大盛1,300円/特盛3,500円

蘭州外観

最近、外食する機会がめったに減ってしまったので、急に「今日は外食だよ」と決めた直後はとても困惑する。外食慣れしていないのだ。

その結果、ガツンとした食べ応えのある料理を出すお店での食事機会が増えた気がする。「蕎麦をつるつるッと手繰っておしまい」だとあっけないので、「折角の外食だから、驚きや興奮が欲しい」と思い、ついつい大盛りのお店に足が向いてしまうからだ。

この日、銀座に用事があったのだが、さすがに日本一の地価の街・銀座に「ガツンとした店」があるとは思えなかった。ハイソなマダムがそのようなお下品なものをお楽しみあそばすとは思えないし、そもそも店の賃料を料理代に転嫁した時点で「安くて盛りが良い」というのは無理だ。「自分の土地&年金生活の個人経営」でもなければ、実現不可だと思う。

しかし、そんな地政学事情にもかかわらず、イイカンジにガツンしてくれるお店が東銀座にあるという。中華料理の「蘭州」というお店がそれだ。どんなものか、事前情報を殆ど仕入れないまま訪れてみた。

お店はJ-POWER(電源開発)の建物のすぐ脇にある。このエリアは昭和通りの東側に位置するので、銀座といってもメインとはいいがたい場所だ。しかし、住所はまごうことなき銀座。こんなところに、こんな中華料理店があるとはびっくりだ。フカヒレとか食べさせる高級料理店ではなく、もっとざっくりとした「街の中華屋さん」の雰囲気。きっと、昼時になるとJ-POWERをはじめとする近隣オフィスの社員が詰め掛けるのだろう。昔はこの近くに日産自動車の本社もあったし。

蘭州メニュー1

店頭にメニュー看板があったので、今更ながら予習しておく。

最近の僕は、極力事前情報を仕入れないようにしている。現地に赴いてからあれこれ悩んだり困惑するほうが楽しいからだ。今回も、営業時間とお店の住所を調べる程度にとどめてある。

「あー」

思わず声がでる。さすがに、「600円で肉野菜炒め定食」みたいな安さはない。場所が場所だけに当然だ。並ぶメニューの多くが1,000円の大台を超えている。

値段が高いだけあって、ボリュームはどれも二人前!だったりするのだろうか・・・いや、さすがにそれはないな。このお店には「大盛り」と「特盛り」があって、それを頼むと俄然お店がやる気を出す、と聞いている。ノーマル状態では普通の盛りだと思われる。

蘭州メニュー2

店内に入り、改めて卓上のランチメニューを見る。「全メニューの平均値をとったら概ね1,000円」といった風情。

いろいろあるけど、さてどうしよう?ランチで1,000円近くのお支払いともなれば、選ぶ立場として気合いが入る。はずれは引きたくない。

蘭州メニュー3

裏にもランチメニューがあった。

大盛りにして「うひょー、テンション上がるゥ」とやりたいので、大盛りっぷりをヒシヒシと体感できるスタイルがいい。となると、やっぱり丼だろうか?

丼ならばどれにしようか悩んだけど、メニューの先頭に記載してあった「肉ニラ玉丼 950円」を選んでみた。「メニューの先頭ということは、お店のおすすめに違いない」という勝手な決めつけだ。

特盛3,500円から

注文する際、「大盛で」と伝えておいた。卓上メニューには「大盛にすることもできる」という記載が見当たらず不安にさせられたが、店内の壁中に貼りめぐらされている短冊メニューをくまなくチェックしているうちに、「大盛+350円」という記述をかろうじて発見したのだった。

よかった、この「大盛り」のためにお店を訪れたのだから。

一方、さらに上を行くとされる「特盛」だが、さすがにこれは頼まなかった。特盛、と書かれた短冊はすぐに見つかったのだけど、その内容がびっくりだったからだ。

特盛 3,500円~

一気に値段アップだ。肉ニラ玉丼大盛が950円+350円=1,300円なのだが、それの3倍近い値段を払って、ようやく特盛となる。実際に大盛の3倍量が出るのだろうか?それとも「面白半分で頼んでるんじゃねーよ、食べ物をおもちゃにするやつは許さん」ということで「実質的には頼めないような、無茶な値付け」にしたのだろうか?

というわけで、お店の思惑通りに、僕は謹んで特盛を辞退して大盛と相成った。

肉ニラ玉丼、というのは食材だけ考えるとかなりお手頃なものだ。手に入りやすい。それが950円という段階でさすが銀座物価だと思うが、それにしても350円大盛というのが気になる。この手のお店の場合、100円増しくらいで大盛にできるのをよく見かけるが、350円とは。こいつぁ、かなり盛ってくるに違いない。

肉ニラ玉丼1

で、かなり盛ってきた、の図。

なんだこのステンレスの丼は。食べる時にスプーンとふれあってカシカシと音がする。元々何用の食器なんだろう。円卓宴会の際にスープを入れる器だろうか?

ええと、デカさがよく伝わらない?箸やおしぼりのサイズ、そしてお冷やが入ったグラスのサイズから察してくだせぇ。わざわざメジャーを持参して、幅何センチ、高さ何センチって計測するほどの趣味はないので。

元々の量がどれくらいなのかを知らないのだが、いずれにせよこれは「大盛」と名乗るに十分。大変に食べ応えがありそうで結構なことです。

肉ニラ玉丼2

具は潔いまでに肉ニラ玉丼だった。玉ねぎが入っているけど。

肉ニラ玉丼3

上げ底、といったらかわいそうだけど、このステンレスの丼には高台がついている。その下に受け皿付き。まるで「なみなみスープを注いで、決壊寸前のラーメン」のような扱いだ。別にこの受け皿は意味がなく、飾りでしかない。

・・・あれ。今気がついたけど、この受け皿を取り皿代わりにして食べてもよし、というお店側の配慮なのかもしれん。

いずれにせよ、丼の直径がかなり大きいのに加え、底もそれなりにある。ご飯の量は3合はあると思うけどどうだろうか。

これで1,300円。家でも作れそうな料理だけど、「家で作ったらもっと安く済む」なんていうのは無粋ってもんだ。そんなことを言い出したら、どの料理だってそうだ。こういうガッツリ料理を銀座の地で食べられることをありがたがろうじゃないかねキミい。

食べても食べても減らない、というほどの量ではない。当たり前だが、食べた分だけ減る。しかし、途中から味に飽きがきてしまったのは丼の宿命だ。ご飯の量が多いので、その深淵なる薄味白米に飽きてしまった。丼の上に具として炒り玉子が乗っているが、その調理に使った玉子一つを別にお取り置きしておき、後で玉子かけご飯にしたかったくらいだ。

食べ終わったらずっしりと胃袋に溜まった。非常にシンプルに、「丼の上にあったものが腹の中に移動した」という感じ。食べた感が満ちあふれており、一応はピースフルな気持ちになった。

それにしても大盛1,300円でこれ、となると、特盛3,500円~って一体どうなるのか。バケツにでも入れないと値段見合いにならないと思うけど、怖いもの見たさはある。でも、多分一生見る機会はないのだと思う。さすがに3,500円は払えない。

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