戦局は拡大せり【サバイバルゲーム5,6】

2003年10月04日(土)

装備に余念がない隊長

今回も、サバイバルゲームの模様をお伝えする。さすがに5回目の連載になると、書くことがもう無い。毎回、奇抜な事をやっている訳でもないからだ。だから、今回は5回目と6回目の軍事演習をセットにて報告します。

第5回目の軍事演習は、「いつもの場所」である富士の裾野で行われた。人様に自慢できるような趣味ではないので、開催場所は非常に限られてしまう。だから、今回はあっち、次回はこっちとフィールドを転々とするわけにはいかない。

毎回同じ場所で演習をやっていると、飽きてくるんじゃないかと思われるが、決してそういうことはない。訪れるたびに、草木の茂り具合が全然違うからだ。毎回毎回、ブッシュに足を取られ、倒木に身を潜め、そして撃たれる。そこには常に新鮮な戦いがある。

それよりも何よりも、T隊長率いるサバゲー部隊は、戦術なんてそっちのけで「それ行け!」と突撃していくのを信条としているので(信条とはしていないのだろうが、何となくそんな感じ)、「あの場所は狙撃に最適」とか何とか、次回の演習に向けてマークしておくなんて事はしちゃいない。地形を覚えようという努力を根本的にしないものだから、飽きないのかもしれない。

二人のデルタフォース

前回、第二次大戦の米軍兵の格好をしていたT隊長だったが、今回は一気に21世紀に進化し、デルタフォースの格好に戻っていた。隣のM隊員と、おそろいだ。しかし、やっぱりそこはT隊長、水筒を腰にぶら下げたり、右腿にホルスターを仕込んだりと、芸が細かい。

ちなみに、ホルスターに装着されているハンドガンは弾が入っておらず、単なる飾りだ。アサルトライフルの給弾不良が起きた時は、ハンドガンで応戦・・・なんてシチュエーションは、あり得ない話ではないが、こんな茂みの中での銃撃戦だと、フルオートで連射できる銃でないとほぼ意味がない。だから、ハンドガンが使える状態になっていたとしても、やっぱり単なる飾りであることには変わりない。

全体写真1

全体写真2

サバゲーに参加するたびに感心するのは、人数がどんどん増えていくということだ。昔は、T隊長の所属する部署に新入社員が入ってきたら、「新入社員歓迎」と称して強引に軍事演習に駆り出していたと聞く。もちろん、現在でもそうやって入ってくる隊員は多いのだが、それ以外でも、参加者の横のつながりで志願兵が増えたという事実がある。

おかでんがこの部隊に入隊し、「従軍カメラマン」を名乗るようになった時は、まだ10名程度しか演習に出てくる隊員はいなかった。もちろん、都合により参加できない隊員が常にいるので、それらの「予備役」を入れるともっと数はいる。だが、参加者という事になるとせいぜいその程度の数しかいなかった。それが・・・今や、この数だ。この写真、同じ人たちを2回撮影したわけではない。2チームに分かれていたので、2回に分けて撮影しただけのことだ。

N軍曹

さてこちらはN軍曹。以前、「全身が装備のベルトだらけで一人SM亀甲縛り」とか本人が読むと悶絶しそうな事を書かれた人だが、今回は至ってシンプルな出で立ちだ。

「この格好は一体いつの・どのものなんでしょうか」

と聞いてみたところ、ベトナム戦争時代の米軍の軍服だという。胸のところに、実際の使用者名が刺繍されているのがイイのだとか。なるほど、確かに軍曹殿の棟には刺繍が施されている。ということはこれはホンモノで実際に使われていたということか。ううむ、奥が深いぞ、軍服ってぇのも。

戦士達の休息場

とにかく、人数が多いので大変。茂みの至る所に人がいるので、うかつに動けない。正面に敵がいると思って銃撃戦を展開していたら、側面にいた敵に狙撃された、なんて事は日常茶飯事。あまり勢いつけて前進してしまうと、敵陣の奥深くに単独で侵入してしまい360度から狙われる羽目にもなる。

敵味方少ないと、いつどこで敵と遭遇するかわからない緊張感がある。しかし、今回の場合どこにでも敵がいるので、逆に緊迫感は薄れてしまった。「あ、敵居た!」で銃撃戦開始、とまあ、敵との遭遇が当たり前な感覚。

サバイバルゲームならではの緊迫感のなさ、なんだろう。生死をかけての戦いじゃないので、「敵と遭遇しての戦い」はそれほど恐怖感がない。むしろ、怖いのは「いつ、どこで敵に狙われるか」という状況だ。

いきなり「イメクラプレイ」を宣告した隊長

「今回はせっかく人数が集まったんだし、イメクラプレイをやろう」と隊長が言い出した。要するに、シチュエーションを設定し、その中で銃撃戦をやろうというわけだ。

「ブラックホークダウンじゃないけどさ、ヘリで敵陣を急襲して、ターゲットを狙撃してヘリに逃げ帰る、っていうゲーム」と隊長は説明する。

もう少し補足すると、ビニールテープで片方の陣地を四角く仕切る。ここが「ヘリ」となる。この中にいれば、撃たれる事はない。で、反対側の陣地も広めにテープでしきりを作り、そのしきりの中の木にふくらませた風船を貼り付けておく。これが、「敵のアジト」であり、「ターゲット」という位置づけだ。

で、ゲーム開始とともに、このヘリの搭乗員たちはわーっと敵のアジトに向かっていく。敵陣は、アジトの外に出ることはできない。また、セミオートでの射撃しか認められていない。そして、攻撃側が「ターゲット」の風船を割ることに成功したら、攻撃側はヘリに逃げ込むことになるのだが、敵もアジトから外に出ることが許され、フルオートが可能となる。果たして、攻撃側は無事任務を遂行し、帰還することができるのか?・・・という企画だ。

なんだかちょっとややこしい。

M60

「ヘリには1名、援護射撃をする人を残すことにするけど・・・せっかくだから、その人には」

と言って、隊長が取り出したのはM60マシンガンだった。

「これで、追撃してきた敵を一掃するの」

と言う。しかし、しょせんBB弾しか発射できないわけで、各自がもっているアサルトライフルと何ら効果に変わりはない。ごついボディだし、機関銃を名乗るからには相当な弾が放出されるのではないか、と期待を込めて隊長に問い合わせてみたが、「いや、それは他のと全然かわらないよ」とあっさり。

まあ、見た目で勝負ですこの世界。銃身に脚がついているし、これを地面に据え付けてダダダダと撃つとさぞや快感だろう。

敵アジト

こちらは、「敵アジト」。アジトといっても、木と木の間にピンクのテープを張り巡らせているだけだ。

ジャムるM60

一方、こちらはヘリ側。先ほどから隊長がM60の設定をしているのだが、どうも弾がうまく充填されず、不発弾となるようだ。格好いいだけに、ぜひ使いたい・・・としばらく奮闘していたのだが、結局回復せず。重いばっかりの宝の持ち腐れになってしまった。

ゲーム開始前

ゲームの方はというと、M60と格闘中の隊長を「ヘリ」に残し、われわれはアジトに突撃していった。敵さんは全てアジトの中に潜んでいるので、アジト直前までは気楽な行軍だ。しかし、境界線手前10mくらいから銃撃戦が始まり、そこから前へは出られなくなった。膠着状態になる。

ねらいを定めた銃弾は、きっちりと風船に当たるのだが「べいん、ぼいん」といやな音を立てて跳ね返るだけだった。10m程度の距離だと、威力が足りないようだ。もっと近づかなければならないのだが、これ以上前には遮蔽物がないので、どうにもならない。

結局、「逃走時、敵をくい止める」要員として背後に控えていたN軍曹に最前線までおいで願い、その改造銃で狙撃してもらった。そうしたら、あっけなくぱーんと風船が割れた。「やった!割れたぞ!」とついガッツポーズをしてしまったが、その途端「それ、行け!」と敵の奇声とともに地鳴りがする突進に合ってしまった。しまった、ターゲット狙撃が完了すると同時に、逃げなければいけないんだった。あっけなく、ハチの巣にされてしまった。

ルール通り、一路逃走を開始した攻撃陣は、全速力で脱出。敵に背中を見せるのはどうかと思うが、立ち止まって銃撃戦をしようものなら、あっという間に複数の敵に取り囲まれて討ち取られてしまう。なんだか、鬼ごっこの様相を呈しながらヘリに逃げ帰った。しかし、道なき道を猛ダッシュするため、木の根っこにつまづくやら、枝にひっかかって擦り傷を作るやら、結構さんざんだった模様。

戦士の集合写真

最後は恒例のゾンビゲーム。

普通は、「さあどっからでもかかってこい」という形で、逃げも隠れもしないで銃撃戦となるものだ。しかし、こうもブッシュが茂っていると、まともに姿を見せているのはばかばかしい。そのため、みんな物陰に隠れてしまい、息を潜める戦いとなった。

敵は、M隊員を集中砲火にさらす計画を立てていたらしく、彼を追いかけるのに必死だった。そのため、おかでんは彼らの背後に回り込み、腹這いになって無防備な敵を一掃。それでも、彼らはM隊員に目が行ってしまっているのか、それともこちらの存在に気付かないのか、対抗してくる気配がない。ならばご厚意に甘えて、とさらにもう一掃。何人もの悲鳴が茂みの中から聞こえてきた。

結局、敵を討ちまくったのだが、こちらには弾一つ飛んでこないままフィールドには誰もいなくなってしまった。ゲーム終了。いつもは撃たれた痛みをこらえながら、撃ち合いをやっていたのだが今回は無傷だった。拍子抜けだったが、こちらだって決してマゾな訳ではない。撃たれなかった事実には神に感謝しなくては。

そんなこんなで、富士演習は終わった。

2003年11月29日(土)

フィールド地図

さて、日にちは流れて今度は11月29日。今シーズン最後の演習、ということでIBF八王子にメンバーは参集となった。

IBF八王子といえば、過去に演習を行った事がある場所だ。あれから半年ちょっと。ちょっと見ない間に、このバトルフィールドは一気に装いを新たにしていた。さすがご主人、ARMSマガジン(サバゲーファン向けの月刊誌)に載るだけある。自分がバトルしたらどう楽しいか、を常に考えているものだからレイアウトが変わるったらありゃしない。仕事というよりも、むしろ道楽の世界だ。

相変わらず、元鉄工所の建物を二つに分割し、AフィールドとBフィールドとしているレイアウトだ。しかし、風の噂によると、呆れた事にいつの間にか「2階建てにしました」だの「バーカウンターがあります」という改造を加えたらしい。確かに、入り口に張ってあるレイアウト図を見ると、前回の時の記憶に無い構図になっていた。でも、二階建てって、一体?

写真のマップは、真ん中に仕切が実際にはあって、上半分がAフィールド、下半分がBフィールドとなっている。Bフィールドは、以前は碁盤状に迷路が切ってある迷路地帯だったのだが、今回は「敵アジト侵入」というコンセプトになっているらしい。応接室や、ベットルームが用意されている模様。われわれは、このBフィールドからバトルをスタートさせた。

SWAT隊員

毎度のSWAT服のI隊員。毎回、樹林帯の中ではその黒い格好が逆に目立ち、狙い撃ちにされ苦渋をなめていた。しかし今回はインドアバトルフィールドだ。SWATが本来得意とするエリアだ。

「今回はようやく本領発揮ですね?」

と水を向けたら、

「そうなんよ。ようやく俺の番が来た、って感じ!」

とうれしそうだ。

しかし、今回は至近距離の銃撃戦になるので、迷彩服を着ていようが何を着ていようが、あまり意味はない。そのツッコミはさすがに気の毒なのでやめておいた。

結論:SWATの黒服はどのシチュエーションに於いてもあまりメリットはない。

暗幕

Bフィールドの入り口を覆う布。ここから隊員はフィールド内に突入するのだが、「ゴー」と白テープで書かれた文字が脱力モノだ。

バトルのルールは、1チームはフィールド内に陣取り、敵の来襲を待つ側。もう1チームは、片方の入り口から入場し、もう片方の入り口から脱出を図る、というルールが採用された。

バーカウンター

これが、フィールド中央にある「バーカウンター」。これは良い遮蔽物があったわい、とカウンターの隙間に身を隠したが、一度敵に発見されてしまうと逃げ道が無く、さらし者になるだけだった。

しかしよくもまあここまでレイアウトを変えてしまったものだ。感心を通り過ぎて、呆れてしまう。

監視モニタが充実

セーフティーゾーン、通称「死体置き場」には相変わらずモニタが充実。狙撃された隊員は、ここでフィールド内の戦闘の模様をげらげら笑って眺めた。

間一髪で敵味方がすれ違い、お互いその存在に気付かなかったりする名シーンが続出。「そのドアの向こうに敵がいるのに!」となると、こっちが緊張する。ホラー映画みたいなもんだ。

このフィールドの場合、実際中で戦うのも面白いが、外で第三者として戦いを眺めるのも楽しい。

昼食を食べる

さて、Aフィールドにサイドチェンジする前に、昼食タイムとなった。毎回おかでんは、EPIガスストーブを持参してカップラーメンを作り、他隊員の羨望のまなざしを受けてきたのは既報の通り。

今回は・・・いい加減、ラーメンではマンネリだ。さらに皆の予想を上回るヤツで、今まで以上の羨望のまなざしを得ないと、ゾクゾクしそうにない。せっかくだから、派手に行こう。

と、いうわけで。今回はすき焼きの登場だ。ついに、ラーメンの域を超えて鍋に突入。もちろん、おかでんの自尊心を多いに満たしてくれる羨望のまなざしを集めたのは言うまでもない。ぐつぐつという、どうも場に不釣り合いな音が愛おしい。ううむ、幸せだ。

二階建てのAフィールド

さて、お次はAフィールド。「2階が新設された」という噂の場所だ。こんなベニア板の世界で、本当にそんなものが作れるのか・・・と思っていたら、どぅわ!本当に二階建ての建物がそびえているではないか。

しかも、凶悪な銃眼が一階部分にも、二階部分にも!おい、あそこから狙われたら、地上部隊は勝ち目ないぞ。

映画「プライベートライアン」でのノルマンディー上陸シーンがだぶった。あれじゃ、ミンチにされておしまいだ。

二階からフィールドを見下ろしたところ

不安になって、二階に駆け上がってみる。銃眼から外を覗いてみると・・・ああ!

まんま、丸見えじゃないですかこれだと。

これだと、地上部隊は狙われ放題。こんな凶悪なルール、適用しちゃって本当にいいのか?

ご主人に不安を訴えると、「いやいや」とご主人はやんわりと否定した。

「案外そうでもないんですよ。この銃眼から銃を突き出していると、背中の防備ががら空きになるんですよ。だから、必ず背後には防御用の要員が必要になります。しかも、階段は二方向にありますので、銃眼を使おうとすると数名がかかりっきりになてしまうんですよ。そうすると、地上がおろそかになってしまうという」

なるほど、意外なところでバランスがとれているというわけか。

「ですから、二階を占領するのに力を注ぐのも手ですが、敢えて狙わないというのも手ですね」

死体置き場

そうはいっても、やっぱり人間どうしても欲がでる。ゲーム開始とともに、男どもがこの二階に殺到するゲームが毎回繰り広げられた。

ゲームルールは、2カ所の入り口から各チームが一斉になだれ込み、無傷で相手側入り口から脱出できれば勝ち、というものだった。

二階に上がる階段は、各入り口のすぐ脇にある。即ち、二階を経由すれば、最短距離で敵ゲートに到達できるわけでもある。

そこで、猪突猛進して階段を上り、そして階段を駆け下りようとして、待ち受けていた敵にぼこぼこにやられる人間続出。あっけないったらありゃしない。敵が二階に上がってこないぞ?と思ったら、こういう罠がある。

今回は最悪数十センチの距離から狙撃されるおそれがある超接近戦だ。だから、弾は通常の0.2g弾ではなく0.16g弾を採用し、かつフルオート射撃が禁止されていた。しかし、各自が至近距離戦を想定し、厚着をしていたためにセミオート射撃では「当たった」事に気づかないおそれが出てきた。結局、隊長の判断でフルオートが許可される事になったのだが、これが各地で悲鳴を巻き起こした。

かくいうおかでんも、手の指から甲にかけて、数カ所の血まめ、顔面から一カ所の流血になってしまった。こういうバトルの場合、どうしても物陰から銃と顔だけ出して相手と戦う事になる。そのため、手と顔の被弾率が高い。しかも、運悪くこの時は「指先の自由度を残しておきたい」と思って自転車用手袋(指部分の生地がないグローブ)をはめていた。おかげで、直撃弾で血まめ、できまくりだ。1カ月くらいはその痕が消えなかった。

後片付け中

最後に、お掃除。フィールド内のBB弾をほうきでかき集め、ゴミ袋に捨てる作業を20分ほど。

全体写真

総勢12名によるバトルでした。

次回は、来年になる。来年春には、京都にある日本最大のバトルフィールド「THE ROCK」に遠征するというプランもあるのだが、さてどうなることか。