軍基地は、年に一度の「フレンドシップデー」の際に立ち入ることが出来る。もちろん、手荷物検査や、場合によっては身分証明書の提示が必要となるのだが、「日帰りで行ける」アメリカだ。

このフレンドシップデーでは、アメリカさんのジャンクフード好きをいやというほど見せつけられる。至る所で売られているホットドッグやステーキ。どれもサイズが規格外だ。しかも、安い。

ここは日本の土地ではあるが、日米地位協定に基づいてアメリカ領土となっている。基準の全てがアメリカナイズされている。

そのあたりの情景は別途「へべれけ紀行」で紹介するが、今回美貌の盛りでは「ピザ」を特に取り上げたい。手っ取り早い、デカさの象徴だからだ。

膨大な数の屋台が並ぶフレンドシップデー。戦艦ごとの出店だったり、勝手連として出店していたり、基地内の店舗がお店を出していたり様々だ。しかし、ピザは特殊なオーブンが必要となるため、どこでも売られているというわけではない。

三笠公園ゲート近くの屋台

基地内に入って最初にある屋台の一つ。ここはピザを扱っている。

屋台の背後に、ピザを焼くためのオーブンが鎮座しているのが見える。こんなデカいのをどこから運び込んだのか、というのが謎だし、電源はどうやって確保したのかも気になる。つまり、それだけピザを売るのに気合い入ってます、ということだ。そして店頭には、早速ピザが山積みになっている。

宅配ピザに見慣れている我々日本人にとって、真っ白なピザボックスというのは少々新鮮に見える。

ピザ1,500円

メニューを見ると、14インチ(35センチ)のピザが1,500円、ということがわかる。ドミノピザやピザーラのLサイズが36センチなので、ほぼ同じサイズ、ということになる。それでこの値段。半額以下だ。

もちろん、具の量や種類が違うので単純比較はかわいそうだ。そして、宅配とテイクアウトの違いというのも考慮しなければならない。この情報だけをもって、「日本のピザ屋はぼったくり。」と決めつけるのは早計だ。とはいえ、この値段なら日常使いとして使える。素敵な事だと思う。

なお、ここでピザを買うのはまだ早い。

ピザを基地内で食べつつ、夜の花火大会まで待つ・・・というスタイルをとるならかまわないが、お土産にピザを日本に持って帰ろう、なんて思ったら、今買うと確実にお荷物だ。ピザが欲しければ基地を去る直前に買う、というのがスマートだ。

これがおそらく14インチ

ボウリング場前にある屋台でもピザが売られていた。ここも値段1,500円なので、おそらくこれが「14インチ」なのだろう。相当にでかいことがわかる。

ついでに言うと、具がとてもシンプルだ。チーズと、ペパロニだけ。宅配ピザの具だくさんに飼い慣らされてしまった豚どもである我々日本人にとっては、正直物足りなさを感じる。しかし、こういうのがむしろアメリカ的だ。具がゴテゴテ乗っているピザはアメリカっぽくも、イタリアっぽくもない。

アンソニーズピザ

横須賀基地を訪れた事がある人は、必ずこのお店に目がとまり、そして心ときめかすだろう。「横須賀基地におけるピザの総本山」ともいえる屋台がこれ。アンソニーズピザ。大量にピザボックスが店頭に積み上げられ、その量がはったりでない証拠にバンバン売れていっている。午後になると、このピザ屋のピザボックスをぶら下げて往来を歩いている人をとてもよく見かける。一様に、高揚した顔をし、若干のドヤ顔と、「困ったなあ、こんなの食べられないよ」という照れの顔をしているのが印象的だ。

ピザのお値段

ここのお値段は先ほどのものより若干高い。

ペパロニ(ダブルトッピング)が1,650円、コンビネーションピザ(ミックス)が1,800円。

昨年私はここでペパロニを買ったのだが、大いに味に飽きて後半もてあましてしまった。一人暮らしの人が買うものじゃあない。そのときの様子はへべれけ紀行で書いている。

まるで工場

売り子さんがいる屋台の隣は、さながら工場。ものすごい数の人が、ひたすらピザを製造していた。数えてみたら、その数約20人。20人が作りまくるピザってものすごい規模だ。

ピザが次々焼けていく

ピザはトッピングが完了次第、次々とオーブンに入れられる。宅配ピザ屋にあるのと同様、オーブンはベルトコンベアになっていて、ゆっくりとオーブンの中を通過していく。オーブンから出てきた時にはちょうどいい感じに焼き上がっているという仕組みだ。

そのオーブンなのだが、恐るべきことに1台につき上中下と3レーンを備えている。しかもこのマシンが3つだか4つだか、この「製造工場」には備わっている。恐るべき生産体制だ。女工哀史、という言葉をふと思い出してしまった。なにしろ、写真のとおりオーブンからは数珠つなぎでピザが出てくる。ここは一日でピザを何枚焼くのだろうか?

ここまでしてピザを必死に焼くのは、まだ早い時間のうちに大量在庫を築き上げておきたいからだ。午後になると、基地から帰る人たちがどんどんピザを買い求めにやってくる。その際、ストック切れにならないように狂ったように作りまくるのだった。それでも、午後になると品切れを起こすこともあるようで、日本人を魅了してやまないピザだということがうかがえる。

スバロでもピザがある

基地内にはもう一カ所、ピザを売るところがある。それは、フードコート内にある「スバーロ」だ。あまり馴染みのない名前かもしれないが、日本には6カ所お店があるので、「日本未上陸」というわけではない。「NY発のイタリアンクイックレストラン」と銘打っているのが特徴で、既に焼き上がったピザなどが陳列されているので、ビュッフェ形式でチョイスし、暖めて食べるというのが面白いスタイル。「ピザは焼きたてに限る」などというグルメに真っ向対立するやり方だ。

でかいでかい箱

このお店は、フードコート内の営業もやりつつ、屋外にテーブルを並べてピザを売っていた。そのデカさたるや特筆もので、これまで見てきたどのお店のものよりも大きかった。

基地内最大18インチ

それもそのはず、「基地内で最大の大きさ(18インチ)」のピザを提供しているからだ。18インチといわれてもサイズがよくわからないが、約46センチと聞けば驚き呆れるだろう。スポーツ車のホイールサイズと思えば、そのでかさも少しは想像がつくかもしれない。とにかく、大きい。

その分お値段もさすがに高くなり、2,120円と設定されていた。ちなみにメニューは「ペパロニ(ダブルトッピング)」と「ミックスピザ」の二つ。

購入すると紐をもらえる

購入すると、紐がもらえる。これで箱を縛り上げて、ぶら下げて持って帰れということだ。しかし、新聞紙の束でさえ気持ちよく縛り上げられないというのに、これだけ大きなピザボックスを縛るのは至難の業だった。結局、バランスが悪くて、両手で箱を持って帰路に就くことになった。

かなり重たい。大きさばかりに目が奪われがちだが、大きい分、しっかりと重量にも反映されている。広大な基地を歩き、横須賀中央駅に向かうまでの道中、既に腕がくたびれた。しかも恐ろしいことに、だんだんピザボックスの底が蒸れてきて、しんなりとしてきた。家にたどり着く前に底が抜けてしまうんじゃないか?と不安にさせられた。電車の中で18インチのピザをぶちまけてしまったら、相当な迷惑だ。それだけは避けたい。

この巨大ピザ、横須賀界隈では珍しくない光景なので誰も気にしない。しかし、都心に戻ってくると、このようなピザボックスはとても珍しいらしく衆人の好奇の目にさらされることになった。中には二度見をする人もいて、さすがにこちらも少々気恥ずかしくなった。

ミックスピザの中身

購入したミックスピザの中身。スバーロのピザは、具が多いし肉厚のパン生地だ。食べ応えは十分だ。具は、ペパロニ、玉ねぎ、マッシュルーム、ピーマン、パプリカといったところか。

顔との比較

帰宅して、改めてご対面。18インチの暴力的なまでの大きさがよくわかる。

嬉々として食べたが、初日にして2ピース食べたところで終わりになった。全部で8ピースあるのだが、一体これはどうすればいいのだろう。1ピースを家にやってきた友達にプレゼントし、残りは翌日以降のお楽しみ、とした。

しかし真夏ということもあり、翌朝には早速味がおかしくなりはじめていた。あわてて、1ピースごとにラップでくるみ、冷凍庫で保存することにした。箱に入った状態で食べ進めてこそ、「これだけ大きなピザを今食べているのだ」という満足感が得られると思っていた。なので、1ピースごとに分割し、冷凍保存というのは少々残念であった。

・・・のだが、結果的にはそれでも十分、満足感はあった。このあと、毎朝の食卓にピザが1ピースずつあがり、5日間で食べきったのだが、その期間中は朝のピザのせいでお昼時になってもお腹が空かず、なんだかモヤモヤした気分にさせられた。「朝食はしっかり食べよう」とよく言うが、ものには程度がある。あと、しっかり食べるといっても、ピザじゃダメだ、ジャンクすぎる。

とはいえ、一年に一回のことだし、アメリカを激しく満喫したのは間違いない。この高揚感、日本国内ではなかなか味わえない。来年の開催が早くも待ち遠しい。

(2014.08.03)

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