ノルマンディー上陸作戦【サバイバルゲーム8】

久しぶりに「へべれけ紀行」でサバゲーについての話題を取り扱う。どうもご無沙汰しておりました。

T隊長(通称名cashなので、以降cash隊長と呼称)率いるcash部隊は、もともとその大半を同じ会社の同僚で構成されていた。新入社員がcash隊長の部署に配属になる都度、「新入社員研修だ」と上司の公私混同権限で拉致し富士山の裾野に連れて行き、そして新兵訓練を受けさせた。強引ではあるが、そこで「こんな楽しいレジャーがあったのか」と開眼する人は実際多く、最初はcash隊長の迷彩服や銃を借り受けて戦っていた人も、じきに自ら装備品一式を購入して参戦するようになった。常に新兵が安定供給される、黄金時代だったと言える。

それもひとえに、cash隊長がたくさんの装備品を持っていたからだ。サバイバルゲームというマイナーな趣味を他人にもやってもらうためには、とても好都合だった。隊長が私財を投げ打って啓蒙活動を行っていたとも言える。

そんな黄金期だったのが、この「へべれけ紀行」にサバゲー関連の記事が載り始めた頃であり、最盛期は19名(しかもそのほぼ全てがcash隊長配下で新兵たたき上げ)も集まったのだから凄いことだ。ただ、株価と同じで、下降線を辿り始めるとスピードが早い。以降は急速に要員確保が困難になっていった。結婚を機に・・・だとか週末はいろいろ用事が・・・とかなんだとかで、サバゲーをリタイヤする人が増えていったからだ。誰もが「サバゲーは楽しいんだけどね」と言うが、やっぱり一般には「戦争ごっこ」であり、「殺し合いを模倣している」ように見えるわけであり、世間体はあまり良くない。それが、人が減っていく要因の一つとなったと思う。

結局、cash隊の後期は、隊長の人脈を使って他のチームとの交流戦(というより、人数があわないので混合戦)が増えていった。さらに、有料サバイバルゲームフィールドを使っての戦いが増えていった。このあたりは写真撮影をしていないので、へべれけ紀行に掲載はしていない。しょせんは「撃ち合い」であり、あんまり書くことが無いというのもあるが、写真を戦場で撮る余裕が無いし、初対面の方々の顔が写り混むような写真を撮る・掲載するのがはばかられたからだ。前述のとおり、サバゲーとはグレーゾーンな趣味嗜好。顔が写った写真の掲載を特に嫌がる人が多い事が想定された。いちいち掲載許可をとってまで写真撮影・web掲載・毎回似たようなレポートを書く、というのは労力の無駄なので、写真すら撮らなくなった。

おかでんは、G36C+米海兵隊のデジタル迷彩服で参戦して以来、途中で1.6JカスタムのスナイパーライフルVSR-10に乗り換え、そして現在は89式小銃+陸上自衛隊2型迷彩に至っている。

そんな有料フィールドでの戦いも、2年前から途絶えてしまった。cash隊隊員がほぼ壊滅してしまった事に加え、cash隊長の人脈/企画立案に頼りっきりだったため、cash隊長が多忙になってしまうと全く機能不全に陥ってしまったのだった。

休止期間の間に、銃刀法が改正された。これにより、サバゲー業界にちょっとした地殻変動が起きた。

以前は電動ガンのバネをいじることによって、弾速をあげる(=飛距離が伸びる)事ができた。通常市販されている電動ガンは0.85J(ジュール)程度のパワーを持っているが、その気になれば2Jくらいにすることができた。自作もできるが、サバゲー関連商品を扱っているお店では積極的にその手のカスタムを請け負っていたので、お金さえあれば自分の銃を強化することができた。飛距離が伸びれば、その分遠くの敵を狙撃することができる。敵はこちらに弾が届かないところで、悠々とこちらは敵を狙撃できるので非常に戦いやすい。また、サバゲーのフィールドは草に覆われている事が多い。へろへろ弾だと、茂みに隠れている敵に当たらず、手前の草に跳ね返されるのが通常。しかし、強化銃による発砲だと、草を貫通して中にいる敵を狙撃できる。どう考えても圧倒的に有利だった。ただし、そんな銃によって被弾した側はたまったもんじゃない、強烈に痛い。

それが、改正銃刀法によって、「(6mmBB弾の場合)0.989J以下」でないと違法、ということになった。これまで「これはオモチャの銃です」と言っていたのが、「実銃」扱いとなるのだ。やばいばやい。チューンアップされた銃を家に保管しているだけでも違法なわけだから、カスタム銃は捨てるかデチューンするしかなかった。おかでんのスナイパーライフルも、結局ショップにてノーマルに戻して貰った。もちろん有償。ああ、スコープを覗きながら数十メートル先の敵を狙撃する楽しみが無くなったのは惜しい。でも、それで良いのではないか。人それぞれの銃の基本性能に差がありすぎると、ゲームとしてつまらなくなる。

もちろん、少しでも有利に戦いたいと思う人は、銃刀法ギリギリまでチューンしているだろう。でも、しょせん0.1J程度だ。劇的に性能差がでるわけではない。

今現在行われている銃改造は、もっぱら「連射速度の向上」の方向のようだ。ギア、モーターを交換し、バッテリーも通常の8.4Vよりも高電圧のものに置き換える。それで、1秒間に25発などというとんでもない事が可能になる。これだと、敵を前にして弾幕を張ることができるので、相手がひるんでいる間に味方を前進させることができるといったところか。ただ、カスタム費用が結構お高いので、実際どれほどの人が実施しているのかは知らない。

銃刀法は銃の威力減という直接的な対策だけでなく、サバゲー活動範囲をも制約した。今までは富士山麓、御殿場、北軽井沢などの林の中でやっていた。しかし、今後はそれもできないだろう。銃に対する法的・社会的規制が厳しくなる中で、普通の野外でサバゲーをやる事に地権者の合意を得るのは難しくなってきている。万が一トラブルが発生すると、マスコミに「軍事マニアの戦争ごっこでトラブル」云々と大げさに書きたてられ、巷のサバゲー同好家にとって迷惑になる。大人しく、有料専用フィールドに行くのが大人の判断だ。

そんな状況の中、cash隊長は現在の会社を離職することになった。定年までまだ相当ある歳だが、何か思うことがあったのだろう。きっとアフガンに転進するに違いない。その送別会の席上で、おかでんが「隊長がいなくなるとサバゲーできないっすよ」と愚痴ったところ、「交流があるチームを紹介する。今度千葉のフィールドでやるらしいから、それへの参加を検討してみてはどうか」という回答を得た。

しばらくしたら隊長から「千葉のビレッジ1というところの定例会に件のチームが参加するというが、加わるか?」という打診が来た。おお、久しぶりのサバゲーだ。これはぜひ行っておかねば。喜んで参戦表明と相成った。

千葉はゴルフ場銀座、とよく形容される。羽田行きや成田発着の飛行機の窓から眼下を眺めていれば、いかに千葉にはゴルフ場が多いかがよくわかる。それと同時に、飛行機からは目視できないが、サバゲーフィールド銀座でもある。サバゲーって日陰な趣味かと思っていたら、案外そうでもないのねと自信がつくくらいの数が、存在する。全く予備知識がないおかでんでさえ6箇所の名前を挙げることができるくらいだから、実際は10以上、下手をすると20くらいはあるかもしれん。面倒なので調べたことがないが。

この手の有料フィールドは、「場所を団体に貸し出す、貸し切り制」のところと、「1名からでも参加どうぞ、という乗り合い制」のところがある。

貸し切り制のフィールドは、仲間内だけでのプレイとなるのである程度の人数の確保が必要となる(少人数でも構わないが、一人当たりの負担金が増えるし、ゲームがつまらなくなる)。だが、気心知れた仲間のみでのゲームとなるので和気藹々とできるし、ルールも独自仕様でできる。疲れたらその都度大休止をしたって構わない。時間管理は勝手だ。

乗り合い制のフィールドは、1名から参加できるので特定のチームに所属していない人でも参加できるメリットがある。ゲーム上の敵味方は主催者側が参加人数に応じて割り振りしてくれる。ゲーム進行は主催者が仕切るので、貸し切り制とは違い自由度が低いが、いろいろ趣向を凝らした進行が行われ飽きさせない工夫がなされている。

貸し切りにも対応しているし、週末には定例会として「乗り合い制」のイベントを主催している。開催スケジュールを見ていると、ビレッジ1主催の定例会以外にもマニアックな企画モノ乗り合いイベントが有志によって主催されており大変に楽しい。

一例をあげると、「闘え!ムシャヒディン」なんてタイトルの企画。名前だけで十分に面白いのだが、これは「アラブ(イスラム反政府組織)VS米軍」をテーマにしたサバゲー大会。「ドレスコード有り」になっていて、当然米軍側に付く予定の参加者は米軍制式採用の服装と装備、アラブ側はアラブ的な格好でなければならない。アラブ的な格好とはなんぞや、というと、サイトの解説によると

1.シュマグを巻く、蒸す場合はイガール(バンド)で固定する。首に巻くはNG
2.パコールを着用する。
3.眼だし帽、覆面をする。
4.ターバン等を巻く。
5.もっさりヒゲを生やす。もしくは装着する。

などが例示されていた。「もっさりヒゲ」もOKというのが面白い。恐らく銃はAK47が中心となるのだろう。

他にも、ウエスタン専用企画なんてのもあるようだ。革ジャケットにテンガロンハット、ショットガンなどのいでたちになるのだろうか。そういうジャンルもありなんだな。この企画も当然ドレスコード有りだが、注釈として「※ただし萩原流行さんは私服で結構です」と記されていたのは大変にナイスなジョークだ。

あと、「リアルカウント」と呼ばれる企画もあって、これはこれで楽しそうだ。リアルカウントとは、実際の銃と同じ弾数しかマガジンに装てんできないというものだ。従来の電動ガンの場合6mmBB弾を使うので、1つのマガジンに数百発入れる事ができてしまう。そのため、戦闘中は機関銃のように弾をばらまきがちだ。それじゃあリアルじゃないよね、もっと弾は慎重に使うと面白いよね、というのがリアルカウント。例えば米軍のM4A1をゲームで使う場合、30発までしかマガジンに弾を入れてはいけない。マガジンはいくつ携行しても構わないルールだけど、実際に持ち歩ける量には物理的に限界があるし、マガジンの脱着に手間取るので、結構緊迫感が出るという。

これまでの経緯と予備知識に関する記述はここまでにして、話を本題に移す。といっても、本題ではあまり書くことないけど。

2008年11月02日(土)

ビレッジ1は、千葉の四街道にある。週末、房総半島方面にドライブしたことがある人は必ず渋滞で痛い目にあう。朝の下りと、夕方の上り。貝塚あたりが特に酷く混む。だから、時間配分には気をつけないといけない。うっかりしていると、渋滞に巻き込まれて遅刻するし、疲れ果てて帰路についたとき、うっかりして渋滞中の前の車に追突なんてこともありえる。

この日、案の定ディズニーランド渋滞と房総半島渋滞があったので、VICSとカーナビの連携で華麗に避けつつ、でも予定よりも遅れつつようやく到着。ビレッジ1への入口は、車1台しか通れない未舗装道をようやく通り抜けた先。そこには、いきなり開けた場所が待ち受けていた。

セーフティーゾーン

駐車スペース100台。定例会の最大募集人数が100名なので、一人一台でやってきても収用できる広さだ。その先には、テーブルが並べられているセーフティーゾーンがあった。めいめいがテーブル上に装備品を並べ、準備に余念がない。

この日はたまたま女性の参加者がいなかったが、女性用にということで更衣室も用意されていた。

今回行動を共にさせてもらうサバゲーチーム「sturm」の面々と挨拶ののち、受付に行く。

利用規約

まず受付で行ったのは、誓約書へのサイン。当フィールド初参加の人が必ずする事務処理だ。こういうフィールドで何かがあったとき、主催者として「それは自己責任ですがな」と言わざるをえない事態もあるだろう。だから、自分の身は自分で守れ、という事をあらかじめ認識させるためのものだ。

そして、A4の紙にびっしりと文章が埋め尽くされている利用規約が渡された。仲間内だけのゲームなら不文律でどうにかなっちゃう事が多いが、不特定多数が集まってくるゲームの場合、ルールの統一と徹底が重要。見解の相違で参加者同士がトラブるとやっかいなので、できるだけ明文化して認知させようというわけだ。

暴言があった時点で大人の遊びとは言えなくなってしまいます。絶対に暴言は吐かないでください。

なんて書いてあるので、その慎重さが伺える。暴言とは、「バーカバーカ」といった基本的なものは当然として、「おいお前、弾当たっただろ!やられてるだろ!」という発言も禁止。被弾したかしていないかは自己申告制であり、その申告の真否についてイチャモンをつけてはいけない。大人なんだから、そこは性善説でいきましょうや、というわけだ。

そうなってくると、被弾したと自覚しても当たっていないふりをしてゲームを続行する、いわゆる「ゾンビ」が発生する可能性がある。それについてもちゃんと主催者は手を打っていて、規約の中に

ゾンビ報告が複数人より寄せられた場合は退場して頂きます。

と謳われている。まあ、実際そのような事例は無いとは思うが。

ゲーム開始前のミーティング時に、主催者から「この中にゾンビの方はいますか?」と挙手を求めていたが、誰も手を挙げなかったので多分ゾンビはいないはず(?)。ゾンビは、「当たったと分かっているけど知らんぷりをする悪質ゾンビ」と、「当たった事に気がつかないでそのままプレイを続行するゾンビ」の2通りがある。後者に悪意はないので、敵に弾を当てたのに死亡宣告が無い場合は、にっこり笑顔で引き続き敵に弾を撃ち込めばよろしい。

サバゲーを知らない人からすれば、この利用規約は興味深いと思う。一種独特の世界だからだ。しかし、ここで全項目を紹介しているときりがないので、それはやめとく。

あと一つ、おかでん自身「ほう」と感嘆したルールを紹介しておく。

無線の傍受はOKですが、無線の割り込み・かく乱・ジャミングは禁止です。

すごいな。こういう事まで想定しているとは。実際、少数ではあるが、無線とヘッドセットを装着している人がいた。お互いの位置関係、敵の状況などを情報交換しているのだろう。「猪突猛進、チームプレイほぼ皆無」が原則のcash隊にはありえん装備だ。

コンパクト地図

あと、もらったのが写真のとおりビニール袋に入れられたコンパクトなフィールドマップ。ビレッジ1のフィールドはかなり広く、なおかつ複雑に入り組んでいる。場慣れしている人なら兎も角、初体験の人だと道に迷ってしまうくらいだ。そのため、このようなツールが用意されている次第。

第1ゲームの時点ではこの地図を携行しなかったが、案の定今自分がどこにいるのか訳がわからなくなってしまい、第2ゲーム以降は胸ポケットに入れて持ち歩くようにした。

ビレッジ1地図

ビレッジ1のフィールドマップ。

ビレッジ1のオフィシャルサイトにもマップが掲載されているけど、URL変更になったりするかもしれないので、リンクははらないでおく。

見ての通り、何ともごちゃごちゃした地図だ。サイトで、この地図を初めて見たとき「なんて凶悪なフィールドなんだ」と恐れおののいたくらいだ。いたるところに塹壕が張り巡らされ、トーチカ、トンネル、丸太橋、櫓などがあちこちに配置されている。身を潜める場所に不足はない。逆に言うと、どこで待ち伏せされているかが全くわからないということにもなる。これはうかつに動いたら即座に撃たれるだろう。

地図上には、AからFの表示がある。これは、チームの陣地とされ、ゲーム毎に変更される。写真だと、Bのところに銀色のマグネット、Eのところに青色のマグネットが置かれているが、これは「次のゲームは銀色チームがBを拠点に、青色チームがEを拠点にしてね」という印だ。このゲームが終われば、次は位置を入れ替え、Bに青、Eが銀になる。それが終われば今度は全く違う配置が主催者から宣告される。

1ゲーム原則20分で、勝利条件は相手の拠点にあるポールにタッチすること。ただ、1チーム40名近くいる大所帯な上、待ち伏せしやすい立地条件なのでなかなかポールタッチは難しい。

フィールドを眺める

セーフティーゾーンとフィールドは防護ネットで仕切られていて、流れ弾がセーフティーゾーンに入ってこないようになっている。

その防護ネットをくぐってみると・・・いきなり写真のような光景。地図だけを見ると、「基本的に平地なんだけど、人工的に塹壕を掘ったりして立体的にしました」と見えるが、とんでもない。かなりアップダウンがある立地だ。

ゲーム開始前にざっとフィールドを下見したが、複雑な構造に加えて立体的なので殆ど状況を把握できなかった。

ただ、頭上には高圧電線があり鉄塔が視界に入る。これが非常に分かりやすいランドマークだった。

バルカン砲

ご一緒させてもらったsturmの隊員が持ち込んでいた化け物、ミニガン(ガトリング砲)。恐らくM134だと思われる(違ってたらごめんなさい)。ベトナム戦争映画で、ヘリコプターに装備されていて機上からもの凄い勢いで弾をばらまいているやつだ。それを持ち歩きできるようにしたものが、これ。まあ、実物は重くて持ち歩けるような代物ではないのだが。

6本の銃身を持ち、電動で回転しながら弾を撃ちまくる。実物だと最高毎分6,000発というありえへん勢いだ。

2回ほどフィールド内に持ち込まれ実戦投入されたが、その時は「弾がでるところを見たい」と、味方が戦闘を放棄してこの銃の近くに集まったくらいだ。いざ、発射させると「ブーン」という芝刈り機のような音がして弾のシャワーが吹き出した。我が軍は圧倒的じゃないか。でも、あっという間に弾切れ。そりゃそうだ。

この目の前のものがCAW社の電動ガンM134であるとすれば、スペック上では毎分3,000発の弾をはき出すことができる。桁違い、とはまさにこのことだ。本物と比べれば弾幕は半減だが、それでも1分間に3,000発ってなんだそりゃ。

とはいっても、勝敗に拘るサバゲーを志向するならば、全く方向違いの武器と言える。まず、重くて持ち運ぶだけで大変。とっさに銃身の向きを変える、ということもできない。それに、銃の形状からして、仁王立ちになって発砲するしかない。圧倒的な火力で相手を制圧することが最大の防御、ということなんだろう。でも、脇から撃たれたら一巻の終わり。それに、お値段が相当に高い。30万円くらいするんじゃなかったっけ。

鉄道マニアに「乗り鉄」「撮り鉄」など様々な人がいるのと同じで、サバゲー同好家も多種多様だ。本物の軍隊の装備をできるだけ模倣しようとする人、勝敗に拘って戦術に余念がない人、第二次大戦やベトナム戦争の再現企画が大好きな人、様々な武器をそろえるのが好きな人など。このM134を買うということは、相当なしゃれっ気がある証拠だ。

ちなみにこの化け物を持ち込んだ人は、「竜巻くん」と呼ばれる手榴弾も持ってきていた。ピンを抜いて数秒後、ガス圧で手榴弾自らがネズミ花火のように回転し、弾をばらまくという仕掛け。半径10mくらいの周囲360度の敵は皆殺しだ。ただし、自分も一緒になって死ぬ。これも、実用性というよりも驚きと興奮を提供するツールという色合いが濃い。

時間切れで兵士が引き上げてくる

戦闘が膠着状態のままタイムアップして、セーフティーゾーンに引き上げてくる戦士達。観戦台から撮影。この観戦台にも弾は飛んでくる可能性があるので、ゴーグル着用が義務づけられている。

それぞれの戦闘についてレポートしても良いのだが、半分忘れちゃったのと、いちいち書いていたらきりがないのでばっさり割愛。

総括するならば、本当にトリッキーなフィールドだった。木は適度に太く、身を隠す事ができる。草むらは深く、身を潜めるのに適しているが、弾が草に跳ね返されて敵に届かない可能性あり。あと、草に覆われていて一見わからないが、小道が無数存在していて迷路のようだ。侵攻/防御ルートはいくらでも考えられる。とにかく、一体自分はどこに陣取れば良いのか迷った。

シルバーチームは銀色のガムテープを、青チームは青のガムテープを両手二の腕に巻き付けて敵味方の識別を行っていた。これが、どちらの色も目立たないので、人と遭遇した時に敵か味方かの判別に一瞬戸惑う事が多かった。特にこのフィールドは迷路のようになっているので、前方にいるのが敵だと思って撃ったら、別ルートからやってきた味方だったということもあった。申し訳ない。

全体的に青チームの方が戦闘力が高く、多くの戦闘でおかでん所属のシルバーチームは押され気味だった。見ていると、青チームはストップ&ゴーが上手。ゲーム開始と同時に勇猛果敢に前進し、主要拠点のやぐらや塹壕を抑えたら、そこに腰を据える。誰も来ないから外にでよう、なんて安直な行為はしない。そして、攻め込む側は「11時の方向に敵2名!」などとお互い情報共有しながら、ぐいぐいと前に進んでくる。

対しておかでんはというと、中途半端なところで敵を待ち伏せし、全然敵が来ないから「残り5分!」のアナウンスと同時にしびれを切らして前進して撃たれる、ということを繰り返した。戦力としてあまり機能しなかったというのが実情。

以前にも書いたことがあるが、cash小隊が本拠地としていた富士山麓は太い木に乏しく、身を隠す場所が限られていた。だから、あまり敵陣地深くまで侵入できないし、敵に自分の居場所を知られたが最後、四方から撃たれる状況だった。結果的に、「ゲーム開始と同時にダッシュして適当なところに身を潜め、あとはじっと我慢比べ。しびれを切らして動いた方が撃たれる」というのがスタンダードだった。その時の癖があるため、どうしても攻めも守りも中途半端になってしまう。こういう作り込まれたサバゲーフィールドだと、全く違った戦い方をしないとダメだな。・・・でも、まあ、いっかぁ。楽しければ。深く考える必要はないな。

弾速チェック中

午前の部最後のバトル後、セーフティーゾーンに戻ってきたら主催者から「弾速チェックやりまーす」と言われた。

改造銃なんて持ち込んでいたら違法なわけで、それ以前にゲームバランスが悪くなるので、有料フィールドでは弾速チェックが一般的に行われている。前参加したことがあるフィールドでは、ゲーム開始前にチェックを行い、合格したら銃にシールを貼る、というスタイルをとっていた。ただ、ここはいわゆる「抜き打ち」チェックだ。朝イチのゲーム開始前にチェックを行った場合、ゲーム途中で別の銃に持ち替えられる恐れがあるが、ゲーム中の抜き打ちだとそれを防ぐことができる。フィールドから出てきた人をそのまま弾速計測器に連れて行くので、ルール違反銃を使っていたら確実にバレる、というわけだ。

計測器は2つの器械で1組になっていて、その2つの器械の上を弾が通過する時間差で弾速を計る。写真で、一人が板を持って日陰を作っているが、これは直射日光による計測ブレを防ぐためだ。気温が高い方が弾速があがるので、弾速上がりすぎて不本意ながらも規則違反になっちゃわないようにしている次第。

塹壕1

コンテナ

ゲームコントロールは全て主催者が行う。陣地の決定、ゲーム開始/終了の合図、次ゲーム開始時間の指定など。ゲームとゲームの間隔は比較的短く、とてもテンポ良くゲームが繰り返された。cash小隊の場合、ゲーム終了後20分くらいだべって休憩し、さあそろそろやるかね・・・という感じだったが、ここでは「一息ついたらすぐ次のゲーム」というテンポ。

お昼は1時間、大休止の時間が与えられた。その間を利用して、フィールド内をぐるっと回って写真を撮ってきたので簡単に報告。

写真上:フィールド入ってすぐの塹壕。浅いので、うかつにここに身を潜めると、隠れたつもりでも撃たれる恐れあり。

写真下:コンテナボックスとすのこ。身を潜めるには最適なサイズだが、至る所に隙間が空いているので、敵から掃射されると貫通して被弾する恐れあり。油断禁物。

やぐら

十字架が掲げられているやぐら。上に登ると見晴らしが良い。ただし、壁の代わりに目の粗い網が張ってあるだけなので、うかつに登ると格好の餌食にされる。

塹壕2

写真右:茂みの中にも塹壕がある。もう、フィールドの至る所に隠れる場所満載。サバゲーやらなくても、かくれんぼやドロケー(ケードロ)をやっても楽しそう。

土嚢

土嚢が積み上げられている。ここを攻守の要として使うのも手だ。しかし、位置的に目立つので、攻撃対象にされやすいかもしれない。人間の構造上、射撃しようとするとどうしても土嚢から顔半分を出すことになる。そこを狙われたらおしまい。

塹壕が続く

延々と続く塹壕。よくぞここまで仕込んだな、とビレッジ1の執念に頭がさがる。この塹壕をバイパスルートとして、すすすーっと前進するのは地上から狙われずお得だが、直角に曲がったその先に敵が待ち伏せしていて、出会い頭に狙撃されるなんて事もあった。教訓:角を曲がるときは安全確認をしっかりと。

木道

丸太を隙間無く並べた、いかだのようなものが地面にある。湿地部分を埋め立てたのだろうか、と思っていたら・・・

下は塹壕

この丸太の下には塹壕。丸太は塹壕を上から塞いでおり、長大なトンネルが形成されていたのだった。そこまでやるか。トンネルの中での銃撃戦もあり得るし、トンネルの中に潜んで、丸太屋根を通過していく敵を狙い撃ちすることもできる。なんという凶悪な作りだ。

ちなみにおかでん、ゲーム中に撃たれたのでセーフティーゾーンに引き上げている最中、よそ見をしていてこの穴に落ちた。勇猛果敢に攻め込んでいる敵の兵士が天晴れだったので、そっちに目がいっていたら、足下が塹壕だったという次第。銃は高々と掲げて歩いていたので、銃だけ丸太の上に残り、本人は穴に落ちるという漫画的なずっこけ方だった。しかも、運が悪いことにこのトンネルの中には敵兵が潜んでいて、思いっきり至近距離から弾を浴びせられて、もう踏んだり蹴ったりだ。

さらに、「人が穴に落ちたぞ!」と一部始終を見ていた人が声をあげ、その地域一帯は一時休戦。敵味方関係なく救助部隊が茂みから出てきた。すいません、ご心配をおかけしました、でも大丈夫です。かすり傷一つ負ってません。

「大丈夫です、怪我してません、戦闘続行してください」と周囲に伝え、ゲームは再開されたのだが、しばらくは「何?何があったの?」「人が穴に落ちたんだって」という伝言ゲームがあちこちの茂みや木々の影から聞こえてきて、おかでんはその間恥辱プレイに耐える事となった。

塹壕と丸太橋

塹壕と丸太橋。橋の下で敵を待ち伏せすることも可能な作り。ただし、撃ち損じたら確実に逆襲されるので覚悟が必要。

B拠点

ここは塹壕と土嚢で守りが堅く作られている。・・・が、経験者に言わせると、堀りが浅いので、見た目以上に守備力はないそうだ。

フィールド境界線のネット

フィールドとセーフティーゾーンを仕切っている防護ネット。6mmの弾が貫通しないように、細かい目で作られていて結構重い。これをかきわけて、セーフティーゾーンに出る。

流れ弾に当たって事故、なんて事があったら、ただでさえ世間にあまり良い印象を持たれていないマイナーなサバゲーがますます追い込まれる。だから、お金を取るフィールドだけあってそういう事故が起きないような対策は打ってある。初期投資はかかるが、事故が起きてこのレジャーが縮小してしまっては元も子もない。

とはいっても、最近はこういう防護ネットでさえちゃんとしていない有料フィールドもあると聞く。流れ弾が人に当たって、社会問題化して、規制がかからない事を祈る限りだ。

もっとも、フィールド全周囲を防護ネットで覆い尽くす事は無理だ。セーフティーゾーン方面以外は、トラロープで境界線が示されているだけというのが現実。ちゃんと境界線は作ってあるのだが、山菜採りだとかきのこ取りの人がずかずか入り込んでくる危険性はある。その場合、「私有地への不法侵入」という事になるわけだが、だからといって敵と勘違いされてBB弾をお見舞いされたら非常に気まずい事になる。ハロウィンでお菓子を貰いに来た子供が家の住人に銃殺されるようなもんだ。ハロウィンの事件はともかくとして、サバゲーフィールドはそういう事故の可能性がゼロというわけではない。後々禍根を残さないよう、われわれ参加者は「目の前で動いたものを撃つ」のではなく、敵か、味方か、それとも部外者かを瞬時に見極めるスキルが求められる。

恥ずかしいツール

さすがゲームの主催者側。参加者を飽きさせない工夫を凝らしていた。

午後からは、「生き返りあり」のルールを採用。普通、弾に当たればそのゲームはそれでおしまい、セーフティーゾーンに無言で引き上げないといけない。しかし、今度からは「いったんセーフティーゾーンに引き下がり、もう一度自陣地に戻ればまた生き返る事が可能」となる。

ただし条件があり、セーフティーゾーンでは腕に黄色いガムテープを巻かれる。つまり、何度も戦死すればどんどんガムテープの数が増えていく事になる。一種の辱めだ。

さらに、そのゲームで一番ガムテープ数が多かった人には、王冠のような派手な帽子をかぶって次のゲームに臨む事になる。辱めの上塗りだ。

戦友

ゲームの開始を待つsturm隊+cash隊長。顔にモザイクかけようかと思ったが、このサイトで既に面が割れているcash隊長以外は目線が隠れているので、そのままで掲載しておく。

cash隊長の格好は、ベトナム戦争時代の米軍が使っていたタイガーストライプ迷彩。そして、手にする銃はソビエトのAK47。なぜかちぐはぐだ。あれほど格好に拘り、美学を持っていた人なのに、なぜ?

cash隊長も久々の参戦。きっと、その間にサバゲーグッズを随分と処分したり押し入れの奥にしまっちゃったりして、融通が利かなかったのだろう。手元にあるものでとりあえず今回はいいや!と思ったに違いない。

・・・と、当日は思っていたのだが、この文章を書いている今日、ついさっき、cash隊長じきじきにメールが来た。あれはちぐはぐなのではない、意図的にやっているのだと。

ベトナム戦争時代、非正規軍としてグリーンベレーやフォース・リーコンといった特殊部隊が北ベトナムやカンボジアに侵入し、破壊妨害作戦を展開していたという。その時、敵から奪った弾や銃を使い、作戦の秘匿性をより高めていたことから、この格好というのは実在していたらしい。恐れ入った、そこまで考えての事だったのか。隊長からは「ニコラス・ケイジ、ショーン・コネリー主演の映画『ザ・ロック』で取り上げられている題材なので暇ができたら見ると良い」とのアドバイスを頂戴した。

参加者全体の服装を見渡す限り、映画「ブラックホークダウン」に影響されたと思われる黒ヘルメットの特殊部隊装備な人は殆ど居なかった。そのかわり結構目に付いたのが、おかでんが着用している陸上自衛隊2式迷彩。おかでんが調達した頃はまだ珍しかったのだが、電動ガンメーカー最大手「東京マルイ」が陸上自衛隊の「89式小銃」を製品化したためか、着用率は高かった。一昔前だと、「自衛隊の装備や服なんてダセー」って認識だったと思うが、時代は変わったもんだ。

自衛隊の迷彩服は、当然のことながら日本の景色に最も溶け込むように作られている。だから、サバゲーにおいて、自衛隊迷彩は最高の隠れ蓑になることが期待された。・・・が、実際このフィールドで様子を見てみたが、どの国の迷彩服もほぼ等しく景色に紛れた。自衛隊のものが特に優れている、という実感は無かった。現に、写真のcash隊長が着ている迷彩、とてもよく背景に馴染んでいる。

こうなってくると、目立つのは露出が大きい顔の肌色、という事になる。フルフェイスのゴーグルを装着している人は、「大事な顔にキズをつけたくない」という気持ち半分と、迷彩効果を期待するのも半分ある。凝った人になると、顔に緑色のペイントを施していた。そこまでやるか。後で拭き取るの、大変だな。

もっと拘る人は、今度は銃の黒色が目立つ、と気になり始める。銃にまで迷彩を施している人がいた。上を目指すと、きりがない世界なんである。

ガムテープだらけ

この生き返り戦、「どうせまた復活できるんだし」という心理が働き、お互い積極的な攻撃となり、激しいぶつかり合いとなった。

そのぶつかり合いに加わってははじき飛ばされていた人→おかでん

通常の20分ルールではなく、30分に延長して行われた戦いは結局決着が付かずにドローとなった。そりゃそうだ、兵士が復活するのは自陣地にいったん戻ってから、ということになる。陣地周辺にはたくさんの兵が常時いることになり、とてもじゃないが近づくことはできない。ひたすら撃ち合い、そして「ヒット!」の声があちこちから響き続けた。

ゲーム終了時点で、おかでんの腕には4本の黄色いテープ。結構撃たれた。

王様二人

味方・シルバーチームから1名の王様誕生。彼は6回撃たれ、栄えある赤い帽子を贈呈された。しかも、東急ハンズで買ったと思われる「私が主役です」のタスキ付き。次のゲームはこれをかぶって闘わないといけない。迷彩もなにもあったもんじゃない、あんな目立つ帽子が動いたら、一発でばれる。いや、動かなくてもばれる。

引き続き陣地を入れ替え、同じルールでゲームを続行した。黄色テープを剥がすことは認められず、今度のゲームで生き返りになった人は赤いテープが貼られると宣告された。やられればやられるほど、派手なテープの数が増え、迷彩服の意味がなくなる仕組み。

実際闘ってみて、非常に困った。目の前に人がいるのだが、敵か味方かさっぱりわからない。腕には黄色や赤のガムテープが見える。肝心のシルバーか青のガムテープが余計目立たなくなってしまい、判別がつかないのだった。そのため、「シルバー?それとも青?」と聞いて、向こうから「青!」と答えが返ってきてから撃ち合い開始、なんていう間抜けな展開もあった。

生き返り戦2ゲームが終了した時点で、青チームからも被弾率ワースト1の人が選ばれ、王冠が授与された。

王様を守れ

辱めはまだ終わらない。次のゲームの勝利条件は「フラッグタッチ」と呼ばれる通常の「敵陣地に到達したら勝ち」ではなく、敵の王様を狙撃したら勝ち、ということになった。しかもそれだけではなく、王様は銃器の携行が禁止され、完全な丸腰状態となる。作戦としては、いかに王様を護衛しつつ、逃がしつつ、敵の王様を狙うかということになる。

ただ、これだといったん王様がロックオンされてしまうとあっとう間にやられてしまいかねない。そのため、主催者側の憎いまでの心配りで、王様には長い棒の先にくくりつけられた発煙筒が渡された。危なくなったら、この発煙筒を焚いて逃げろ、というわけだ。ただし、王様はこの発煙筒を手放してはいけないので、一歩間違えると自分の居場所を敵に教えることになる。

「全く役に立たないじゃないですか」とつっこんだら、経験者曰くこの発煙筒、相当な煙を吐き出すらしい。数メートル先の視界は完全に失われるくらいで、数分間はそれが持続するという。茂みの中でこれをやると、ある程度の効果はある・・・らしい。それはびっくりだ。

この戦いも生き返り有りのルール。

敵の王様を捜して突進していったおかでんだったが、まあ当然のように撃たれてセーフティーゾーンにいったん退却。また出直そうとしたら、ゲーム終了の声がフィールドからあがった。ものの5分もしない間にゲームが終わってしまった。どっちがやられたんだ、と思ったら案の定シルバーチーム、うちのチームの王様がやられていた。発煙筒を焚くまでもなく、撃たれてしまったとのこと。何でも、みんな攻撃に回っちゃって、王様の護衛が非常に手薄だったらしい。まあ、シルバーチームらしくて微笑ましい終わり方だった。

発煙筒着火

さすがにこれではゲームバランスが悪いと主催者は踏んだのだろう、即座に次のゲームのルールを変更してきた。

・ゲーム開始時点で王様は発煙筒に着火すること。
・生き返りは、セーフティーゾーンにいるスタッフとジャンケンし、勝つかあいこで可能。負けるとゲームオーバー。

というわけで、陣地を入れ替えて再度仕切り直し。

ゲーム開始30秒前の合図と共に発煙筒に着火。すると、おお、もの凄い勢いで煙が出るではないか。煙幕を完全に張るまでには至らないが、左右に棒を振っていれば、ある程度の範囲で視界を阻害することは可能だ。

ただ、惜しむらくはここが茂みの中ではないということだ。開放的なところに陣取っているので、煙の効果が薄い。山火事になってはまずいので、この状態で茂みの中に逃げ込むわけにもいかない。目立つところで、目立つ格好で、目立つ煙で敵を迎え撃つ事になる。

「本当は、いったん林の中に入って場所を確保してから火を付けると良いんだけどねえ」とぼやくが、どうにもならない。さすがに今度はあんまり前進せず、王様の護衛に回ろう。