ラーメンとあんみつが、こんなに合うなんて

二葉屋

東京都は荒川区、日暮里駅の東側に「日暮里繊維街」と呼ばれる通りがある。

その名の通り、昔は繊維問屋が多かったようで、今でも衣服やかばんなどに使える生地、ボタンやスナップといった装飾品を売るお店がたくさん並ぶ。

今風に、コスプレ用衣装を受注生産してくれるお店もあるようだ。僕も何か一着、作って貰いたいと思ってるのだけど、似合う/似合わない以前にアニメ漫画のキャラにそこまで愛着がない。それだとコスプレに対して失礼なので、実現に至っていない。

僕の体型なら、ジャイアンの格好とか、リュウ・ホセイの格好ならできるのかもしれないけど、今更その格好は数多くの人に使われすぎていてダメだ。

そんなエリア界隈に別件でうろついていて、お昼ご飯を食べることにした。

「食べるところがなくて困る」なんてことは、この飽食のご時世、東京界隈ではあり得ない。そのかわり、「食べるところが多すぎて決め手に欠ける」ということが発生する。今回もまさにそう。

えり好みをしていているうちに、繊維街の外れのほうまで来てしまった。

そこにあったのが、このお店。

ラーメン店・・・なのだろうか。

その割には、喫茶店っぽい店構えだ。

「あんみつ」というフラッグがぶら下がっているのも、喫茶店っぽい。

ちょうちんがあるので、居酒屋・・・?

そして、店名や建物の作りは、なんとなく昔からある酒屋さんっぽくもある。なんだこりゃ。

ごちゃごちゃしたメニュー

店頭のごちゃごちゃしたメニュー写真を見ると、どうやらラーメンのお店らしい。

「浅草開化楼特製麺」の木札が恥ずかしそうにこっちを見ている。あ、本格的にラーメンをやっているのだな。

ただし、こういう「なんでもありまっせ」系のラーメン店って、どうも食指が動かないものだ。「しょうゆ・味噌・塩・豚骨ラーメンなんでもあります!」というよりどりみどりなお店よりも、「うちは塩ラーメン一本で勝負しております。」というお店の方がうまそうに感じる。それと一緒だろう。

本当にうまいかどうかなんて、食べてみないとわからない。先入観はよくない。

あんみつとらぁめん

ただ、このお店の店頭メニューとか、文字の字体を見ていると、どうも微妙な印象。

味のある字体、といえるけど、「今時のラーメン屋でよく見かける、若干オラついた毛筆書体」とは違う。脱力系とでも言おうか。あんまり食欲はそそらない。

しかし、目が釘付けになって離れない。

というのは、「あんみつとらぁめんセット」という文字を発見してしまったからだ。

うわあ、なんという組み合わせなんだ。

ラーメンと杏仁豆腐の組み合わせだったとしても微妙なのに、あんみつとセットか。それはずいぶんとくどい。

なんでこんな組み合わせが出てくるんだ?

甘味独立メニュー

どうもこのお店は、「ラーメンを出しますけど、甘味もやってます。夜は居酒屋にもなります」という、三毛作くらいのスタイルでやっているお店らしい。あんみつだけでなく、甘味メニューをいくつもそろえているようだった。

とはいえ、いくらなんでもラーメンを食べたあとにあんみつを食べる気にはなれない。

せっかくだし、何かの縁だ。ここでラーメンは食べよう。しかし、あんみつ、お前はダメだ。いらない。

らぁめん

店内に入って、ネギラーメンでも頼もうと思って店員さんを呼んだ。

すると、店員さんがいきなり

「当店にはオススメが3つありまして・・・」

と語り出してびっくりした。

そしてその最初にオススメしたのが、「あんみつとらぁめんのセット」なのだった。

おすすめだったんか、お前!

もうね、圧倒ですよ。卒倒ですよ。

ここまで来て、「ねぎラーメン」を頼めるほど僕は意志が強いわけじゃない。参りました。「あんみつとらぁめんのセット」をお願いします。

あー、頼んじゃったよ。

しばらくして、届いたのがラーメン。

当たり前だけど、普通の状態。別にあんみつの具がトッピングされているわけではない。

あんみつとらぁめん

で、しばらくしたら、あんみつとアイスコーヒーが届けられた。

うわー、一気にシュールな絵になった。

このセットで780円+税というのは、東京価格としては安い。しかし、だからといってこれはちょっと。

あんみつのことは気になるけど、さすがにラーメンライスセットとはわけがちがう。「ラーメンをすすりつつ、あんみつを一口」なんて、絶対にやらんぞ?

シンプルなしょうゆラーメンを食べ、さて、あんみつを食す。

・・・なんだこりゃー。

わかってはいたけど、合わない。合うわけが、ない。

だって、あんみつの上にかかっているのは、コッテリと甘く、ねばっこい、黒蜜だぞ?

これまでの醤油ラーメンの余韻を120%消し去る、口に絡みつく黒蜜の甘さ。いくらアイスコーヒーが傍らにあるからといって、救われるわけではない。

お店を出たときには、あんみつを食べました、という記憶しか残らなかった。

これはすごいものを食べた、という気にはなったけど、「?」がいっぱいのお昼ご飯となった。

すしとパスタ

あんみつを食べたのち、日暮里駅方面に向かっていたら、こんな看板のお店を見つけた。

「すしとパスタ」

いやいやいや、もういいです。なんという組み合わせをしてるんですか。

(2019.01.22)