群林堂の豆大福を食べてしまうと、他の豆大福が物足りなくなってしまう

東京都豊島区、護国寺。大手の出版社が軒を連ねるエリアに小さな和菓子店がある。その名を「群林堂」という。

ここは豆大福が有名なお店で、「東京三大豆大福のひとつ」などと評するメディアもあるくらいだ。

ンな大げさな、と思って食べてみたら、そのあまりの美味しさに腰が抜けそうになった。それくらい、想像していたものと違う。

後生大事に持って帰ってから開封すると、柔らかい大福同士がくっつくやら潰れるやら、中のあんこがはみ出るやら大変なことになる。できることなら、買ってすぐに食べるのがよい。それが難しいなら、せめて写真撮影は買ってすぐにやろう。

この写真は、人生で初めて買った時に、すぐに撮影したものだ。確か、お店の前にある郵便ポストの上で撮影したものだ。このあと1個食べて腰を抜かし、「こんなすごいものならおすそ分けをしないと」と当時まだ関係が深くなりつつあったいし(=おかでんのパートナー)に2個あげたのが印象深い。

というのも、「すごい豆大福を見つけたんだけど、欲しい?」とこの日の夜にメッセンジャーを送り、22時過ぎに「欲しいです!」と返事が帰ってきて、24時前に僕の最寄り駅までやってきて、改札口で手渡して二言三言喋っただけで「じゃあさようなら」となったからだ。

わざわざ豆大福二個のために夜遅く電車に乗ってやってきたバイタリティと食欲に驚かされるし、24時過ぎにまた帰路に就き、翌朝8時半からの仕事に備えるというのもすごい。

それでも、いしからは大激賞の言葉を翌日頂いたので、声をかけて良かったと思う。その結果、彼女は今僕のパートナーとして一緒に暮らしている。

買った時点では、「3個買って、そのうち2個を自分用。1個をいし用」と想定していた。しかし深夜になって彼女が受け取りにくる、というものだからその迫力に圧倒されて2個をあげちゃった。

この豆大福を食べてギョッとするのが、まずその豆の硬さだ。「えっ、硬すぎない?」と一瞬疑うくらい、イメージしている豆大福よりも硬い。そしてぎっしり大福の中に詰まっている。でも、いったん「ははーん、この大福はこういう作りなんだな」と頭の混乱が落ち着くと、むしろこれくらい硬くないと物足りなくなってくる。世の中多くの豆大福が、ヘニャヘニャの食感に感じられてくる。

あんの甘さは控えめだ。なので一層、豆の主張が口の中で強い。「濡れ甘納豆」を食べたときの感覚に近い、というと語弊があるかもしれないが、そんな感じの食感と甘さだ。

あまりにうまいので、このお店は常に大行列だ。

行列に並んだら買える、といううちはまだいい。だいたい13時頃には売り切れてしまう。お店の営業時間情報を真に受けて昼下がりに買いに行ってもお店のシャッターが閉まっているので、早起きしてこのお店を目指す必要がある。そもそも、護国寺という場所は何か目的がないとたどり着かない場所だ。

並んでいるお客さんは、一目散に豆大福を買い求める。お土産として買う人が多く、10個などという単位で買っているので、目の前でみるみるうちに商品がなくなっていく。この勢いに押され、後続の人もつい多めに買ってしまう。まさに僕がそうだ。そのせいで、売り切れるのが早い。

この日、サイクリング途中に久しぶりに護国寺に立ち寄り、群林堂で豆大福を買うことができた。今食べると粉があちこちに付くので帰宅後に落ち着いて食べよう、ということになり、いしに「いいかい、絶対に安静で運んでくれよ。すぐに崩れるから」とお願いした。

帰宅後、いしがウキウキでこの豆大福を開封してみたら、やっぱりそこには原型を留めなくなりかかった豆大福があった。

(2022.05.03)

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