2003年だったかに日本でも始まった「オクトーバーフェスト」。
ドイツにおける秋のビール祭りを模倣したものだが、年々その規模は拡大の一途をたどっている。今じゃ、全国ツアーになっていて、春先から10日ほどの会期で全国を転々を回っている。
春なんぞに「オクトーバー」のお祭りをやるのは全く変なのだが、うまいビールが飲めればそれでいいか。
東京界隈では「やりすぎ」と言えるほど開催されていて、お台場、日比谷、駒沢、豊洲、大井、幕張、大井、芝、日比谷、お台場と行われている。
同じ場所で二回やっている場合もあり、正直むちゃくちゃだ。
1カ所10日開催と仮定した場合、年間100日ほどは東京近郊でオクトーバーフェストが開かれているという異常事態。
オクトーバーフェストはものすごく値段が高い。日本では殆ど流通しないドイツのビールを、生で取り寄せ、そのブランドオリジナルのジョッキで提供する。だから、ビールそのものが1,000円以上するものばかりだし、ジョッキのデポジット代も1,000円以上する。
つまり、一杯のビールを飲むだけでも2,000円以上はしてしまうという有様。
そして、ソーセージをはじめとするつまみ類も、激しく高い。3,000円を超えるメニューも平気で転がっているくらいだ。 それでも客がやってくるのは、今の日本、イベントを欲しているからなんだろう。
サッカーW杯の試合後に渋谷スクランブル交差点に人が群がるように、何か盛り上がるきっかけを常に人々は求めている。それはSNSの普及と切り離せないと思う。
最近、夏フェスがはやりだ。 でもあれは、音楽好きが増えたからではなく、単にイベントを楽しみたい「にわか」が増えたからだと言われている。 また、主催者側も昔のようにコアなファン向けだけではなく、にわかにも受けるような取り組みをするようになった。 にわかが世の中を(表面的に)動かす。それが顕著な21世紀。
そんな中、オクトーバーフェストも開催される。 楽しかった。僕はビールを全く飲まなかったけど、ノンアルコールビールでなんだか酔っ払ってしまった。
(2014.07.14)
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