からあげ弁当が食べたくて

ランチボックス

住宅地の中に、いきなり「からあげ弁当」という看板があった。周囲は本当に普通の住宅街で、僕自身このあたりを通る機会はなかなかない。「えっ?今、『からあげ』って文字が見えたよな?」と通り過ぎた直後に気づいて振り向く・・・といった具合だ。それくらい、さりげない場所だし、お店自体がさりげない。

上の写真では、堂々とした店構えに見える。赤いひさしに「ランチボックス お弁当」と白い文字。ここがお弁当屋さんだということを高らかに謳っているのがわかる。「さりげない」だなんて大げさな。

だが、それはこういう写真を撮ろうとしたから撮れたものだ。店の入口が通りに面していないため、何の気なしに通り過ぎたら「からあげ弁当屋」だとしかわからない。いや、そもそもこんなところに商売をやっているお店があること自体不意打ちなので、「からあげ弁当」の看板でさえ唐突だ。

そんなお店なので、むしろとても印象に残っていた。こんな住宅地の中にある、個人経営とおぼしき弁当屋。しかも唐揚げ弁当の店だぞ?一度どんなものか、食べてみなくちゃ。実はとんでもない穴場かもしれないからな。

ひょっとしたら、唐揚げは1個あたりいくら、で、追加料金さえ払えば唐揚げを何個でも弁当箱に詰めてくれたりするのかも!想像が膨らむ。

店内の様子

ようやく機会があり、このお店を訪れてみた。もちろん、オーダーは「からあげ弁当」以外考えられない。そもそも、個人経営店だし、それしかメニューがないと思う。大中小、とサイズ選択くらいはあるかもしれないけど、もしそうなら迷わず「大」だ。

そんな余裕で店内に入ってみて、立ち尽くしてしまった。

壁にはびっちりとメニューの札があったからだ。あっ、やられた、からあげ弁当専門店じゃないぞここは!

右の壁、左の壁、そして正面の壁。壁一面にメニューが張り出されている。目移りする。どこから見てよいのやら。メニューは、あらゆるものがある。鮭とか肉じゃがとか。ええと、からあげ、からあげはどこだ。

探しても見つからない。

大いに焦った。メニューがたくさんあったという誤算からはすぐに立ち直れたが、それでもまだ僕は「文字通り看板メニューである『からあげ弁当』は目立つところ(左上端とか)に掲げられているにきまっている」と思っていた。しかしそこにあるのは、のり弁当。いや、お前違う。お前は違うから。

カウンターの中から、ご主人が「?」という顔でこちらを見ている。ああいや、すぐに決めるからッ!僕はあくまでも「どれも甲乙捨てがたく、目移りしている」だけだからッ!・・・とその視線から目をそらし、なおも「からあげ」の四文字を探す。

焦るとなかなか見つからないもので、もう途中で画面右上にある「ミックスフライ弁当」にしちゃおうかと諦めかけた。素早く写真を確認し、そのフライには唐揚げが含まれていないことを知りつつも。

からあげ弁当

さすがにこれ以上立ち尽くしていると見た目が悪いので、意を決して不本意なミックスフライ弁当を頼みそうになったところで・・・あった。からあげ弁当発見。500円。「ミ」の字まで言いかかっていたところを急きょ引っ込め、「からあげ」の言葉に置き換えることに成功。危ないところだった。

よく考えてみれば当たり前の話だ。住宅街の中にある個人経営の弁当屋さんだからこそ、多様なメニューを用意しないと商売にならない。「うちはからあげ弁当一本でやってるんでぃ」という職人気質じゃ、とてもじゃないけど喰っていけない。都心の繁華街ならまだしも。その点、完璧に読み誤っていた。まさか、弁当一つでこんなにオタオタするとは。

注文が入ってから揚げ始めた唐揚げはとても温かかった。大ぶりの鶏もも肉は3つ。これで500円。

うまいうまいと食べました。

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