1999年01月第2週(01/10-01/16)

【01月10日(日曜日)】<78.8キロ>

昼食:もつ鍋
夕食:ビール500ml、赤ワイン1本、シーフードピザ、もつ鍋うどん

体重はあっけなく78.8キロ。うーん、ここ最近は痩せる根拠がなくても体重が減る。ここで言う「ここ最近」ってのは今年入ってからということだ。ひょっとすると、今年は「ラクして痩せる事ができる年」なのかもしれない。それはそれで非常にありがたい事だけど、果たしてそんなことがあり得るのだろうか?

いや、考えるまでもなくそんな事あり得るワケがない。大体において、こうやってするすると体重が減った後は恐ろしく長い体重横這いの季節がやってくる。今のうちに数カ月分、ぬか喜びしておいた方がよいのかもしれない。

お昼はもつ鍋。昨日の残り物だ。それにしても、もつ鍋なんてお昼から食べるもんじゃないよなあ。「うむ、なかなか噛み切れぬ」とくっちゃかくっちゃかもつを噛んでいる様ってのは、お天道様が高い時だとあまり見栄えのよいものではない。やはり、もつってのはちょっと薄暗いお店で夜食べるものだろう。お似合いは、赤い光・・・赤提灯の明かり。

「この時間にこの食材はないだろっ!」という料理って探してみれば結構あるものだ。一番わかりやすい例で言えば、目玉焼き。この料理は朝に食べるモノである、という暗黙の了解が日本人には形成されてしまっており、決して夕食時に食べてはいけないものだ。朝、白いお皿の上でぷるんぷるんと揺れる半熟の黄身を見るにつけ、「おはよっ!」とあいさつしているような気がして微笑ましく思える。しかし、夕食の席上に目玉焼きが出てきたらどうだろう。なんだかため息混じりで眺めてしまう、ちょっと疲れた憂鬱な感じ。

学生時代、僕は「朝に納豆なんてもってのほか」という人間だった。納豆は好きだけど、朝からねばねばしていたらどうも落ち着かないというか気持ち悪いというか・・・って理由でだ。しかし、納豆こそ朝食で愛用されてやまない食材。朝食べないならいつ食べるの?となったら食べるタイミングを失ってしまった。ということで、学生時代は納豆好きな割には納豆を食べなかった。バカバカしい話だけど、まあ人間の食習慣ってこんなものだ。JCBのCMで朝からステーキを食べる外人さんの姿が描かれていたけど、彼にとってはステーキはうまいモノだから朝食べようが夜食べようがオールオッケー、という事なのだろう。

それを考えると、日本人ってこれだけ食生活が多様化したというのに、むちゃな食べ方をあまりしない。朝から油っぽいものをもりもり食べる奴はいないし、夜になってあじの開きをおかずにご飯とおみそ汁を頂く奴ってのもあまり見かけない。ひょっとすると日本人ってのはもともと胃腸があまり強くなく、むちゃしてナンボ的な食事ができない体質なのかもしれない。

夕食。絶好調の時はビールを1リットルほど空けた後にワイン1本飲んじゃう、って事を平気でやっていたけど、ここ最近はどうも持て余し気味。おつまみの料理の摂取量も減少傾向をたどりつつある。最近になって、特に「わぁ、胃袋に入らなくなったなあ」って事を痛感するようになった。今回だって、ビール500mlとワイン1本を空にはしてみせたけど、正直「もう飲みたく無いなあ」と思いつつ、という状態だった。先日の日記で「鍋がストッパーの役目を果たす前に飲食をリタイアしてしまう」って事を書いたけど、今日だって全く同じ症状。わざわざもつ鍋にうどんを投入して「さあこれで満腹にさせてやるぜ」と盤石の体制を用意していたのに、ピザを食べただけで満腹に。残すのはいやなのである程度はうどんをつまんだけど、やっぱりおいしくないしちょっと苦しかった。

痩せる根拠がない、なんて今日の日記の冒頭に書いたけど、こんな細かなところで痩せる根拠ってのは生まれているのかもしれない。

【01月11日(月曜日)】<77.8キロ>

朝食:油揚げと白菜の煮物、目玉焼き、明太子、ご飯、おみそ汁
昼食:さばの味噌焼、わかめサラダ(小皿)、ご飯、おみそ汁
夕食:けんちん定食

体重計の値を見るやいなや、「うそくせぇ」というコトバが口をついて出てきた。そりゃそうだ、77キロ台ってのはあんまりだ。78キロ台でさえ「わあ珍しい」ってあわよくば文化庁にかけあって天然記念物にしてもらおうかというくらいなのに。77キロ台なんて、ニッポニアニッポンと同じだ。絶滅寸前の危機ってくらいだ。まさかそんな数値が今日この世紀末の日本のもとで見ることができるとは思わなかった。いやあ、長生きするもんだ。

「いくらなんでもここまで痩せるには何らかの根拠があるはずだ」といろいろ自分の生活を振り返ってみると、昨日コーヒーをがぶがぶ飲んだ事に行き着いた。やはりコーヒーを飲んだ翌日は痩せるって事か。そういえば、昨日はずいぶんとお手洗いに行ったっけなあ。

ここから導き出される結論はただ一つ。ここでぬか喜びすると、明日はどかんとリバウンドするぞって事。まあ、「リバウンド」って言うとコトバが悪いけど、ごくふつうの値に戻るって事だ。たぶん、今現在の僕の適正体重は79キロちょうどくらいだと思われるので、そこらへんの値が明日のターゲットとなるだろう。

今日現在の、1月平均体重は79.02キロ。さすがに今日の体重のおかげでぐぐぐっと平均値が下がってしまった。はったりとはいえ、結構悪くない気分。今月の目標である「78キロ台後半の平均値」を達成するためには、ときたまこういう「はったり体重」があった方が良いのかもしれない。こうなったら、インチキでもなんでも体重を減らしてみせたものが勝ちだ。ほら、夏前の頃だって献血やらインラインスケートやって体重を擬似的に減らしていたじゃない。それだよ、それ。

試しにいろいろな値を投入して平均体重を変化させてみた。今後今月いっぱいずっと80.0キロをキープしつづけたとしても、平均体重は79キロ台を維持できる事を発見し、大喜びしてしまった。考えてみりゃ当たり前だ、今月に入って一度も80.0キロよりも上の体重をマークしたことがないのだから。

明日の体重がもし78.8キロだったとすると、平均体重が79.0キロとなる。ノルマ達成寸前なのである。ということは、78.6キロを叩き出せばノルマ達成。うむ、ますますスリリングな展開になってきたぞ。

【01月12日(火曜日)】<78.8キロ>

朝食:??、納豆、ご飯、おみそ汁
昼食:鳥の唐揚げ、ご飯、玉子スープ、柴漬け
夕食:お刺身3種類、ビール1000ml
夜食:チップスター、牛乳1000ml

体重計を薄ら笑いで眺める。そりゃそうだ、よりにもよって体重が78.8キロだからだ。昨日シミュレーションした値がどんぴしゃで登場するとは思わなかった。ということで、今日現在の1月平均体重は79.0キロと相成った。

ということは、明日以降79キロ以下の体重を維持すればノルマである「78キロ台後半の平均体重」は達成できるって事。よーし、よーし。数カ月ぶりってくらいにやる気が出てきたぞ。こうこなくちゃ、ダイエットやりがいがないぜ!

今朝の体重でちょっと有頂天になってしまい、そのおかげで朝ご飯で何を食したのか忘れてしまった。しまった。「有頂天」っていったって、昨日と比べて1キロ多重が増えているんだから、何ら喜ぶ要素はないんだけど・・・って気が付いたのはこうして日記を書いている夜になってから。気づくのが遅いって。

お昼から外出だったので、同僚と会社そばにある中華料理屋でお昼ご飯を食べた。夕食のお世話になるには格好のボリューム感を誇るこの中華料理屋であるが、昼食で利用すると果たしてどうなることか?ちょっと不安だったりする。

同僚は、以前このお店で「鳥の唐揚げ定食」を食べたことがあるという。そんなものはメニューに書かれておらず、幻の献立となる。鳥の唐揚げといえば僕の大好物。そんな定食が存在したら、食べないわけにはいかないだろう。せっかくのいいチャンスなのでおそるおそる鳥の唐揚げ定食を注文してみたら、まんまとオーダーを受けてくれた。

その同僚いわく、「あまりに量が多くて残してしまった」とのこと。そんな馬鹿な。まあ、多分この彼はあまり胃袋が大きくない人なんだろう。いくらお店のメニュー全般において量が多いとはいえ、大の大人が「残す」っていう状況などあり得るのだろうか。面白い、ぜひ実物を見てみたいものだ。

と、待っているうちに実物が登場。「わっ、多い!」お皿がテーブルにおかれる前にすでに「やられた」的色彩を帯びた叫び声をあげてしまった。本当に多いのである、これが。どう考えてもお昼に食べる量ではない。あわててカロリー計算をしてみたら、どうやらこの定食は1100kcal程度ありそうだった。普段は700kcal以下を志している僕としては、殺人的なカロリー量。あーあ、やっちまった。

まあ、鳥の唐揚げはおいしいし好きだし、たまにはこういうことがあっても良いだろうとあつあつの鳥の唐揚げを頂戴した。もぐもぐ。ああおいしい。もぐもぐ。うんうん、やっぱりスーパーのお総菜の唐揚げとは違うよな。もぐもぐ・・・うう、ちょっと飽きてきたなあ・・・もぐもぐ。おい、まだか?

鳥の唐揚げというぱさぱさした料理を食べているうちに口の中がもそもそしてくるのだ。しかも、ちょっと水気の少ないご飯がどんぶりいっぱい。量が多いのはともかくとして、食べにくいったらありゃしない。玉子スープを飲み干してしまったので、水を何回もお代わりしてしまった。同僚の言っていた「残した」というのはあながちうそではなかった。

カロリー高いこともあって、よっぽど残そうかと思った。しかし、昔から親のしつけとして「出された食べ物はすべて食べろ」をいやというほど受けてきた性質上、おなかがいっぱいになっても食べざるを得なかった。「うう、おなかいっぱい・・・」って状態でお店を後にした。せっかく今朝の体重で「さあこれからだ!」というムード満点だったのに、台無しだ。

夕食は、お昼の事もありさっぱりと済ませることにした。3品1000円だったお刺身を買い求め、ビールとともにおいしく頂戴。うん、ビールはよけいだったかもしれないけどまあ悪くない夕食だ。

しかーし、何を血迷ったのかこういう時に限って部屋の奥から「チップスター」が発見されてしまったのだ。もうこうなるとどうにもこうにも止まらない。牛乳を飲みながらチップスター1本をまるまる食べてしまった。あーあ。

牛乳を飲むくらいだったら、まだウィスキーを飲んだほうがましだ。なぜなら、ちびちびウィスキーを飲むことによってチップスターそのものの消費を抑える事ができるからだ。しかし、まだまだ僕はお子さまなのか、「ポテトチップと牛乳」の組み合わせ至上主義者なんである。以前からウィスキーとポテトチップの組み合わせをトライしているのだが、ことごとく失敗してしまっている。食べている途中で「ああ、ウィスキーまずい!牛乳よこせ、牛乳!」ってわめいてしまうのだ。

結局、チップスター1本、牛乳1リットルが胃袋に消えていった。何のための夕食削減だったのかまったくわかりゃしない。確実に太るぞ、こりゃ。

【01月13日(水曜日)】<79.4キロ>

朝食:しめじとほうれん草の煮物、??、納豆、ご飯、おみそ汁
昼食:肉野菜炒め定食、ご飯
夕食:ワイン1本、菓子パン4個

案の定、って言葉を安易に使いたくない。そんなレベルではないからだ。案の二乗だ。三乗だ。かくも簡単に体重は増えるものなのか、ってくらいだ。「たはー」に近い発音でため息を付いた。朝からちょっと憂鬱。ただ、憂鬱がっているこの体重ってのはつい2週間前までは「うむっ!よくやった!」という体重だった。人間ってのはぜいたくなモンだ、ちょっと状況が好転するとすぐそれに甘んじてしまう。今までの努力なんて、すぐに忘れてしまうんだな。芥川龍之介の「とししゅん」の気持ちがよく分かるよ、まったく。

さて、実は昨日から研修ということで職場を離れて「研修センター」なる場所で研修を受けている。今年の6月くらいにも一度この研修センターは訪れているので、日記にもそれに関した記述があるはずだ。過去の日記をあさる暇がないので、何を書いたのか確認とれないんだけど・・・とにかく一ついえることは、この研修センターの食堂は僕の所属する会社一のまずさを誇る、って事だ。高くてまずい。最悪のパターンだ。だから、いつも研修中のお昼は外食で済ませることにしている。

今回、いつもお世話になっている中華料理屋ののれんをくぐった。なんか、僕の外食って中華料理屋ばっかりのような気がするが、まあそれは捨て置いて。この中華料理屋をひいきにする理由は、量が非常に多いことだった。頻繁に研修があった昨年度はデブの王道を貫いていた僕としては、「量が多い」ってことは必須条件なんである。ということで、いつの間にか「研修になればこの中華料理屋」というイコール関係となっていった。

さていざダイエットを推進している現在となっては、この「昼間っから量が多い」という事は自殺行為に他ならない。「デブへの道」なんである。まあ、そう毛嫌いしなくってもすでに胃袋が相当縮んでしまっているのでちゃんと食べきることができるかどうか、っていう次元だ。そりゃそうだ、太っていた時代に「いやあ満足満足」と満腹を謳歌していたほどの量だ、今現在から考えたら果たしてどんな事になるやら。

とまあ、不安とちょっとした期待を胸にお店で頼んだものは肉野菜炒めとライスだった。案の定、お昼とは思えないボリュームで提供されて玉砕。もちろん食べきったけど後に残るは「はああ、二日連続でお昼ご飯は中華を腹いっぱい、かよ。これじゃ痩せないよなあ」っていう後悔だけだったりする。

さすがにこれはいかん、と自分自身恐怖を覚えてきたので夕食は軽く済ませる事にした。菓子パンでも食べよう、と駅そばのお店でパンを買って帰る。しかし、このどこが軽く済ませる、だろう。ウィンナーが入った揚げパンやらピザみたいなパンやら。これを4個食べてワインを満喫。これじゃ逆効果かもしれないってば。

【01月14日(木曜日)】<79.2キロ>

朝食:ほうれん草とスクランブルエッグ、粗挽きフランク2本、納豆、ご飯、おみそ汁
カフェイン補充:ジョージアカロリー控えめ
昼食:カレーライス、おみそ汁
夕食:豚キムチ焼き肉、ご飯、おみそ汁、生野菜

微妙だよなあ、たった200グラム減。なんか気合い入らないっていうか、なんというか。いや、でも体重のわずかな動向にさえ敏感に反応するようになったっって事は喜ばしい事なだろう。だって、80キロ台の頃ってのは、あまりに体重が停滞していたために体重の動向なんてどーでもよかったりしたから。ちょっとした体重変動に一喜一憂できるって事は幸せな事だ。

朝ご飯にほそながーい粗挽きフランクが出てきた。こういうメニューの時って、だいたいパンが供されるものだ。しかし、当然の事ながら寮の朝食はご飯とおみそ汁。粒マスタードをたっぷりとフランクソーセージにまぶしながら、「さてこれがご飯にどれだけあうだろうか」とご飯の上にのっけてご飯と同時に食べてみた。・・・つもりだったけど、フランクが長かったためにバランスを崩して卓上に落ちてしまった。朝から何をやってるんだか。

この日の朝食は納豆があった。納豆にはからしを入れる。では、粗挽きフランクについてきた粒マスタードと同類ではないか、って我ながらナイスなひらめきで納豆とフランクを一緒に食べてみた。・・・うーん、おいしくない。納豆というツールはご飯とのみマッチする食べ物であり、それ以外のものとは相性があまりよくないようだ。少なくとも、「洋食」と言われる部類には合いそうもない。

今日も研修。同期の人間が400人近く集まっているので、「あっ、久しぶり!」「よー、元気にしていた?」という声が研修センターのあちこちから聞こえてくる。入社直後の新入社員研修で会って以来、って人がいるくらいだから、2年ぶりって人だって珍しくはないのだ。そんな中、僕に関して言うと「ありゃりゃっ!おかでん?うわー、痩せたねえ」という圧倒的な驚きを持って友人達に迎えられた。会う人会う人すべてに「ひゃー」と驚かれる。その都度、「なんで痩せたの?」「どうやって痩せたの?」とおきまりの質問をされるので、答える僕としては相当疲れた。友達の中には、一瞬僕とは気づかずにいて、名札をみてようやく「ああー」って気づく人だっていたくらいだ。最初の一人二人に「いやね、何で痩せたかって言うとね」ってうれしさを隠しもせずに説明しているうちはよかったけど、あまりにたくさんの人に同様の質問をされるのでいい加減うんざりしてしまった。やはり、昔は「おかでん=太っている」というイメージが直結していたのだろう。その「太っている」というキーワードがはずれてしまった今、「おかでん」という存在をどうやって認識すればよいのか、友達はそれぞれ悩んでいるのだろう。そりゃそうだ、当時と比べて体重が3/4になってしまったんだから。子供を産んだ妊婦だってここまで体重は激変しないぞ。

さて、お昼時だ。さすがにここ二日間は外食で食べ過ぎたっていう後悔がびしびしとあるので、今日くらいはおとなしく研修センターの飯でも食べようという気分になった。お昼前にあらかじめ今日のメニューを物色してみたが、いやあ・・・見事に選択の余地がない。イカフライ定食だとかさばの塩焼き定食とかあるにはあるんだけど、見るからにサンプルがまずそうなのだ。サンプルってのはお客をだますためにあるもので、常に本物よりも1割から2割り増しの「おいしそう」をクリエイトしていないといけない。ほら、喫茶店のサンプルでスパゲティが宙に浮いたフォークにからめ取られているじゃない。ああいう「おっ」という視線を引きつける何か、ってのがいる、っていうわけ。でも、ここの食堂は商売っ気がないっていうかなんというか、サンプルからしてまずそうなのだ。こりゃだめだ。

結局、一番妥当であるカレーライスを選択した。カレーライスは研修センターで唯一まともに食べることができるメニューである、という定評がある。だから、ほかのすべてのメニューよりもカレーライスが売れるという奇妙な構図ができあがっている。定食は人気がないということで自然自然と食材の準備量が減ってしまい、人気がない割には早い時間に売り切れてしまうというこれまた奇妙な構図なんである。

さて、カレーを注文して食べてみたが、うーん、まあ、カレーはカレーだ。文句のつけようがない。「ああそうですか」っていう内容。しかし、おみそ汁が期待にそぐわずおいしくなかった。こういう場合、そこそこおいしくてはいけない。どーせ味には最初から期待していないんだから、「わっ、まずい!」って料理が出てきた方がまだ話の種になるってもんだ。で、今回の場合おみそ汁がそれ。いやあ、まずかったなあ。いや、まずいというかおいしくなかった。おみその色はしているんだけど、みそをどうやらケチったらしい。だしの味しかしないのだ。茶色の色つけとして使われてしまったみその立場ってのも悲しいものがある。

カレー自体の量はそれほど多くなかった事もあって、「こりゃ満腹になるかな」と不安だったのだけど、いざ食べ終わってしばらくたつとひしひしと満腹感が伝わってきた。日本風カレーとでも言おうか、カレールーに相当な小麦粉を投入してとろみを作っていたからだろうか。なにしろ、カレー食べているのか小麦粉のカレー粉入りを食べているのかわからなくなってしまうくらいなのだから始末に負えない。でも、満腹感への近道だとすればこれでよいのかもしれない。

研修ということで、座学は続く。ちょっとでも気を許すと居眠りを始めてしまいかねないので、コーヒーを飲むことにした。研修センターにある自動販売機をくまなくチェックしてみたが、缶コーヒーで無糖タイプを売る販売機は一つも存在しなかった。いったいこれはどういうことだろう?

「まあいいや」とローカロリータイプのコーヒーを飲んだが、げっそりするくらい甘い。冗談じゃない、こんなコーヒー飲めるかっ。日本人の一般的な感性だと、これくらいの甘さがちょうどいいのだろうか。そういえば、コーヒーで「甘さひかえめ」ってわざわざ記述しているあるヤツでも、べったりとした甘さがあったな。日本人って甘さに麻痺してるんじゃなかろうかしらん、って真剣に考え込んでしまう。

このダイエット日記をしばらく読めば分かると思うけど、僕ことおかでんは甘いものを全く食べない。高校の頃からじょじょに甘いものを敬遠するようになり、今となっては甘いものは謹んでさけるようにしている。嫌いな訳じゃないんだけど、積極的に食べたくないのだ。ここらへんの感覚ってのは甘いもの大好きな女性諸子には理解されないされないんだろうなあ。大学に入ってお酒を飲むようになってからは特に甘いものを口にしないようになって今に至っている。それはコーヒー紅茶においても言えて、昔は砂糖をばんばん入れていたのが今ではブラック当たり前。いやあ、お酒ってのは人間の嗜好を変えるんだね。

夕食は豚キムチ定食を頂く。明日から2泊3日の京都旅行が始まるから、できるだけ体重には遠慮しておかねばならないのだ。ふつう、「明日からお休みだ!」って日は開放感からお酒を飲んでしまうものだけど。今回の旅行には10年以上のつきあいがある親友達が全国から集まってくる事になっているんだけど、そのテーマが「飲んで、死ね。食べて、生きろ」ってんだからたちが悪い。まあ、テーマを勝手に制定したのはこの自分自身なんだけど、事前に「酒をしこたまもってこい」とか「死ぬまで食え」とハッパをかけているんだからなあ・・・。そのすべてが自分に跳ね返ってくるって事を全く考えていなかった。僕?いや、もちろん死ぬまで飲んで食べますよ。今回の幹事である僕が率先して飲み食いしなくては、どーしよーもないってば。

【01月15日(金曜日)】<測定結果なし>

朝食:パン1個、ワイン1杯
電車の中:ビール1500ml、ミックスナッツ
昼食:カレー、ビーフステーキ、パンプキンスープ、エビフライ、赤ワイン200cc程度
アルコール補充:ビール500ml
夕食:鍋、お刺身、雑炊、うどん、ビールいっぱい
UTG:ビール、スナック菓子各種、コニャック

朝6時前から起き出して、旅の準備をしたりいろいろ作業を行った。朝食なんて寮のものを食べることができる時間ではないので、2日前の残り物であるパンを1個と、これまた2日前の残り物でマグカップに注いだままにされているワインを飲んだ。ワインは相当酸化してしまっていて、おそろしく酸っぱい。しかも、表面にほこりが浮いている。なんでこんなワインを飲まなくちゃいけないんだ、と思いつつ飲む。

しかし、「なんでワインを朝から飲むの?」という問いには案外簡単に答えられる。おかでんが率先して飲まなくちゃ、誰が率先して飲むの?って事。今日、お昼前に出会う久しぶりの友人達にもインスパイアさせるために、「お酒飲んでむちゃしてナンボ」って様を見せなくてはならないのだ。だから、朝からワインを飲むわけ。そういう生きざまを見せつけて、夜の大宴会で「よっしゃそれなら僕も飲もうか」という気分にみなさまをもり立てる、ってわけだ。ちなみに、お昼の時にどれだけの人間をアルコールに誘導できるかが僕の器量にかかっているので朝から力が入っている。

さて、京都に向かうために結構朝が早い新幹線に乗り込んだ訳だが、同じく東京から出発する友人の姿が見あたらない。「まあいいや」と友人に無理矢理飲ませるためのビール含めて2リットルの缶ビールとおつまみを買い込んで座席で待ちかまえていると、自分のPHSに留守電メッセージが入っている事に気づいた。内容は案の定同行する友達からで、「総武線が遅れてしまったために到着が遅れる、電車には間に合わないので先に行っておいてくれ」という内容のものだった。あーあ。仕方がないので今こうして日記を書きながら二人分のビール2リットルを消費している最中なんだけど、トイレが近くて難儀する。こういうとき、窓際に座っていると非常に不便。よりによって3人掛けの席の窓際に座っていて、しかも乗車率100%なもんだからトイレに行くたびに「すんませんすんません」を連発しなくてはいけないからだ。とほほ・・・。

さて、ここからは旅が終わってからこの日記を書いているんだけど、上の文章めちゃめちゃだねえ。酔っぱらっているので文章がだらだらと無意味に長い。おかげで二回くらい読み直さないと何を書いているのか訳が分からない。よっぽど加筆修正しようかと思ったけど、まあこれもおかでんの生きざま、って事で残しておくことにしよう。

京都で参加者各位と落ち合って、さっそく昼食となった。こちらとしては、完膚無きまで「旅情」を満喫するためにもお昼は湯豆腐で熱燗いっぱい、なんて考えていたんだけどいつのまにか京都タワー地下のお店で食事をする羽目になってしまった。なんたる日和見主義!うーむ、これから先が思いやられる。

・・・と思いきや、このお店はすごかった。上記の通りのメニューが「本日のランチ」として出てきたんだけど、このお値段が780円。お会計の段になって腰を抜かしてしまった。東京近辺だったら、どうあがいても1200円がいいところ。1500円とられてもおかしくない内容かもしれない。そんな料理が京都では780円。京都駅前しかも京都タワー直下という絶好のロケーションでこのお値段なのだから素直に驚くしかない。

やっぱ年をとったら地方生活、って方がいいのかなあ、なんてしんみり。自分自身のライフプランを考えてしまうそんなお昼ご飯だった。

ちなみに、このランチを食べながらワインを2杯ほど頂戴した。お昼からワインとは何事だ、っていう周囲の視線を一身に集めながら、「いやあここまでがんがん攻めないと」といい気分になってしまった。

今回の旅のテーマは旅行一週間前ほどに発表されたのだが、ずばり「飲んで、死ね。食べて、生きろ。」だった。要するに、「飲食の限界に挑め!」というわけだ。もう、旅行開始数時間にして早速このテーマを実践しているあたり、幹事たる責任感ってやつだ。

お昼食べた後、京都観光中にビールをもういっぱい。あくまでも懲りない。周りの人間を「おまえら根性がたりん」と叱責しながら、ぐいぐいビールを飲んでいった。もうこうなるとビールがおいしいわけがない。ただ単に「昼間からビールを飲む」というその背徳的な行為と久々の友人達と旅行をしているという高揚感を楽しんでいるだけだ。

宿の夕食は、鍋だった。ガイドブックには「鴨鍋」って書いてあったので、「やっぱ冬の京都は鴨鍋だよな」と鍋を注文しておいたのだ。ただ、一つ気になったのが電話予約を入れた際、宿のおばちゃんが「ああ、加茂川鍋ですね、わかりました」って受けた事。あれ、「加茂」「川」鍋?って思ったんだけど・・・案の定!出てきた鍋は鴨の「か」の字もない鍋だった。おいしかったからよかったけど、なんだか「やられた」な気分を味わった。どうやらガイドブックの記載ミスだったらしい。

鍋を横目にビールをぐいぐい手酌で飲んでいたら、気が付いたら鍋をほとんど食いそびれている事に気が付いた。白菜ばっかり食べてやんの。あともう少しでぞうすいだけ食べる、っていう羽目になるところだった。

しっかり者の友人がしきりに「もうお酒をやめとけ」と合図を送ってくる。すでに部屋には大量に持ち込んだお酒があるからだ。何も値段の高い宿のビールなど飲む必要はない。しかし、おいしい鍋をつつきながらのお酒ってのは何者にも代え難いもんだから、「いーからいーから」ってなだめつつ勝手にお酒を注文しまくった。こういうとき、一番末席に座っている人間は有利だ。すっと仲居さんをつかまえて注文する事ができる。

さて、夕食後部屋に戻って宴会開始。さすがにここまでくるとビールがうっとおしくなってきているが、それでもビールの缶に手を伸ばしてしまった。周りにはめいめいが持ち込んだコニャックやバーボン、日本酒が並んでいるのに・・・。やっぱり相当酔っていたらしい。

後になって計算してみると、この日はビールを4リットル近く飲んだらしい。よくやるよ、全く・・・このほか、コニャック少々、日本酒冷やで3合近く、ってところか。ほんと、「食と酒の限界」に挑んでいるよなあ。

【01月16日(土曜日)】<測定記録なし>

朝食:ご飯、おみそ汁、おかず各種
昼食:刺身定食
間食:たこ焼き2個
夕食:梅酒、近江牛すきやき、カニ、お造り、ホタテ貝のクリーム焼き、茶碗蒸し、炊き込みご飯、その他細かいおかず、おみそ汁、ビールたくさん、白ワイン100ml程度

自宅じゃないので、体重測定できず。昨日あれだけ飲み食いしまくったので、相当体重にははねっかえっているような気がする。だから、まあ計れなかった事はよかったのかもしれない。「食と酒の限界に挑む」と宣言してしまった以上、体重みてげっそりなんてしてられないからだ。

お酒を飲み過ぎた翌朝は、防衛本能が働くのだろう。ご飯を食べる量が増える。ふつう、二日酔いになって「うう、朝食はいらない」ってパターンだと思うが、僕の場合二日酔いをほとんどしない。何か胃袋に納めておかないと、どうもおなかが落ち着かないというかなんというか、って感じになるのだ。だから、ご飯をおかわりしてやった。うーむ、朝からチャレンジャーだ。痩せた僕の姿を見て驚いていた奴らが、「これだけ食べてどうして痩せることができるのかねえ」と感心していた。そりゃそーだ、普段からもりもり飲み食いしてりゃ痩せるわけがないんだけど、旅行の時だけは羽目を意識的に外しているんだから。

お昼は京都御所近くの寿司屋で定食を食べた。一度に8名もの人間が押し掛け、しかもばらばらの注文をしたものだからさあたいへん。おそらくこのお店始まって以来ではないかと思われるくらいの大忙しで目を白黒させていた。おかげで「一度にたくさんこられるんでね、こっちだって対応できないんだから」とお店のおばあちゃんに愚痴をこぼされる始末。「はあすいません」ってとりあえずあやまってしまったけど、なんでこっちがあやまらないといかんのだ?後になってむらむらと腹が立ってきた。

ここでもビールか冷酒を注文しようかと画策したが、寿司屋のおやじに「なめんなコラ」と怒られそうな気がしたので、我慢。・・・というより、4人掛けのテーブルはすでにお皿でいっぱいで、お酒がのっかるスペースなどどこにもなかったのでやめにした。

さて夕食。2泊目は琵琶湖沿岸の非常に気持ちの良い宿に宿泊することになったのだけど、ここが素晴らしかった。どう素晴らしいかを形容したいところなんだけど、あまりに素晴らしいので内緒にすることにした。ごめんなさい。「いやああそこの宿はよかったよ」って教えるくらいじゃ、大したレベルじゃない。ホントにすごい宿だったら、「こりゃ他人には教えられん」って気分になる。今回がまさしくそう。

夕食がまた素晴らしく、にこにこしながらビールを飲んだ。お昼ビールを飲まなかったので、ビールがとってもおいしい。料理がおいしいのでさらにビールが進む。途中、さすがに同席している友達の視線が気になったので「ここのお酒代は全部僕が払うから、気にせずに飲ませてくれい」と叫んでしまった。割り勘だとなると、お酒飲む人・飲まない人で不公平感が出てしまう。飲まない人が「ちぇっ、人の金だと思ってぐいぐい飲みやがって」と思うだろうな、って酒飲みの人は気にしつつお酒を飲むことになるので、なんだかあまりおいしく飲めない。だったら、金銭負担は一気に倍増するかもしれないけど「自腹でいいから」ってしちゃえばいい。心おきなく飲める、ってわけ。いや、本当はそんな大盤振る舞いするほどのゆとりなんてないんだけど、お酒代全部面倒見てでもいいから心ゆくまで飲みたい、っていわせる料理だったんだから仕方がないじゃない。

部屋に戻って、深夜1時半すぎまで会話しつつお酒を飲んだ。ビール500mlと日本酒、コニャック。どうやらこのコニャックはボトル1本2万円くらいする代物らしい、って事が今更判明した。湯飲み茶碗でぐいっと飲んで「ぷはー」なんて言ってた自分はきっと罰が当たると思う。ごめんなさい、お酒の神様。

(つづく)

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