タブレット連動型スケールでコーヒーを淹れる

acaiaのコーヒーデジタルスケールでコーヒーを淹れるようになったけど、アプリの使い方がよくわからない。

僕がTVで見たのは、「プロのお手本がタブレット画面にグラフで表示され、それを見ながらグラフをなぞるようにお湯を注いでいく」というものだった。グラフを丁寧になぞることができれば、あら不思議、素人でもプロっぽい味が再現できる、というもの。

人材確保が急務の喫茶店で、「見て覚えろ!」と若手に指導しているわけにもいかないので、こういうツールはありがたい・・・って、池袋の喫茶店「珈琲貴族」のマスターが語っていたっけ。

ちなみにこのお店、「ブレンドコーヒー」が1杯900円する。結構高い。そういう「高いコーヒーを出すお店」であっても、スマホで技術伝承をしているということに感心させられた。

そうだ、そのTV番組で、珈琲貴族のマスターにacaiaのデジタルスケールとタブレットアプリを薦めていた営業マン、確か「KEY COFFEE」の人だったぞ。

キーコーヒーといえば、喫茶店などの業務用コーヒーとしては上島珈琲と並んで超大手。キーコーヒーのサイトに行って調べてみよう。

すると、公式サイトを探していると、あったあった、タブレットアプリのダウンロードが。

https://www.keycoffee.co.jp/key_acaia/

「クオリティコントロールシステム」という名前らしい。acaiaと共同開発だというので、acaia公認というわけだ。

まさかダウンロードできるとは思っていなかった。キーコーヒーの豆を仕入れている、プロのお店向けのものだと思ったからだ。マジで?コーヒー文化普及のために、キーコーヒーが一般の人に向けひと肌脱いだってこと?善人すぎる。

番号を入れないといけない

これでプロのドリップを再現できる!みてろacaia!と勢い紺でアプリを起動してみた。acaiaの公式アプリを機能追加した、という雰囲気で、UIは大して変わらない。

・・・が。あれ?「まさにこれ!これが僕の探し求めていた機能だろう!?」と思ってポチった、「なぞり描き」というメニュー。すると、

コードを入力してください

KeyCoffeeが管理するコードを入力してなぞり描きを可能にしてください

というポップアップが表示された。

やられたッ!そういうことか。アプリはダウンロード可能だけど、「秘伝のタレ」ともいえる、ドリップレシピは内緒、ということか。そりゃそうだよな、当たり前だよな。

ガッカリしながら、それでも「お試し用サンプルコード」がどこかに転がっていないか、とキーコーヒーの公式サイト内を探してみたら、あった!サンプルどころか、そのものずばりのコードがちゃんと公式サイトに記載されていた。

大盤振る舞いだ、すごいじゃないか。震える手で(大げさ)、コードを入力する。

メニューがいろいろ

すると、レシピがずらーっと出てきた。キター。

キーコーヒーが教える、コーヒー豆やドリッパーごとのレシピが10以上並んでいた。「標準レシピ」のほかに「酸味を強調するレシピ」とか、「苦みを強調するレシピ」とかいろいろある。ほかにも、「流速6g/s」のように、お湯を一定に注ぐ練習をするためのモードもある。

あと、キーコーヒーのオンラインショップで売っている、数量限定の希少なコーヒー豆を使ったベストなレシピもある。レシピ一覧の最上段に載っている「ブルーマウンテン」なんて、200gで7,000円くらいで売られている代物だ。これは宝くじが当たっても、僕は買えないと思う。誰だこんな高級豆を買う人は。

レシピの中には、日本で広く普及している「カリタ」のドリッパーを使ったものもわずかに含まれているが、僕がいつも使っている「ハリオV60」はなく、ほとんどのレシピはキーコーヒーが推奨する独特な形状のドリッパー、「クリスタルドリッパー」によるものだ。そりゃそうだ、キーコーヒーが提供するアプリだもんな。

ちなみに、最初に入力した「コード」を自分のお店用に発行してもらえば、「自店舗で提供しているコーヒー専用のレシピ集」を作ることができるらしい。お店の人はうれしい機能だ。

そう!これが欲しかった機能

標準レシピを使って、コーヒーを淹れてみることにする。既存レシピを模倣することになるので、豆の量やお湯の量を自分なりにコントロールすることはできない。デフォルトで20グラムの豆に対して、お湯はその14倍=280ml。

まず最初に、グレーの色をした、河岸段丘のようなグラフが表示される。僕は、それを見ながら、グラフをなぞるようにドリッパーにお湯を注いでいくことになる。僕の淹れた結果が、ブルーのグラフ。

プロだと、最初の20秒で注湯、そこから20秒で蒸らし、その後3回の注湯を経て合計150秒で完成、というプロセスになっている。お湯を注ぐスピード(=傾斜の角度)は、毎回異なっていることがグラフからわかる。後半になるにつれて、遅くなる。

初回にしてはまあまあ、模倣できた部類だと思う。これは面白い。

ただし、「良いコーヒーをドリップしている」という気にとてもなれない。というのも、ドリッパーの方は全然見ていないで、ひたすらタブレットの画面を凝視しているからだ。注ぐお湯がドリッパーの中心を狙い撃ちできているのかどうかすら、怪しい。

これを何百回とやっていると、だんだん動作やタイミングが体に染みついてきて、最後はタブレットなんていらなくなるということなのだろう。延々と、タブレット頼みでは駄目だ。少なくともプロがそれじゃ、商売にならない。

記録を残すことができる

ドリップが終わると、そのドリップの感想を記録として残すことができる。写真も記録することができる。スターバックスのように、コーヒー豆の袋ラベルに凝ったイラストを採用しているお店なら、ラベルの写真を撮影しておくと良い記録になるだろう。

味の感想などを忘れないうちに書き留めておく。

なんども練習が必要

これは2回目のドリップの際のもの。

最初の、蒸らしのためのお湯を注ぐスピードが速くて、途中で慌てて手がぶれたことが如実にわかる。面白いもので、1回目と2回目では味が結構違った。じゃあ、その味の違いってどこに原因があるんだろうね?ということをこのグラフを見比べながら、確認することができる。

そういう知識が積み重なってくると、「今日は酸味が立つコーヒーを飲みたいから、お湯のスピードを変えよう」なんてことがアドリブでできるようになるのだろう。

そうなってみたいものだ。

平日朝は忙しくてなかなかハンドドリップができないけど、週末は当分の間、これで楽しもうと思う。

(2017.12.04)

【その後】
より、正確を期したかったのでアプリにたくさんなぞり書きサンプルが用意されている「クリスタルドリッパー」を買ってしまった・・・。

(2017.12.16)

1 2

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください