
この日収穫したたけのこ。7本。
ちっこいのが2本あるが、御愛嬌。
これを平沢たけのこ村に戻って計量したら、5キロ弱あった。4キロでいいよ、ということで追加料金を払うことなくたけのこを持って帰ることができたが、つい調子にのって多く収穫してしまうから危ない。
朝どれのたけのこはみずみずしい分、とりわけ重たい。しかも幾重にも重なっている皮がずいぶん重い。5キロ弱のたけのこ!と思っても、この後皮を向くとあれよあれよとサイズが小さくなっていくのが切ない。
だから、ちっこいたけのこは「皮を向いたら食べる部分があまり残らなかった」ということになる。

たけのこと一緒に記念撮影。
いしとタケの顔にぼかしを入れるのはいつものことだが、ついうっかりして僕(おかでん)の顔にまでぼかしを入れてしまった。何の記念写真だ、これ?

たけのこを車に乗せ、退却する。早く家に返って、下処理しよう。今日はあちこち寄り道をしないつもりだ。
貧乏性の僕は、「せっかく◯◯に行くなら、ついでに△△にも寄りたい」などと考え、一筆書きであっちこっちに立ち寄りがちだ。でも、弊息子の様子を見ていると、そういうことをやると「せっかくの〇〇」の記憶が薄れ、忘れてしまうことがある事に気がついた。
せっかくたけのこ狩りに行ったのに、その記憶がほとんど残っていない、というのは親として残念だ。だから今日はたけのこ狩りの日。以上。
とはいえ、退却中に道の駅に立ち寄る。大多喜町の農産物直売において、どのようなたけのこがうられているかを見てみたかったからだ。
するとまあ、あるわあるわ、山盛りのたけのこが大小さまざま。いや違う、デカいのばっかり。さすがプロのしわざ。
そんなたけのこ売り場には、「良品の筍を選びましょう!」と書いてあった。
何が良品なのかというと、穂先が黄色いたけのこが良くて、穂先が緑色なのは駄目なのだという。つまり、穂先が土からでてきて光合成を始めているので緑色になるわけで、それじゃもう遅い、というわけだ。穂先が土から出ていない、または穂先が土から出たけれど夜明け前に収穫されたものを選べ、という。
ちなみに穂先が緑色のものを大多喜では「カラス」と呼ぶんだそうな。
ちなみに我が家の戦利品は全部カラスだった。そりゃそうだ、穂先が黄色いたけのこを素人が掘り当てるのはかなり難しい。そして、道の駅で売られているたけのこもカラスが多かった。おそらく、黄色い穂先のたけのこが優先的に売れていったのだろう。

さすが大多喜、さすがたけのこの旬。たけのこだらけだ。
値付けは農家さんがやっているので、ここに持ち込んだ農家さん次第で値段は変わると思われる。
安いので1本700円から、高いのになると3,000円というのを見かけた。もっといろいろあるとは思うが、ざっとそんな相場感だった。1,000円台のものが多い印象。

たけのこの使い方、という張り紙があった。ありがたく写真を撮り、今後の調理の参考にさせてもらう。
ただ、これってすぐに忘れてしまう。というか、部位ごとに使い分けるほど気が回らず、エーイとどんどん煮ちゃったり炒めちゃったりする。


お昼ごはんは、「膳所」というお店に行った。古民家カフェのような佇まい。

メニューはシンプル。「せいろ膳」と「カレー膳」、そして「お子様カレー膳」の3種類の食事と、スイーツおよびドリンク。

木の板をお盆がわりにして、湯呑みが運ばれてきた。面白い。

客席の様子。畳の間で食事をする。椅子席もある。

せいろ膳。
丁寧な調理、丁寧な味付けで美味しい。窓から見える景色ののどかさも相まって、心が休まる。
子どもにとっては、もっと肉肉しいものが食べたい!と思うかもしれないが、大人だとこういう食事がありがたい。

苺のレアチーズケーキとガトーショコラ。飲み物は黒糖ジンジャーエールとコーヒー。
自家製感ある飲み物があると、つい選んでしまう。ジンジャーエールがその典型例。

このお店は広い庭があって、テラス席があるし子どもが走り回れる場所もある。
食後、ウズウズして仕方がないタケはこの庭を存分に楽しんでいた。
遊具はなにもない。でも、街の公園にはない「長い枯れた枝」を発見して、それを得意げに持って歩いたりする。そういう些細なことでさえ、都会ぐらしの子どもにとっては珍しくて貴重な体験だ。
そして虫がいっぱいいるのも、彼にとっては興味津々だ。公園にいる植物とは質も量も違う。

彼が興奮して「アゲハチョウがいるよ!」と叫ぶ。
見に行くと、そこにはチョウチョにしては不自然に、地面に落ちているアゲハがいた。

ああ、これは失礼いたしました。お取り込み中だった。
人生51年間生きてきた僕でも、アゲハの交尾は初めて見た。
子どもがいるからこそ、こういう草むらにも目を向ける機会が得られる。ありがたいことだ。おとなになって、こういう視点はすっかり抜け落ちていた。

でもちょっと待て、いくら子どもの視点はピュアとはいえ、交尾中のアゲハにこんなに顔を近づけて観察することはなかろう・・・。

帰宅後、さっそく親子でたけのこの皮むきをやる。
たけのこの皮むきはチキンレースだ。どこまで剥いてもきりがない。どんどん目減りするたけのこに恐れをなし、「もうこの辺でやめておこう」と皮を剥くのをやめてしまうと、食べた際に食感が非常に悪くなる事が多い。
かといって剥きすぎると、永遠に剥けてしまい、まるでフェンシングの剣みたいな形になってしまう。
いしは「いかに楽をしてたけのこのアクを抜くことができるか」の研究のため、キッチンにこもりっきりになった。
道の駅には、「米ぬかは不要、米の研ぎ汁で十分」といったことが書いてあったのでその通りにやってみたが、やっぱりアクが残った。そもそも、大多喜のたけのこはアク抜き不要なのだ、と聞いたことがあるが、実際はそんなことはない。
プロが収穫したたけのこなら違うのかもしれないが、僕ら素人が掘り返してきたたけのこは、少なくともきっちりアク抜きをしないと美味しくなかった。
経験がある人ならわかると思うが、アクが少しでも残っているタケノコ料理は、舌がピリピリしてエグい味になる。風味が少々飛んでしまおうが、ちゃんとアクを抜くのが大事だ。
ほかにもいしは「鍋で茹でずに、電子レンジで加熱」とか「皮を剥かずに茹でた場合と、剥いて茹でた場合の比較」などあれこれやっていた。彼女なりの結論としては、「ある程度たけのこをカットしたうえで、米ぬかを使って、電子レンジで加熱」が一番確実だったそうだ。
さすが4キロオーバーのたけのこだけあって、しばらく我が家はたけのこ三昧の食卓となった。良い思い出になったので、来年もまたたけのこ狩りに行きたい。
(この項おわり)
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