イチゴだらけの食べ放題、その名も「クレイジーストロベリースイーツビュッフェ」に行く

のっちょさんから、インターコンチネンタル東京ベイホテルで「クレイジーストロベリースイーツビュッフェ」なる企画があると教えてもらった。2024年1月10日~3月5日までの期間限定だという。

最近、年明けのこの時期にバーンとイチゴをフューチャーしたスイーツを出すお店が増えた気がする。一昔前までのイチ語は、クリスマスケーキという打ち上げ花火一発で終わり、というイメージだったのに、もっと息が長い果物になった印象だ。

教えてもらった情報を調べてみると、税・サービス料込とはいえ4,500円というお値段に震えた。これはなかなかにお高い。だって、あくまでもスイーツビュッフェだからだ。時間は15時からのみ。なので、お昼ごはんでも夕ごはんでもない。

こんな出費をしてよいものだろうか?と逡巡したものの、「クレイジー」と自ら名乗るだけあってイチゴだらけのビュッフェメニューに僕は心が踊った。本当にイチゴづくしだったからだ。

ホテルは公式サイトでこう言っている。

旬のいちごに夢中(クレイジー)になれる、いちごづくしのブッフェが登場。バレンタイン気分を盛り上げるチョコレートと奏でるハーモニーをお愉しみいただけるラインナップでご提供します。

僕はそんなにイチゴに夢中なわけではない。でも、「いちごづくしのブッフェ」ならば夢中になれる気がする。そんなの、見たことがないからだ。

ファーストディッシュ
あまおうシュー・ア・ラ・クレーム ルージュソースを添えて

ガトー
■ガトー
フランボワーズとホワイトチョコレートのムース
あまおうとカシスのムース
ガトーショコラ
苺のゼリーと苺のレアチーズケーキ
苺とグロゼイユのムース
苺のパイ
カスタードクリームとババロアフレーズのケーキ
クッキー
アーモンドショコラ
絞りたてモンブラン

ベリーヌ&ガラスボール
■ベリーヌ
苺のべリーヌ
苺ジュレ
ヨーグルトパンナコッタ
■ガラスボール
苺のスープ

パフェ・アイスクリーム
■アイスクリーム
チョコレート
季節のアイスクリーム3種

カスタマイズコーナー
■シェフズスペシャルパフェ3種(いちご・チョコレート・ミルク)
■バッケン窯で焼き上げた シュークリームアイス
■チョコレートファウンテン(マシュマロ、焼き菓子)

デザートコーナー しぼりたて苺のモンブラン
料理長特製、目の前で絞り出すライブフレッシュモンブランは絹糸の様な細さで絞り出すことで、口の中でとろけるエアリーな食感を生み出します。
搾りたてのクリーミーなおいしさはお時間をおかずにお召し上がりください。

https://www.interconti-tokyo.com/clk/plan/clk-crazy-strawberry-dessert_2024.html より引用

これが全部イチゴで、これが全部食べ放題だというのだから恐れ入る。

お店に入る前に、仲間たちに「今日は何がお目当て?」と聞いてみたけど、お目当てもなにも、みんな「とりあえず食べられるものは全部」という意気込みなので聞いた意味があまりなかった。

ホテルのライブキッチンが会場。

ランチ営業とディナー営業の合間、15時から16時45分までがこのビュッフェの提供時間だ。そのため、予約を入れた人全員が15時ヨーイドンになる。結果的に、料理カウンターは大混雑だ。

今回体験して思ったが、料理カウンター前で並ぶのが嫌な人は、他の人と逆張りの動きをするに限る。

どういうことかというと、「スイーツではない料理をみんな最初に取りに行くので、まずはここが大混雑する。次に30分~1時間が経過した頃、スイーツコーナーが大混雑する。1時間半頃になると、コーヒーメーカーが大混雑する」という傾向があった。なので、「まずは小腹を満たしたいな」と思ったとしても、まずはいちごスイーツをコーヒーとともにしこたま食べ、甘い味にいい加減飽きた頃になってようやくしょっぱい料理コーナーに向かうのが良い、ということだ。

僕はあまりに平凡な人間なので、混んでいる方混んでいる方へとどんどん突撃していき、時間をずいぶんロスした。1時間30分もすればラストオーダーになるので、ちょっと急ぎ足で食べていかないと時間が足りなくなる。

テーブル上にはカトラリーが美しく並べられ、若干優雅な空間だ。だからこそ、食堂でメシを食うのと違ってゆったりとした時間の流れが欲しくなる。そうなると、1時間半というのは案外短いものだ。

料理長特性のしぼりたて苺のモンブラン。

食べた筈なんだけど、実はほとんど記憶に残っていない。

さすがインターコンチネンタルホテル。「お料理はカウンターにありますので、ご自由にお取りください。今から90分の時間制限ですので、えーと、16時半までにはお席を空けてくださいねー」などと無粋なことは言わない。

まずテーブルには、ファーストディッシュが提供される。

「あまおうシュー・ア・ラ・クレーム ルージュソースを添えて」という料理だそうだ。

店内の様子。

優雅な時間が過ごせるのはここまで。ここから先は、本当にゴチャゴチャした時間だった。情報量が多すぎて、結局殆ど記憶に残らなかったくらいだ。

何しろ、久しぶりに会う友人と一緒だ。「最近、どう?」という会話をするだけでも、情報量が多い。今回のような珍しいビュッフェに行く際は、懐かしい友人とは事前に居酒屋などで近況報告会を済ませておいたほうがいい。でないと、ビュッフェ料理に集中ができない。友人が大切だからこそ、なおさらだ。

そして弊息子タケ2歳。料理を取りに行ったり、店内を探検したり、テーブル上の料理をひっくり返しそうになったり、退屈してジタバタしたり。彼の面倒は殆どパートナーのいしが見てくれたのだけど、それでもチョロチョロと動き回る彼に気を取られっぱなしで、落ち着いて料理に集中できない。

さらに、似ているけど違う料理が数多くあるので、「どれを食べてどれをまだ食べていないんだっけ?」というのが訳がわからなくなり、頭がボンヤリしてくる。

料理カウンターは狭い。そこに全員おなじ時間からヨーイドンしたお客さんが集まるので、料理を取るのが大変だ。

僕は、料理の写真を撮る気が萎えた。お客さんの背中越しにカウンター上の料理写真を撮るのが面倒になったからだ。

確かに、イチゴイチゴイチゴ。さすがだ。

お客が手に取る取り皿は、しっかりとした磁器でかなり重たい。長時間持っていたくはない、と僕でさえ思う重たさなので、必然的に「食べたいスイーツ(や料理)の前に並ぶ」ことよりも「空いている場所においてある料理を取る」ようになってくる。

その結果、端から順に料理を取るということをしないために、「どの料理を取ったかどうか、わからなくなる」ということが後半になると頻発する。

感心するのが、サラダがカップに入っているということだ。ドレッシングも中に入っていて、シャカシャカとカップを振ってからそのまま食べる。お皿に出す必要がない。これはいい。

で、このサラダだけでも数種類あるので、どれにしようかと目移りする。ちなみに、イチゴ入りのサラダがあったので、僕はそれを選んだ。健康志向のいしは、最初にこのサラダを4種類くらいどっさりと持ってきて、草食動物のようにむしゃむしゃと葉っぱを食べていた。

なお、16時過ぎになると、板前さんがこのサラダカウンターの後ろに現れ、まな板を取り出してブリの切り身を刺身に切り分け始めた。どうやら、ディナー営業でこのサラダコーナーは刺身を提供する場所になるらしい。

甘いものを食べるようになったとはいえ、10年前までは一口たりとも甘いものを口にしたくない、という考えだった僕。なので、実はイチゴスイーツよりもパリパリチキンの方に興味があったりする。

気がついたら、最初に料理を取ってきて自分の席に並べた料理は、何一つスイーツがないお皿だった。完全にメシを食う気満々。

仲間たちを見ると、ここは性格が分かれるところだった。

「しょっぱいものも、甘いものも共存」ということで半々に盛り付けてくる冷静な人、今回はイチゴがメインだからとイチゴスイーツを主軸に持ってくる人、いろいろだ。その点僕はと言うと、パンやピザを取ってくるだけでなく、フライドポテトや唐揚げまでゲットしてきているのだからお子様舌だ。

眼の前で、弊息子が嬉しそうに大好物の鶏の唐揚げを取っているのを見て、父親である僕はついその姿に釣られてしまった。

「あまおうシュー・ア・ラ・クレーム ルージュソースを添えて」。

細長いスティック状のものはシュー生地で、その上にいちごのクリームがのせられている。

この料理と、ウェルカムドリンク1杯がサーブされる。お酒を飲む人はスパークリングワイン、飲まない人はノンアルコールのドリンク。ドリンクバーも用意されているのだけど、わざわざフルートグラスにドリンクをサーブしてもらえるのはリッチな気分になる。

二巡目になって、ようやく「これではいけない」と我に返り、いちごのスイーツ方面に手を出したところ。

でも、まだしょっぱいものに対する未練がたっぷりで、お皿左上にはチーズの盛り合わせがある。食べかけの状態ではっと気がついて写真を撮ったので、ちょっと汚いけれど。

これは何巡目だろうか。コーヒーを飲んでいるところから、「もうお店は終わりだよ」という雰囲気が出てきてからの、最後の一皿だと思う。

食べていて思った。10種類をゆうに超えるイチゴのスイーツ、とても楽しかった。でも、「変化に富んでいた」という実感はあまり感じなかった。どれも美味しいので満足しているのだけれど、食べていてだんだんそれぞれのスイーツが似ているような感覚になってくえるからだ。

生のイチゴそのものがもっと全面に出ているならともかく、ムースになったり生クリームと合わさったりしていて、加工されたイチゴが多かった。そのせいで、「見た目や調理法は違っても、なんとなくどれも似たような感じ」という印象に落ち着いてしまったのだと思う。

でも、それはイチゴという単一素材を延々とひたすら食べる企画なのだから当然といえば当然だ。イチゴかと思ったらブドウの味がしたら大変だ。イチゴは当然イチゴの味がする。

当たり前だけど、「イチゴばっかりだと飽きる」という結論に達した食べ放題だった。でも、それくらいイチゴのスイーツを食べたことがこれまであったか?いや、一度もない。今後もあるか?多分なかなかそんな機会はない。だからこそ、今回の企画はとても楽しめた。

お値段は高かったけど、こういうエッジの立った企画には今後も参加してみたい。でもなー、今んとこはまだ子どもの料金を取られていないんだけど、もうすぐ子どもも有料になるからなー。お金が嵩むようになるなぁ。

(2024.01.27)

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください