保田漁港・ばんやの魅力(その6)
2005年12月24日(土)
2005年も押し迫った12月24日、ばんやに行ってきたのでその報告をしておく。
よりによってクリスマスにばんやかよ!と思うが、クリスマスって何ですかそれ、な人生を長年歩んできているので別に感慨はない。無理してお魚の上にろうそくを突き刺してみたり、ばんやに「クリスマスといえばチキンだろ?チキン持ってこんかい」とむちゃなオーダーをするつもりはさらさらない。いや、単にせっかくの休日をばんやで過ごそうとしているだけだ。
思い返すと、ここ数年間はだておーと二人で、「クリスマスの夜は二人で酒を酌み交わす」事をやってたのぅ。広島風のお好み焼き屋(神田「カープ」)にはさすがにカップルはおらんだろう、と思って二人で突撃してみたら、客数の半分以上がカップルでびっくり、なんてこともあったっけ。
それは兎も角、冬はお魚がおいしい季節。夏に「お泊まりオフ」なんてやるんじゃなくて、冬にやるべきだったと今更のように魚を食べて気が付く。行けるときに、ばんやに行かなくちゃ。魚ばかりは、旬を逃すとおいしくない。ハウス栽培の野菜とは訳が違う。
。。。ということで、ばんやに行った。エラそうな事を書いているが、ばんやに行くことを決めたのは当日朝になってからだった。ばんやは、ドライブ兼食事という点では満足度が高い半日を提供してくれる。ただし、交通費が馬鹿にならんのだが。行くなら、ぜひ割り勘要員を連れて、だな。ちなみにこの日は、全額自腹。
東京湾アクアラインの途中にある「海ほたる」で休憩。ものすごく寒い。さすがに12月の海ほたるは寒すぎだ。風が吹き抜ける。こういうときだけは、着ぐるみを着ているバイトくんが羨ましくなる。
この着ぐるみ、海ほたるのマスコットキャラクターらしい。中の人がどこから外の視界を確保しているのかは不明。老若男女、みんな触りにきていて、後ろからバシバシ叩かれていたく弱っていた。死角からドツかれると、人間ってかくも弱々しいものなのだなと納得。
それは兎も角、ばんやに到着。本日は、いつもと趣向をかえて14時過ぎに到着してみた。通常だと、お昼の大混雑時より前・・・11時ころには到着しているようにしているのだが、今回は逆。運が悪ければメニューボードがすっからかん、というおそれもあったが、まあそうは言っても「何も食べるものがないじゃん!」という事態にはならないだろうから、これはこれでアリだろう。
座席は、さすがに空席が目立っていた。さすがのばんやも、昼ご飯時の混雑を除けば、それなりに空いているということらしい。いや、ひょっとしたら今日はクリスマスだから、客足が少ないのかも・・・?それは考え過ぎか。
メニューボードは少し大人しい。既に売り切れたものもいくつかあるのだろう。でも、オフの時みたいに大人数で訪れたわけでもなく、これくらいのラインナップで全然問題はない。どうせ、数品よさげなものを見繕って、もうそれでおなかいっぱいだ。
金目鯛の煮物は、日によって値段が変わる。前回食べた時は確か1,200円くらいで「うわ、安いなあ」と思っていたのだが、今回は1,570円だった。最高に美味なのだが、さすがにちょっと気が引けて、やめておく。少人数で訪問した時は、「何を食べるか」という観点も重要だが、「何を切り捨てるか」という事も重要だ。
このばんやにおいては、「かま焼き」と称される料理に外れ無し、というのが僕の経験上得た知識だ。おっと、「ワラサかま焼き」があるぞ。630円とお値段も手頃。これはぜひゲットしないと。
揚げ物類。最近、毎回訪問する度に「イカかき揚げ」を注文してしまう。いい加減美味いのは判ってるんだからもういいだろう、と思うのだが、同行する人が毎回異なるため、その人に「お薦めは?」と聞かれたらついつい「イカかき揚げ」と答えてしまうのであった。その結果、毎度おなじみな定番料理となっている。
おっと、ヒラメ切り身唐揚げ、というメニューがあるぞ。初めて見た。揚げ物類の中ではダントツのお値段で、1,570円。一体どんな唐揚げが出てくるんだ?カレイを一匹丸ごと揚げているのは見たことがあるが、ヒラメを切り身にして唐揚げか。うーん。恐らくフグの唐揚げみたいな感じになるんだろう。うまそう。でも、お値段高いし、他に注文したいものがあるので却下。
アジサラダというメニューに惹かれたのだが、やめておこう。
案外、こういうのって「小アジ南蛮漬け」なんていうさりげないメニューが絶品だったりするんだよなあ。気になるけど、優先順位が高くならないのでこれも却下。
ああ、いろいろなメニューを食べるためには、全メニュー制覇プロジェクトをばんやで立ち上げるしかないのか。
本日のお魚いろいろ。
実は、この日一緒に行った奴は生ものを食べつけない人だった。刺身類は当然食べないし、生玉子なども苦手。でも、僕はぜひこのばんやでお魚のおいしさに開眼して欲しいと思い、今日はここに連れてきている。とはいっても、無理に生魚を「どうだ、美味いだろう?食え、食え」とやるのは逆効果。まずはイカ天ぷらなどでご機嫌を伺いつつ、さりげなく刺身盛り合わせを注文してみることにした。
さて、まずやってきたのがイカかき揚げ。
本日は車で来ていることもあって、お酒は御法度。おとなしくご飯を食べることにしたので定食スタイル。
しかしなぁ、お前を今まで何回食べてきたんだよ、と見慣れた光景に思わずつぶやく。
イカのやわらかさもさることながら、玉ねぎの甘さに驚くかき揚げだ。ひょっとしたら、イカよりも玉ねぎの方がおいしいのではないか、という気がしなくもないが、とにかくこの大きなかき揚げを、少々下品な食べ方であってもガシガシとかじりつくのが正解。
早く食べないと堅くなるよー。
うん、美味い。相変わらずの美味さだ。季節関係なく楽しめる。
つみれ汁。
何の変哲もない料理。これを頼むくらいだったらさんがとかなめろうを頼んで、おみそ汁を別に頼んだ方がいいかもしれない。
でも、つみれ汁ならではの、「はぁ」と一息入れることができる心地よさがあるのも事実。汁をずずずぃとすすり、そしてちょっと自分の心をじらしつつ、ほおばるつみれ。この時間差攻撃が楽しい。
さて、お刺身5点盛りが到着したぞと。
12時の方向から時計回りにアジ、ヒラメ、サワラ、ワラサ、スズキ。・・・だと思う。魚の名前を覚えるのって、ちょっと難しい。
まずは、赤々としてぷるんぷるんしたワラサに手をつけてみた。このちょっと厚めに切られた切り身が、食欲をそそる。
う、うまぁ。
こりゃたまらんですぞ。見たまんま、脂乗りまくり。すごいすごい。脂のせいで、舌の上で切り身が滑る。・・・すまん、ウソをついた。そこまではすごくないが、それでもDHA食べまくってます先生!っていう感じ。これはたまらない。
他にも、いろいろ試してみたのだが、どいつもこいつも全くもう!なんでこんなに育っちゃったのよ!と歓喜のあまりプリプリしながら、食べまくってしまった。グラビアアイドルの水着写真を見て、「最近の若い娘はどうしてこう発育がええのかねぇ」と鼻の下を伸ばしているオッサンと同じ心境。
秀逸。冬のばんやは、刺身を食え。また新たな法則が生まれた。
ちなみに、生ものを食べ付けない連れも、このお刺身は食べることができて「おいしい」と言っていた。良かった、これでとりあえずは今回のばんや紀行の目的は達成されたと言って過言ではない。お刺身が食べられるか、食べられないかで人生の楽しみ方は1%くらい変わってくると言って過言ではないので、今回「お刺身食べられるようになりました。」という事実はすごく大きいことだと思う。おめでとう。
刺身で完全に浮き足立っていたところで、ワラサのかま焼きが到着し意表を突かれた。いつもの事だが、かま焼きはできあがるまでに時間がかかる。だから、こっちがうっかり忘れてしまった頃に出てくるので、相当びっくりしてしまう。
しかもこれだもんなー、かま焼きのでけぇことでけぇこと。
これで630円。ウソでしょ?
そもそも、カマってエラよりも頭寄りの部分を指すものだとばかり思っていたのだが、こいつはその概念を一変させてくれた。随分とおまけが付いているじゃあありませんか。どう見ても、胴体部分ですぜ、これ。この胴体だけで何切れお刺身がとれることか。大盤振る舞いしすぎ。うれしい悲鳴を上げるしかないね、お客である僕としては。
ひゃー。
しかも!しかも!見よ、この切り込み部分を。
思わず、その場で万歳をしてしまう肉厚さ。試しに、表皮を箸で押してみたら、じわっ、じわっと透明な脂がしたたってくる。ありがとう、ばんや!頂きます、ばんや!
「いやー、かま焼きって、通常は一生懸命骨と格闘して、僅かな身をこそげ落とすっていうイメージしかなかったんだけど」
この場合は、箸で軽くつまむだけで身がほぐれる。美味い上に、食べやすい。やっぱり、かま焼きはメニューにある限り必ず頼むべきだな。その認識を新たにした。
ここまで美味いとなると、まだ寒い季節のうちにもう一度訪問しないとならんだろう。お魚は冬に限る。
(2006.02.01)
(つづく)
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