1998年11月第1週(11/01-11/07)

【11月01日(日曜日)】<81.0キロ>

朝食:豚汁うどん
夕食:ビール1000ml、ほっけ、ればにら炒め

おやー。また太ったか。なんだか最近、激しいアップダウンを繰り返すようになってきたなあ。ただ、太るといっても一過性のものですぐに80キロジャストくらいには復帰できる。しかししかし、どうしてこんなに太るのか、まったくもって謎だ。食べてすぐ寝るのがいけない、ってのは分かっているにしても、もう少し何か原因がありそうだけど・・・?

そうだ、思い出した。昨晩は豚汁を頂いたんだっけ。汁物をお酒のつまみにすると、てきめんに太るという事を忘れていた。多分、それで太ってしまったのだろう。仕方が無いなあ。

昨晩の鍋をのぞいてみると、無惨豚汁のなかにうどんが投入されていた。あーあ、なんでうどんを投入しちゃうかなあ。豚汁そのもので十分楽しんだ後、最後のシメとしてうどんを投入するなら納得なんだけど、いきなりうどん投入しちゃってるんだから。ちょっと酔ったものだから調子に乗ってしまったらしい。うどんのおかげで濁ってしまった汁をずるずるとすすりつつ、朝ご飯とした。なんかむなしいので、カイエンペッパーをたくさん投入しつつ。

さて、朝食が終わったところで体に異変を感じた。・・・おなかの調子が悪いのだ。あわててトイレへ直行。一体どうしたのだろう。何か腐ったものを食べた?いや、そんなはずはない。じゃあ、昨晩ワインを1本開けたのがよろしくなかった?うーん、あり得る話だ。それとも、辛いものを食べ過ぎた?うぬ、これもあり得る話だ。あまりに原因として考えられるファクターが多すぎて、絞り込みできなかった。ただれた生活してるからなあ。ただまあ、そんな悠長な事を言ってる場合ではない。トイレと自分の部屋との間の行ったり来たり大行脚のスタートだ。まるで振り子時計の振り子みてぇ、なんて自嘲する。

まあ、ここらへんの記述は他人様に見せてキモチの良いものではないので割愛したいんだけど、割愛できないだけの事情があるんだな、もうちょっとおつきあいください。

何がって?いや、お尻がイタイのなんのって。これにはほとほとまいった。辛いものを食べた後のお手洗いってお尻が痛くなるじゃないですか。おなかを壊している時にこのお尻が痛いのが重なったものだからさあ大変、「あー」と情けない声をあげて痛さを我慢しなければならない自分のみじめさといったら!トイレから戻ってきても、しばらくは四つん這いになってお尻の痛さがやわらぐまで待たなければならない始末。これが何回も続くんだから・・・とほほ以外の言葉が思いつかない。

辛いものを調子に乗って食べると、こういう目にあうのだなと反省。ちょっとは遠慮しなくては。

腹具合が悪かったのはお昼の数時間で、夕方になると元に戻ってくれた。ということで・・・というわけではないのだけど、ビールを頂いてしまった。これだから痩せないんだよなあ。

でも、痩せる・痩せないの議論で言うならば、今日は日中も全然痩せてはくれなかった。あれだけおなかを壊していたのだから体重激減必須、なんて期待していたんだけど、お昼中はずっと81.0キロをキープし続けていたのだ。こっちも意地になってお手洗いにいくたびに体重計に乗ってみたりしたんだけど、その成果なし。朝に水分豊富な豚汁うどんを2杯ほど頂いてしまったのが裏目に出たのだろうか?

【11月02日(月曜日)】<80.8キロ>

朝食:ベーコンとキャベツの炒め物、こんにゃく、納豆、ご飯、おみそ汁
昼食:あこう鯛、マカロニサラダ、ご飯、おみそ汁
夕食:肉ニラ炒め、玉子スープ、漬物、ご飯、あんにん豆腐

200グラム、痩せた。まあ、昨日お昼の大騒動を考えれば当然の結果か?といっても、しょせん80.8キロの高止まりなわけで、特に喜びも何もない。もう今現在の僕にとっては、200グラム痩せようが400グラム痩せようが、80キロ台にいる限りはうれしくもなんともなくなってしまった。そんな倦怠ムードが停滞を呼び、停滞がさらなる倦怠ムードを生むって事はよく分かってるんだけど・・・こればっかりはイカンともしがたい。

ようやく、といっていいかもしれない。ギムネマ茶の効果が見られなくなってしまった気がする。10月の頭頃は、「ああ今日も痩せた」「わあどんどん痩せる」と夢中になってギムネマ茶飲み飲み体重計に乗っていたものだ。しかし、そんな話ももはやセピア色の写真と化してしまったのだろうか、最近はギムネマ茶を飲んでもあまり効果が無い。

いや、そもそもギムネマ茶そのものの効果には今でも僕は懐疑的だ。多分、ギムネマ茶飲み始めとほぼ時を同じくして痩せたのは、「ギムネマ茶というダイエットに効果があるモノを摂取してる」という適度な緊張感が日々の生活いたるところに影響を与えたからだろう。要するに、ギムネマ茶はあくまでも触媒の役割しか果たさなかった、ということ。で、時と共にその緊張感という名のメッキが剥げてしまったため、痩せなくなってしまったというワケだ。

「ひょっとすると、ギムネマ茶の葉っぱが時間と共に痛んでしまったので効果が落ちたのかな?」なんて好意的に解釈する事もできるけど、そんな事をしたって何にもなりゃしない。幻想だろうがなんだろうが、本人をその気にさせてくれて実際に体重が落ちる、それが真のダイエット薬。そろそろギムネマ茶は引き際なんだろうな、きっと。

そういや、昨日実家の母親と電話で話していたら、「ギムネマ茶効かなかったヨ」という事をのたまわれた。どうやら、僕が「いやあギムネマ茶はいいッ!」なんて以前熱く語ったのを耳に留めていたらしく、実際にトライアウトしたらしいのだ。「少しは利尿作用があったようだけど・・・特に痩せなかった」だって。

やっぱり、さっきの話に戻るけどこういう「痩せ薬」系のものってのはいかに幻想を見させるか、なんだろうなあ。「この薬をやっているからにはガンバらなくては」という気にさせて、気がつかないウチに食事制限やってたって形にもっていくという。で、本人は自分が自己節制やってる事に気づかないものだから、「薬が効いた!」なんて大はしゃぎして、ますます自己節制に拍車がかかる。

ただ、ギムネマ茶が全く効果がないかというとそうでもないようだ。夏頃、「寝る前にちびりちびりとお茶を飲みつつテレビを見る楽しみ」なんて事を日記で書いたけど、さすがに寝る前に水分補充すると翌朝その分だけ体重が増えたものだ。しかし、ギムネマ茶に限って言えばそんな事は一度たりともなかった。ギムネマ茶飲んで目方が増えた分は、絶対に翌朝に引きずらなかった。少なくとも水分を体内から排出する働きだけは十二分にあるのだろう。

そういえば、のどが渇いている時にギムネマ茶を飲んでも全然のどの渇きが癒やされなかったなあ。

「早飯は勝利」。これが最近身につけた教訓だ。よって、この日も夜7時過ぎに食事を済ませてしまった。まあ、ホントに体重に効果があるのか単に誤魔化しの域を越えないのかはわからない。しかし、そんなのはどーでも良かったりする。痩せて見えたモン勝ちだってば、こんなの。

いつも利用している会社そばの中華料理屋、お店を出るときに「ありがとうございましたぁ」と元気よく店員が声を出す。で、常連さんに対しては「まいどどうも、ありがとうございました」と一言よけいな言葉がつく。ここらへんは適当に誰構わずやってるのかと思ったら、なじみ客だけに「まいど」という言葉を使っているようだ。「ならば僕だってここ最近週に2回くらいは通ってるんだし、そろそろ常連扱いされたって」とレジでお会計を済ませるときは軽く身構えるようにしているのだが・・・いつまでたっても「まいど」の一言が出てこない。どうやらまだまだ精進が足りないようだ。ちえっ。

【11月03日(火曜日)】<80.2キロ>

昼食:菓子パン3個、低脂肪牛乳500ml
夕食:レッドチェダーチーズ、ピザ、ワイン1本

ほらー。やっぱり夕食を早いタイミングで、しかもお酒抜きだとこうして痩せるのだな。あまりに露骨にこういう結果が出てくるので、逆にちょっとばかり機嫌を損ねてしまった。なかなかムツカシいお年頃、なんである。「がんばったのに結果が露骨に出ないのはどういうことだ!」なんてぷんぷんしているときもあれば、今日みたいな時だってある。ダイエットに対する考え方が首尾一貫されていないんだな。あ、だから痩せないのか。

いやね、何が機嫌が悪いって、それなりに痩せてくれはするものの「80.2キロ」という寸止め一本的なトコロで止まってしまっているこの体重。もうちょっと突き抜けて、80キロジャストくらいだと「よっしゃあ、がんばるぞ」って気になるのにねえ、かわいげの無い奴だ。付き合い始めて早25年近く、いまだに自分の体は自分の思い通りに制御できていない。

トシをとると、ますます自分の思い通りに体が動いてくれなくなるというのに、先が思いやられるわい。あーしんど。

ここらへんが甘いっていうかなんというか、ついつい菓子パンを3個も食べてしまった。ちょっとここ最近食べ物に対してタガが外れてきているような気がする。これじゃ、ギムネマ茶うんぬんなんて言ってる段階じゃないのに。

ちょっと高いワインが手に入ったので、珍しくチーズなんぞをおつまみにしてワインを、なんて事をやってみた。端的に結論を申し上げますと、失敗じゃああっ。やられてしまった。チーズがおいしくなかった。これだったら、まだ明治のスライスチーズでもかじっていたほうがましだった、というチーズをつかまされてしまった。

悲劇はまだある。ここ最近、国産の400円程度の安物ワインばっかり飲んでいたので、「ごく普通の」ワインの味ってのをすっかり忘れてしまっていたのだ。だから、今日頂戴したワインが妙に濃く感じてしまい、「うーん」と唸ってしまった。いや、ホントはおいしいにきまってるワインなんだけど、グラスの向こうが透けて見えるほどの薄い安ワインばっかり飲んでいたので・・・。悪貨は良貨を駆逐する。まさしくそうだな、やっぱりグルメってのは貧乏人からは絶対に生まれないわ、と思ったね。

【11月04日(水曜日)】<80.4キロ>

朝食:焼売、きんぴらごぼう、納豆、ご飯、おみそ汁
昼食:?
夕食:会食

200グラム増量ですんだというのは良しとせんといかんのだろう。なにしろ昨晩の食事はピザやらチーズやら、カロリーがいかにも高そうないたりあーんな料理だったからだ。それにしてもあんなものをずっと食べていたら、確実に寿命が縮むよなあ。日本が長寿国家だってのがよくわかる。だって、本能的にチーズやら肉やら食べているよりも魚や野菜を食べているほうが健康によさそうだ、ってわかっちゃうんだから。

朝食にシュウマイが出てくる頻度が案外高い、ということに気がついた。ナゼ、シュウマイなのか。いや、ソレ以前になんでMS-IME98は「シュウマイ」を「焼売」と変換してくれないのか。ATOK10では変換してくれるというのに。とごそごそやっていたら、どうやらMS-IMEでは「しゅーまい」で変換をかけないと「焼売」にしてくれないらしい。ほらっ、これだからMS-IMEは使えないよなあ。

とっとっと、話がずれた。ナゼ朝食に焼売か、という話だったっけ。前から話しているとおり、寮の朝食費は150円。いくらマクドナルドのハンバーガーが安いとはいえ、通常価格のときでは2個も買えない程度の金額。この中からやりくりするとなると、相当献立作りには苦慮させられると思われる。じゃあ、安くて見栄えの良いメインディッシュとなり得る料理は?という点に問題点は絞られてくるだろう。夕食だと、確実にお魚だ。さんまの一匹でもどかんと皿に盛り付けておけば、誰も文句は言えないメインディッシュとなる。しかも、そのさんま一匹で100円程度。あとは小鉢とご飯とおみそ汁程度で完成なんだから、問題無い。では、朝食は?さんま一匹、なんて朝から食べたくはないしそもそもメインディッシュに100円もかけてしまっては、あっという間に150円のリミットを越えてしまう。では、では・・・と、行きついた先が焼売。

そりゃ、焼売なんて餃子と比べて若干コストが高い食べ物だけど、あっさりしているのと数個配置するだけで「それっぽい」感じになるのとで朝食のメインディッシュを飾るには最適なのだろう。まあ、このカンガエはすべてにおいて推測の域を出ていないので、ウソかホントかわからないところではあるのだけど。

昼食、不覚にも何を食べたのか忘れてしまったので却下。ということで、さっきの話の続き、「朝食にふさわしいメインディッシュとは?」という議論を続けよう。

値段でいったら確実に玉子料理というのは強い。玉子1個で高くっても20円程度だ。これで目玉焼きでも焼こうものなら、立派なメインディッシュだろう。場所も食うし、「どうだ、文句あるか」という威厳あるそのたたずまいは、メインディッシュの風格十分。あと、これをオムレツやらスクランブルエッグやらに展開させていけば、数日間は変化に富んだ料理を提供できる。こんな楽な話は無い。

しかし、過去の朝食献立を見直してみると案外玉子料理って出ていないんだな、これが。ナゼだろう。やはり、サルモネラ菌騒動が怖いから自粛しているのだろうか。生卵は絶対に食卓に上ることはないということは知っているけど、加熱処理した卵も遠慮しているのかなあ???

おかげで、寮に住み出してからすっかり卵と疎遠になってしまった。だからこそ、牛丼屋に行ったときはかっならず生卵を注文するクセがついてしまった。

いやまあ、朝食の傾向と対策なんて今ここで練ったところでいちもんのトクにもなりゃしない。ここで僕がやらなきゃならないのは、「朝食にふさわしい新献立の創出、発掘」なのである・・・と勝手に自分自身にミッションを課してみた。さて、何があるかな。

真っ先に思いついたのが「カロリーメイト」だったけど、これはあんまりだったので却下。そりゃ薬局やらスーパーでまとめ買いすれば劇的に安くなるカロリーメイトだけど、こんなモノをなんで食堂で食べないといかんのだ、という根本的な問題点に気がついたからだ。

じゃあ、ヴィダーインゼリーはどうだ、10秒で採れる朝ご飯・・・おいおい、発想が全然進歩してないぞ。

とまあ、だらだらとこうやって日記を書き進めていく上で何かいいアイディアがでてくるかと思ったんだけど、まーたく何も思いつかなかった。却下だ、却下!時間の無駄だったのねん、とほほ。

この日はお客さんと会食。まあ、要するに「接待」っつー奴に限りなく近いお食事会だった。この不景気のご時世になんてコトを!ってお叱りをうけそうだけど、しゃーないじゃん、カネがある会社に勤務してるんだから。・・・と憎まれ口をたたいてみたりする。ま、不景気だからこそ接待のような無駄カネを使って、景気浮揚に貢献しようというわけだ。悪く思わんでくれい。

しかし、コースの最後に出てきたお茶漬けにはまいった。海苔と、三つ葉と、なんと柿の種がご飯の上に乗っていたのだ。思わず上司が「えっ、これ柿の種ですか」と聞いたくらいだ。かりそめにも接待に使うようなお店だ、一品一品にちーたぁお金をかけていて趣向を凝らしているものだとばかり思っていたのに、最後でどかんとオチがついたというかなんというか。このお茶漬けだったら、自分でも台所をあさればいつでも作れそうだ。しかも、コストは極小で。いや、やられましたわぁ。

【11月05日(木曜日)】<80.4キロ>

朝食:きんぴらごぼうのマヨネーズあえ、秋茄子の煮物、納豆、ご飯、おみそ汁
昼食:豚汁、納豆、ご飯
夕食:牛丼大盛り、生卵、サラダ

体重、横ばい。昨晩が昨晩だけに、増量が気になったけどなんとか維持してみせた。時折体重計は「80.6キロ」の表示をちらつかせたけど、気合で80.4キロに抑えこんだ。

おや、きんぴらごぼう?昨日の朝もきんぴらごぼうが出てきたような。どうやら余ったものを今朝にまわしたらしい。ご苦労様でございます。

寮食堂のシェフは大変だ。ちゃんと事前に「欠食簿」にて欠食を宣言しておくルールになっているのだけど、「うーん、この日は食事食べるかもしれないから」と保留にするヒトってのが結構な数、いるのだ。そういうヒトは欠食簿にチェックをつけない。で、いざ当日を迎えると仕事が忙しいやらなんやらで結局欠食となってしまい、シェフが確保しておいた食材が余るということになる。

まあシェフもそこらへんは防御策を考えているらしく、人数分の食材は確保していないようだ。ちょっと少なめにしているらしい。しかも、料理を作りおきしておかないようにしておいて、調理済み料理をデッドストックしないようにもしている。それはそれで結構なんだけど、おかげでカウンターから「お願いしまーす」とシェフにあいさつしてから、料理が出されるまで10分以上待たされる事だってある。

・・・というのはだいたい夕食の話で、僕自身まーったくといっていいほど食堂で夕食を食べていないので、上記の話は過去の記憶をたどっているにすぎないんだけど、ね。

ロクなメニューが無かったので、豚汁+ご飯+納豆という「困ったときのメニュー」にしておいた。これだと、そこそこ幸せな気分になりつつ満腹になれる。しかし、二食連続納豆っていうのもよーやるよなあ。体がねばっこくなりそうだ。

外出先から直で帰宅となったので、いつものような会社そばの料理屋で食事、というわけにはいかなかった。ということで、ひっさしぶりに池袋駅界隈で食事をとることになった。東南アジア人が切り盛りしていた天丼屋が潰れてしまった今、頼りにできるのは牛丼の松屋しかない。いつもどおりといっては何だが、牛丼大盛りを頂いた。

「んー、やっぱり丼飯を食べるのって満腹度合いが違うよなあ、おかずたくさんご飯少々じゃこの快感は味わえないよ」と一人満足げに池袋駅に戻っていると・・・あれれっ、9月につぶれたはずの天丼屋が明かりがついているではないか。復活したのか?

もし再オープンしたのだとすると、夕食の選択肢が増える。喜ばしいことこの上ないのでドキドキしながら天丼屋の明かりに吸い寄せられていった。

「あっれぇ、んだこりゃあ!?」思わず叫んでしまった。叫ばずにはいられなかった。看板は昔のままだから、てっきり同じ店だと思って中をのぞきこんでみると、気難しそうなオッちゃんがカウンターにいるだけ。あの東南アジア人の店員はやっぱりいないらしい。しかし、無いものはまだあった。今までは自動食券売機が設置されていたのに、それが見当たらないのだ。そのかわりに、入り口には「天丼700円」とか値札がべたりと貼り付けられていた。昔より200円も高い?

ここで、さっきの叫びが出てしまったのである。このお店、以前は「てんか家」という名前のお店だったんだけど、今は「てん丼家」になっていたのである。「てんか」の「か」部分を青く塗りつぶし、その上に「丼」という字を無理やり書き込んでいるではないか。青く塗りつぶした形状からして、あきらかに下に「か」という字がかかれていたのがわかってしまうあたり、静かに寂しい。そうか、お店は全く違うものになったのか。

それにしても、看板くらいなんとかしろよなあ。まるまる昔のお店を転用してしまうなんて、セコいというかなんというか。お店の外から内装を見る限り、店内も一切手をつけてない模様。ああ、このお店将来どうなるのかね。池袋駅前、ということで激しく好立地条件なんだけど、それだけに地価だって高いはず。相当売上を上げないことにはモウケがでないと思われるんだけど・・・この「てん丼家」に幸多かれ!

【11月06日(金曜日)】<80.0キロ>

朝食:?
昼食:ポテトサラダ、納豆、ご飯、おみそ汁
電車の中:ビール、焼酎、スナック類
夕食:宴会料理

体重、80.0キロ。今日午後から職場の旅行会があるので、確実に太るのはわかっている。だからこそ、その直前でこういう低めの体重にしておく必要があったわけだ。ちょうど80.0キロと区切りのよい数値なので、今回の旅行でどれだけ太るかはっきりと結果が見えてちょうどよかった。

旅行の準備でばたばたしてしまったので、何を食べたか覚えていない。

昼過ぎの電車で出発することになっている。その車中でお酒を飲むのはわかっていたので、お昼は極力少なめに。お酒飲むのを控えるということは物理的に無理な相談なので、かわりにお昼ご飯を控えるというわけだ。一緒に食べていた先輩を見ると、水をあまり飲もうとしない。「ビールをおいしく飲むためだ」と先輩はうれしそうに答えた。

今回の旅行は熱海。ということで、特急踊り子号にて突撃と相成った。熱海までは特急で約1時間半。たったこれだけの時間だと、のんびりと風景を楽しみつつお酒なんてやってると飲み始めたと思ったら到着してしまう。せっかく買いこんできたビールやら焼酎、ホントにさばけるのだろうか?と不安になってきた。

不安になるわけだ、お酒がストックされているクーラーボックスは僕が持参してきたもの。中のお酒類がカラになれば、僕の荷物が軽くなる。お酒が全然消費されなければ、僕の荷物は相変わらず重い。単純なことだな。

しかし、そんな心配は無用だった。いやー、すごいことになってしまった。12人による移動となったのだけど、さすがはJR。われわれを完全隔離してくれていた。「どーせ団体客だから大騒ぎするに違いない」という長年の勘からだろう、一両貸切状態になっていたのだ。これでもう何も遠慮はいらない。あっというまにビールから焼酎にスライドし、わいわい始まってしまった。

最後の頃になると、「あと10分で熱海到着!急げ!」なんて号令がかかったりして、持参した2.7リットルの焼酎ペットボトルを実質5人程度でカラにしてしまった。人間、短時間でも調子に乗ればやれるんだなあと焼酎をほとんどストレートでコップ1杯飲んだ頭で考えてしまった。

熱海到着の時点で、すでにちょっと足元がおぼつかない。おもむろに自分の荷物を紐解いて、大仏マスクをかぶって熱海駅に降り立ったら観光客やら地元民から結構なご好評を頂いてしまった。調子に乗って合掌してまわる。

そんな状態だったものだから、宴会料理・・・せっかく結構なお料理が出たというのに、あんまり何を食べたか覚えていないし食べきれなかった。この場合の「覚えていない」っていうのは、記憶が無いという意味ではなくて「あんまり料理を意識していなかったので記憶対象にならなかった」という意味。せっかくお刺身の舟盛りが出ていたというのにねえ。

宴会会場が下膳されたあと、また使用できるという事なので二次会開始までの間部屋で待機となった。しかし、その間に酔っ払った僕は大暴れ。布団がたくさん並んでいるのがよっぽどうれしかったのか、居るヒトすべてに布団蒸しを敢行しようとばったんばったん。しまいには、パンツをずらされてお尻丸出し状態になってしまったり。どうも最近の僕はお酒を飲んだ後の処置がひどいようだ。

この後二次会がはじまったのだけど、残念ながらほとんど記憶に残っていない。飲み食いできなかったし、結構早い時間に疲れ果てて寝てしまうし。本来、エンドレスに明け方まで飲みつつ話す、ってのがこの手の宴会の醍醐味(だいごみ)なんだけどねえ・・・僕の場合、行きの電車でほとんどすべてが終わってしまったみたい。

【11月07日(土曜日)】<80.4キロ>

朝食:旅館の朝食
おやつ:さざえの壺焼き
昼食:刺身定食
昼食その2:菓子パン2個、低脂肪牛乳500ml
夕食:まぐろの刺身、かきフライ、ビール1000ml

担当旅行二日目。昨晩寝るのが早かったので、今日はめっぽう早起きなんである。朝4時前にはのこのこと起きだし、ようやく眠りについた頃の人たちの寝顔をぱしゃぱしゃと撮りまくるという悪趣味三昧。やっぱ、旅行ってのはこういうのが醍醐味(だいごみ)だ。

のどが渇いたので、自動販売機の前につきっきりになってお茶を買っては飲み、買っては飲みを繰り返した。350mlを3本飲んで1050ml。あれだけ飲んでおきながら、よくもまあこれだけ水分が入ったモンだ。「甘いモノは入るところが違う」なんて言いながらケーキを食べるの図、ってのはよく見かけるけど「水と酒は入るところが違う」なんて聞いたことがない。

ちなみに、今日は「正式体重」として80.4キロがマークされている。なぜか。いつもだと、旅行中は正式体重は計上されないのに、今回だけこういう形にさせてもらった。なぜか。それは、脱衣所に体重計が設置されていたからなんである。「なーんだ、そのレベルか」と思うことなかれ、体重計といってもデジタルの100グラム刻み体重計だったのだ。これ、意外と珍しい存在。

基本的に体重計ってのは誤差が激しいモノだから、自宅の体重計以外での測定なんてあまりアテにならない。特にアナログの体重計なんてそうだ。だからこそ、旅行中は体重を測るチャンスがあったとしても「正式測定」という事にはしていなかったのだ。しっかししかし、「コップいっぱいの水も逃さない!100グラム刻み測定」なんてシールが体重計に貼ってあるのを見ると、「信じちゃっていいかな」って気になってしまったわけ。ただ、それだけ。

ちなみにこの体重、水分を350ml×2杯飲んだあとのもの。だから、あれだけ飲み食いしたのに実質的には痩せたという事になる。やはり、深酒は体重を減らすという伝説は今回も守られた事になる。不思議だ。

朝食の席上、死にそうになっているヒトと元気そうなヒトとの明暗がくっきりと分かれていた。ここまでくっきりしているのも痛快。「ご飯食べられないよー」とげっそりしている人たちを尻目に、ご飯をおかわりする僕。ご飯おかわりなんてすごく久しぶりの事だけど、胃袋に何か詰め込んでおかないと、どうも内臓が落ち着かない気がしたから。

旅館の朝ご飯なんて、鮭があって温泉玉子があってご飯ノリみそ汁、ってな具合なのが王道だ。あと、固形燃料使って湯豆腐出すとか。しかし、今回お世話になった旅館は固形燃料を使ってアジの干物を焼いてくれた。固形燃料台の上に、まるでステーキ焼き用みたいなでこぼこした鉄板が乗っている。なるほど、これはなかなかイキな計らいだ。神田川俊郎じゃないけど、「ちょっと工夫でこの旨さ!」だな。

バスの到着を待ちつつ、バス停そばの網焼き屋でさざえの壺焼きを買うことにした。「すんませーん、壺焼きくださーい」と注文したら、「2個でいいですね?」と聞いてきたので、おもわず「はい」と答えてしまった。なんでデフォルトで2個なんだろう?1個でよかったのに、おばちゃんの言葉につられて2個買うハメになってしまった。こういうのを商売上手って巷じゃ言うのだろうか?

しっかし、肝心のつぼ焼きを作る網のうえには、どこにもさざえなんて存在しやしない。こりゃどうしたものかと思って様子をうかがっていたら、おっとり刀でおばちゃんはチャッカマンを取り出し、炭(実際は炭ではなく、炭の代役を果たすコンロみたいなもの)に火を付け出すではないか。なんだ、今日最初のお客さんだったのか。

しかし、感心なんてしていられない。こんな悠長なコトをやられていたのでは、バスが出発してしまうではないか。こちらの腹積もりとしては、「つぼ焼きくれい」「はいよ、どーぞ」のハズだったのに・・・コンロが温まるまで3分、さてそれからさざえを並べてじっくり様子を見るハメに。おいおい、日が暮れるぞ。

バスの到着時刻が迫ってきたので、おばちゃんも慌ててきた。「大丈夫だからね、バス出発しそうになったら『待ってぇ』って声出すからね」「もうちょっとだからね、もうちょっとだからね」・・・お客である僕を安心させようとしているのだと思うけど、どう考えても自分自身に言い聞かせているとしか思えない。

結局、バスがやってきた。さざえの方はようやくぷしぷしと言い出したレベル・・・あかん、こりゃ乗り遅れるかと思ったとき、「はい、できたよ、おまたせ」。助かった。

バスにゆられながら、立ったままさざえを頂いた。さっきまで生きていた奴を目の前で調理したのだから、まずかろうはずは無い。磯の香りがぷーんと口の中に広がって、至福・・・なんだけど、できたてのはずが「ぬるい」というのは多いにいただけなかった。とほほ。

お昼。刺身にこだわる必要はないんだけど、またもや刺身定食にちょっかいを出してしまった。ここ最近、刺身にこだわる人と化してしまっている。「熱海という海に面した土地柄だ、お刺身だっておいしいに違いない」という妄想がいやが上でも広がってしまったのだから仕方が無い。しかし、このカンガエが真実だとすれば、島国日本どこでもお刺身っておいしいはずなんだよね。長野県だとか滋賀県といったごくわずかの海がない県を除いて。

3月に熱海に旅行したとき、1600円という高い値段で刺身定食を食べ、「ああ高いなりにそれなりのお魚だったな、マンゾク」となった記憶はまだ忘れちゃいない。熱海で食事なんて、物価が東京の1.5倍は余裕でしそうな環境下においては自殺行為に等しいんだけど、おいしいお刺身食べれればその高値だって説明がつくもんだ。だからこそ、もう一度刺身!なのである。

で、実際に食べてみてどうだったか。いやー、大ハズレ。鬼はずれ。やれれたぁ!なんでありますな、これが。だいたい、マグロの赤身といかそうめんという組み合わせになっている段階で「ああ、こりゃダメだ」というのがわかってしまうアタリ寂しい。なんで熱海でマグロとイカなの?どっちも熱海じゃ採れない魚でしょうに・・・。これじゃ、築地経由で届けられた魚に違いない。意味がないよぉ。お値段、1200円也。嗚呼、またもや高い授業料を払ってしまったずら。刺身だから大しておなかいっぱいにならないから非常に効率が悪いし。

帰りの新幹線の席上、余ったアルコール類を皆さんに配ったんだけど、自分の手元にはワンカップの清酒が残ってしまった。さすがに昨晩のお酒が残っているコトも有り、飲もうにも飲めなかった・・・・

話は脱線するけど、今「飲もうにも飲めなかった」を漢字変換させたら、「NOMOうにも・・・」と変換しやがった。再変換すると、「野茂うにも・・・」となる始末。はて、いつの間に僕は野球ファンになってしまったんだろうか。

刺身に腹が立ったので、家に帰りついてからお昼ご飯を食べなおした。こういうことやるから太るんだけどなあ。まあ、いいか。

いつもどおり、「旅行お疲れさまでしたビール」を飲むということでスーパーで買いだしを敢行した。で、買ったものがまぐろの刺身・・・なんでここでまたお刺身を買っちゃうかなあ。われながら間抜けだとは思ったけど、閉店間際で「100円引き」のシールが張られたパックに目を奪われてしまったんだから仕方がないじゃあありませんか。

この日はまぐろ+カキフライという、海辺の観光地から帰ってきたとは思えないほど海産物をつまみにお酒を飲んでやった。はっきりいって、腹いせです。報復です、自分なりの。

(つづく)

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