都会の喧騒から抜け出して、重たい雰囲気のカフェで心を癒す

夫婦でカフェに行く。

浅草からやや離れたところにあるお店で、目立った看板が出ているわけでもなく地味だ。個人経営の狭い喫茶店とは違い、それなりの店舗面積にもかかわらず、ひっそりとたたずんでいる。

僕は最近、飲食店探しを完全にGoogleマップに頼っている。長引くテレワークや子育てのせいで食に対するモチベーションが下がっているし、そもそも外出する意欲が低下している。なので、Googleマップをざっと眺め、「このあたりを今日はサイクリングしてみよう。何か良さそうなお店があるかな?」となんとなく探すことをやっている。

完全に、「目的地ありきのお店選び」だ。これまでのような「口コミ評価が高いお店に、わざわざ出かける」のは今の僕の趣味嗜好ではない。

というわけで、単に「浅草界隈をサイクリングした際に立ち寄りたい、気になるお店」ということでこのお店を訪れた。「from afar」というお店だ。

僕たちは店内のしっとりとした雰囲気に魅了された。濃い茶色の木材家具が多用されており、天井ぶち抜きで配管むき出しのぶっきらぼうな頭上とのギャップが際立つ。でも、ここは不思議と調和が取れている空間だ。

最近のトレンドとしてウッディな店舗が多い中、このような重たい雰囲気の店舗は少ない気がする。雰囲気を重たくすると、気軽に利用しづらい雰囲気になるからだろう。

会話は控えめにしてほしい、という注意書きが店に入ってすぐのところに掲示されていた。なるほど、心穏やかにしながら時間を過ごすための空間設計なのだろう。

注文と会計は入店時に行い、そのあと席に座るという流れになる。メニューを見ると、品数は多くないもののどれも美味しそうだった。僕たちはケーキと飲み物を注文をし、待っている間に、小さな声で会話を楽しんだ。周りは静かで、誰かが大声で話すことはなかった。そんな中、注文したドリンクとスイーツが運ばれてきた。見た目が美しく、味もおいしかった。

重厚な雰囲気のカフェは、最近では少なくなってきているかもしれないが、僕たちはその雰囲気を大変に楽しんだので、また訪れたい。このようなカフェは、ちょっとした隠れ家のような感覚だった。

本来なら、2歳児がいる僕らはこのお店を利用することが難しかっただろう。でもたまたまこの日、弊息子タケは不在だったため、僕ら夫婦だけで利用することができた。お陰で静かに、ひっそりとこの空間を楽しむことができた。

(2023.03.22)

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