燻煙は湯煙より強し

七里川温泉

房総半島の奥に、七里川温泉という一軒宿の温泉がある。最寄りでいったら久留里線の終着駅、上総亀山ということになるが、これが結構遠い。アクアライン、富津館山道路ができてもまだまだ房総半島はデカくて懐が深い。そんなわけでつい最近まで、この温泉の存在は知らなかった。

この日は養老渓谷にお出かけだったので、そのついでに何かこの辺りで温泉でも、と探していたら発見した場所。養老渓谷観光のついでにお立ち寄りくださいませ。もしくは、鴨川シーワールドの帰りにでも立ち寄れる位置関係にある。

養老渓谷自体にも温泉があり、しかも温泉街を形成しているくらいの規模なのだが、それを無視してこの地を選んだのは「源泉掛け流し」を標榜しているからだった。しかも硫黄泉だという。火山がない場所なのに、珍しい。そこで、養老渓谷ごめんよ、と言いつつ七里川温泉にハンドルを切った。

建物に入るとそこは宴会会場

周囲は山だらけの場所だが、七里川温泉のところだけは駐車場に車が鈴なりになっていた。結構繁盛しているらしい。

宿の玄関に向かうと、玄関先には犬小屋があって、犬がつまらなさそうにへたり込んでいた。変わった温泉宿だ。もっとも、やる気満点の犬が、番犬でございと来客全てに対して吠えまくっていたら商売あがったりだが。

中にはいるともっと不思議な光景が広がっている。普通、宿というのは「暗黙の了解」的なお約束な作りというものがある。入口を入ると、正面もしくは側面にフロントがあって、ロビーにはソファがあって、新聞なんか置いてあって、なんならコーヒーが飲めるようになっていたりして。しかしここは一体なんだ?「フロント」らしきものは玄関先からは全く見えず、見えるのは囲炉裏。事もあろうか、囲炉裏があるのだった。しかも自在鉤に鉄瓶がぶら下がってます、なんていう民芸調なものではない。肉でも魚でも焼いて食え、という超実践的囲炉裏。そしてその囲炉裏でオッチャンらがガンガン酒飲みながらガンガン肉焼いとる。何事だ一体。ここは飲食店か。それとも温泉施設の飲食部門か?

スーパー銭湯なら、お風呂+飯というのはあり得る組合せだ。何ならマッサージでも散髪でもおまけに付けてもらってよろしい。しかし、温泉「宿」でこんなのは見たことがない。宿の食堂でランチ営業やってます、というのとは訳が違う。どう見ても宿のロビーが、外来客の大宴会会場となっているのだった。もう時刻はそろそろ18時近く。本来なら宿泊客の夕食時間だ。普通、宿がランチ営業をやっていたとしても、そろそろお客を追い出してもよかろう。しかし、そんな気配は微塵も感じさせないのだった。本当に宿なんか、ここは。

お昼はランチメニューもやっている

目の前に展開される光景と、煙で相当たじろぎながらロビーを彷徨うと、少し奥に入ったところにフロントがあった。そこで入湯料を払う。800円。炭火焼き料理を見た直後に、「食事代」ではなく「入湯料」を払うのは何だか不思議な気分になる。

そこから奥に進んだところに浴場があるわけだが、その壁一面には短冊がたくさん貼り付けてあった。まるで縄のれんの居酒屋みたいだ。

見ると、午後4時まではランチメニューをやっているらしい。おさしみ定食1,500円などをはじめ、かけそば700円など。ざっくばらんな宿の割にはしっかりとお値段取るのね。しかしあの囲炉裏を横目に、お刺身を食べたいとは思わない。やはり炭火でいろいろ焼いてみたくなるのが人情ってえもんだ。

ずらりと並ぶメニュー
まだまだメニューはあるよ

そんなアナタのために朗報です。壁一面のメニューはずらりと続き、そこには魚や肉の名前がずらり。これらを注文して、めいめい勝手に囲炉裏で焼いて食べなさい、というわけだ。素晴らしい。

値段が安いのも驚きだ。大あじひもの350円だとか、かわはぎ350円、いわし丸干300円・・・。とてもリーズナブルに魚を注文することができる。炭火代は別途必要ですよ、なんて事は言われない。もちろん突き出し代が、とか席料が、という事もない。

高い食材になると、伊勢海老2,000円、特大毛がに2000円、特上サーロイン3000円などがある。さすがに風呂入りにきた「ついで」に特上サーロインを焼く輩はそういないと思うが、とにかくお品書きの短冊を見ているだけでワクワクしてくるのは事実だ。

恐るべきはこの宿の懐の深さだ、囲炉裏を開放しているのは「自分とこの食材を調理する人だけ」ではない。なんと、勝手に自分で食材を持ち込んで料理を作ってもOKなのだった。それ、宿は儲かるんか?誰が得をするんだ。さすがに入浴せずに囲炉裏で飯食って帰る、という不届き者はいないと思うので、入湯料は宿に落ちるとは思うが・・・。

実際、われわれが見かけた宴会中のオッチャンたちは、傍らにクーラーボックスを配置して、中からどこかで仕入れてきた魚を取り出して焼いていた。こりゃ楽しそうだ。バーベキューをやるのは何もキャンプ場や公園じゃなくても良かったんだ、温泉でやっても良いんだ。21世紀に入ってそろそろ10年近く、何か一つ新しい発見をした気がするよボク。

ただし、確か飲み物だけは持ち込み禁止だったような気がする。それは宿から買ってくれい、と。まあ、そりゃそうだわな。それくらいしないと、宿としては単なるボランティアになってしまう。

土産物売り場も充実

ロビーの隅には土産物売り場がある。切り餅や乾物が売られていたりするので、ここでさらなる炭火焼き食材を調達するのも良し。

ただ非常に謎なのが、この土産物コーナーにはカップ麺が売られていたということ。野菜タンメンだとかきつねうどんが売られていた。これはお土産・・・ではなく、宿泊客が深夜小腹が空いたとき用、だろうか。

お風呂入口

ロビーの喧噪から離れ、建物二階にある風呂場に行く。

風呂場の手前には「天然硫黄泉源泉かけ流し湯」という横断幕が貼ってあって、なんだか興ざめした。あまりに風情がなさ過ぎるからだ。なんかこの宿、独特のセンスだよなあ。宿のオーナーってどんな人なんだろう。

七里川温泉内湯
露天風呂

温泉に入る。

若干茶色っぽい色をした温泉で、関東地方ならではといった感じの湯だ。硫黄泉、ということだが、硫黄の臭いは全くしなかった。

内湯はせいぜい3名程度しか入れない湯船だが、脱衣場を経由して外に出れば露天風呂があり、そちらは広々とした浴槽が二つもあった。なかなか豪勢だ。

しかしこれは男湯だけであり、女湯側は内湯だけだったそうだ。建物と地形の構造上、女湯側には露天風呂を作る余地が無かったらしい。ただ、この男湯と女湯は日によって入れ替えられているようで、くじ運が良ければ露天風呂付き、運が悪けりゃ内湯のみということになる。ちなみに内湯のみの憂き目にあった連れは、「これで800円は高い」と不満を述べていた。でも男湯側のおかでんは「いやまあ、800円でしょうあれは」と仏頂面。運次第だ。

この露天風呂だが、丘の上に作られており、すぐ真下に宿の建物がある位置関係になっている。そのため、宿からもくもくとわき上がってくる炭火焼きの煙がもろに臭うのだった。しかも時刻は18時過ぎ、宿泊客が夕食を開始している時間だ。魚をあぶっているらしく、煙の量たるや相当なものだった。湯煙よりも燻煙の方があたりに立ちこめているありさま。

いろり亭。宿泊客はここでお食事

風呂から上がってロビーの方に降りてみると、なにやら廊下途中の一室が特に煙い。煙探知機が作動してもおかしくない煙だ。見ると、入口には赤ちょうちんがぶら下がり、「いろり亭」という看板が掲げられている。引き戸の隙間からのぞき見える光景は、ああ、ここでも囲炉裏を囲んでオッチャンらが麦酒飲んで魚焼いて豪快に笑っているものだった。その間を忙しそうに動き回りビール瓶や料理を運んでいる従業員さん。どうやら、宿泊客はこの「いろり亭」で食事をする事になっているらしい。

なるほど、それで分かった。なぜロビーの囲炉裏にいる客を「メシ時なので帰ってください」と追い出さないのかと思ったら、ロビーとは全然違うところに別の囲炉裏があって、そこが食事会場になっているのだな。まあそりゃそうか、さすがに「宿」である以上、ロビーの一角で宿泊客にメシ出してさあ食え、というわけにもいくまい。

そんなわけで、ロビーにいる日帰り客は心ゆくまで囲炉裏であれこれ焼けるのだった。聞くと、外来入浴受付は午後10時までなんだと。つまりはそれまでは囲炉裏で焼ける、ということだ。しかしこうなると、この宿に泊まる意味って一体なんだろう、と考えてしまう。宿泊しなくても、この宿の施設はあらかた我が物顔で満喫できてしまうからだ。いやはや、太っ腹というか凄い宿だ。

大広間がある。まるでスーパー銭湯のようだ

「ゆっくりしていってね!」状態の大広間。

いや待て待て、普通こういうのって、日帰り入浴施設にあるものだろう。風呂入って一眠りしてまた風呂入って、というのを愛する人用に広間を用意するというのはよくあることだ。しかし、ここは「温泉宿」だぜ?宿運営の片手間に日帰り入浴を受け付けているのかと思ったら、こんな広いスペースをどうぞどうぞと日帰り客に開放しちゃってるんだもんなあ、驚きを通り過ぎて呆れる。

で、宿泊客はこのとなりにあるあまり広くない「いろり亭」にて、煙まみれになって食事。何だか不思議な構図だ。

うろつく猫1
うろつく猫2

この宿には館内に猫が二匹いる。両方とも真っ白な猫だ。

ひょっとするともっと猫はいるかもしれないが、何しろ整列して点呼させるわけにもいかない。確認できたのは二匹。

休憩室に居座っている一匹は、お客さんからいろいろなおやつを分けて貰っていた。なるほど良い境遇だ。でも、確実に早死にするからほどほどにしとけ。

ロビーあたりにも一匹。時々宿の外に出たりしていたので自由きままだ。このあたり、非常に大ざっぱだ。すぐ側で飲食している客がいるのに、土足の猫がうろついている。保健所が見たらぜひともご指導申し上げたい、と言いそうだが、まあ実害なさそうだからこのままでいいんじゃないスか。

玄関先までせり出した囲炉裏

ロビーに戻ってみると、入館時に宴もたけなわだったオッチャン達は既に引き上げていた。19時という時間も相まって、囲炉裏には誰もいない状態となっていた。

オッチャン達が座っていた囲炉裏を見ると、ロビーから溢れ出てしまって、三和土の上に机及び椅子がしつらえてあった。土日の昼間などは相当囲炉裏が混むだろうから、拡張したものと思われる。強引なことを平気でやってしまっているあたりが、この温泉の「味」なんだろう。

しいたけを注文
調子に乗ってイカまで買ってしまった

本来ならこういう囲炉裏を見るとがぜん燃えるおかでんだが、今回はスルーするつもりだった。この囲炉裏での流儀が分からないので、お作法に戸惑いまごまごするのが嫌だったのもあるし、そもそもおなかが全く空いていなかった。お昼に、「食い地獄」と呼ぶにふさわしいくらいたけのこ料理に胃袋を占拠され、食欲が全然なかったからだ。連れなんて、1/3くらいを残してお持ち帰りにしたくらいだ。

その連れが「しいたけ・・・食べたいなあ」などと言う。馬鹿を言え、まずはお前の鞄に入っているお持ち帰りの昼ご飯を平らげてからそんな寝言を言え。しかも、だめ押しで「イカもいいなあ」などと言う。

結局、おなかが空いてはいなかったものの「じゃあとりあえず、形だけ軽く炙ってみっか」という事にした。ええと、でもどうすりゃいいんだ。囲炉裏には炭も網も撤去されてるし。とりあえず囲炉裏端に座ったら、「ご注文はお決まりでしょうか」と注文を取りに来る・・・訳はないよなあ。

わからんのでフロントに「しいたけと、イカください」と言ったら話が通じた。どうやらオーダーは宿のフロントにするらしい。さっき「入浴、大人二人」と言ったフロントで、1時間後にはイカだの椎茸だの言っているというのはなんとも不思議な光景だ。

お代はその場でニコニコ現金払い。後は囲炉裏に座っていれば、厨房から食材を届けてくれる。また、食材をオーダーした時点で囲炉裏に炭と網を持ってきてくれた。

なお、食材持ち込みの人は単にフロントに「こっちに炭と網持ってきてください」と言えばそれで話が通じるようだ。

届けられましたるは、椎茸400円といか一夜干し400円。イカは冷凍ものだ。さすがに房総半島の宿とはいえ、採れたてのイカをアナタに!というわけにはいかんかったらしい。こんな外来入浴客相手で、新鮮な食材を常に安定供給するのはどだい無理な話だ。ただし、イカは結構デカい。というか、相当デカい。

何だか本格的になってきたぞ

イカの足がぺたんと折れていたので、網で焼く際に広げようとしたが失敗。かちかちに固まっている。永久凍土で何十年も凍らせたようだ。イカの足を全開にするのは後回しにしよう。

イカに目がいきがちだが、椎茸も相当でかい傘を誇っている。椎茸4枚とイカ一枚で網の上がいっぱいになってしまった。

調子に乗ってサバも買う
サバのでけぇことでけぇこと

この光景に興奮してしまったおかでんは、胃袋の都合を全く考慮せずに新しいオーダーをしてしまった。

こちらは鯖。大さば開き、450円。見ろ、このデカさを。こんなデカい鯖、スーパーの鮮魚コーナー程度では見かけることはまず無いと思う。立派に育ったものだと感慨深い。うそだけど。

これまたかちかちの冷凍。鰹節のような堅さだ。この鯖を鈍器として人を殺す事は可能だろう。で、警察がやってきた時には鯖は解凍済みでへろへろになっているので、犯行がばれないというすてきなミステリー。しかし、「どうも鈍器で殴られた箇所がサバ臭い」ということからすぐに犯行手口がばれて御用、というオチが待っているが。

よせばいいのにほっけも
鶏もも肉の串焼き

調子に乗ってしまうと一気にオーダーをしてしまう悪い癖が。

写真上はほっけひらき350円、写真下はジャンボ地鶏やきとり350円。

明らかにやりすぎた。まさかこんなにデカい奴がくるとは思っていなかったという事もあるが、仮に魚が小さかったとしてもやっぱりやりすぎには変わりない。

何だか大げさな事になってきた

焼き物でいっぱいになってしまった網。

結局一度に全てのものを焼くわけにはいかず、二度に分けて焼くことになった。

何しろ、ガッチガチに凍結している魚を炙ろうというのだ、そう簡単に香ばしくおいしく焼ける訳がない。まずは解凍するというプロセスだけで、それなりの時間がかかる。

さて困った事が一つ。なんと箸が無いのだった。連れは、お昼ご飯のお持ち帰り時に箸も一緒に包んでいたので問題無かったが、こちらには箸がない。このお店、あくまでも「食材を売っている」だけであって、飲食を提供しているという意識はあまりないのかもしれない。基本、自分で持ち込んで解決しろや、というスタンスのようだ。

フロントの人にお願いし、結果的に箸を頂くことができたが、言わないと出てこないというのがこの宿の流儀。これはこれで面白い。

乗り切らないので二回にわけて焼く

焼き上がったイカを、はさみで刻んではいどうぞ。

これを見た段階で、「しまった、イカだけでも結構な量だったな」とあらためて後悔。おい、今焼いているほっけやサバどうすんのよ。

調味料は、卓上に醤油と塩胡椒が置いてある。これはご自由にお使いくださいとなっているのがありがたい。ここで囲炉裏宴会をやることが最初から決まっているなら、七味なりマヨネーズなりを持ち込むと尚良しだろう。

お味噌汁とご飯も注文できる

焼きたての魚は美味いのぅ。

一人暮らしをしていると、キッチンのコンロがインチキ電熱機しかなく、魚がまともに焼けないんよ。だから、焼き魚には渇望している。居酒屋ランチなんぞで焼き魚定食は存在するが、ピーク時故に焼きためしたものが出てきて、しなっとしていてがっかり、ボクの気持ちもしなっとしてしまうこと多々。しまいには、お前これ焼き魚じゃなくて蒸し魚じゃないか?というような奴が出てくることがある。特に鮭。焼き目がついていない魚を焼き魚とは認めん。

とかなんとか思いつつ魚を食べるが、さすがに塩辛い。単品で魚をたべるとこんなに塩分濃度が高いとは。慌てて、ご飯とおみそ汁を追加注文した。ご飯は200円、みそ汁150円。うへー、高い。魚類が廉価であることを考えると結構な値段だ。でも白米こそが日本人の食の要だからなあ。高くても外せないぜ。理想は自宅からご飯を持ち込み、だな。なんならその場で飯ごうを使って炭火炊きしてもいいや。

テンションあがる色だなあ

炭火焼きならではの良い色に焼けている魚たち。

とはいえ、さすがに冷凍品をそのまま炭火にあてているため、魚の焼き方としてはあまりよろしくない。溶けて火が通り始めている表面と、中の凍っている部分があるので上手く焼けないからだ。

まあ、それが嫌なら自宅から納得のいく食材を持ち込んで宴会をやると良いだろう。朝釣りに出かけ、その釣果をひっさげてここでお披露目会をやっても良かろう。なに、坊主でも大丈夫。食材はこの宿で全く不自由なく調達可能だからだ。なんて使い勝手が良いんだ、この宿は。

鉄板で焼きそばを焼き始めた人がいた。驚き

「しまった、食べ過ぎた」「イカと椎茸以外は知らないよ。後はおかでんが勝手に頼んだものだからね」「いやまあそうだけど」

などと言いながら、満腹のおなかをさすりつつ宿を後にした。その頃、囲炉裏の片隅ではまた別のお客さんが派手に調理を開始していた。

ええ?良く見ると鉄板だ。お店の人が何か板みたいなものを運び込んでいたなあ、とは思っていたのだが、何とアウトドア用鉄板なのだった。その上で、焼きそばを大量に焼いとる。一体どこまでユーザーフレンドリーなんだ、この宿は。

全く、最初から最後まで驚きっぱなしの七里川温泉だった。偶然ここで囲炉裏料理を食べるのはもったいない。必然で、事前に食材を仕込んだ上でここを再度訪れてみたいものだ。ただし昼時は混むだろうなあ。食材を両手に抱えて宿に着いたはいいが、囲炉裏がいっぱいで何もできずに立ちつくす俺様、というのは非常に悲しい光景だ。

なおこの宿、チラシによると素泊まりもできるらしい。4,950円と結構安い。素泊まりにして、食事はこの囲炉裏で何か炙るというのは十分楽しい選択肢だろう。また、朝食だけは宿のものにすると朝が楽だ。これで5,950円。二食付きになると6,950円から10,950円と幅があるが、恐らく高いのになると伊勢海老なんぞが出てくるんだろう。食材の差だと思われる。興味がある方、お試しください。「癒し」だとか「くつろぎ」という世界とは違うし、女性ははっきり言って嫌がると思う。煙くて臭いがしみつくから。ついでに、色気もへったくれもない施設だから。しかし、熱く語らい、魚を炙り、酒を酌み交わし、温泉につかるというこの宿はなかなかに貴重だ。気が合う仲間がそろえば、ぜひ行ってみる事をお奨めする。

(2009.04.19)

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