我が家が愛してやまないパン屋さんに、「ペニーレイン」というお店がある。那須高原にあるお店で、名前のとおりビートルズを前面に打ち出したお店だ。
このお店に限って言うと、僕らは長蛇の列を厭わないし、サイフの紐がユルユルになる。人混みをとても嫌う僕でさえ、そうなる魅力がこのお店にある。
那須まで行かなくても、ペニーレインは支店がいくつかある。つくばや宇都宮など、関東北部に集中しているのだが、そのうちの一つ・柏のペニーレインに行ってみることにした。
柏?知らない土地ではないのだが、ペニーレインなんてあったっけ?と不思議に思ったが、T-SITE(蔦屋書店がメインテナントの商業施設)の一角に入店しているらしい。
そうやって柏に行くことを決めた際、地図を眺めていたら柏インターすぐ脇にもつ煮込み屋があることに気がついた。しかも高評価の。
「噂の太郎」という名前のお店だった。
最近の我が家は、すっかりもつ煮込みを食べる頻度が上がっている。弊息子タケが煮込みをすごく気に入っていて、「煮込み食べたい」としきりにぼやくからだ。
彼がよく行く、地元のスポーツセンターに向かう道中に煮込みを売っているお店があって、その脇を通り過ぎることで刷り込みが行われたらしい。
店頭の大きな鉄鍋で煮ている煮込みは、夕方になると売り切れる。買おうとしても買えないことが多かった。スポーツセンターに向かうときは売っていたのに、帰るときは売り切れていた、というのはザラだ。そんな「惜しい経験」をしていると、3歳児にとって煮込みは貴重な存在・崇高な存在だと思えてくるらしい。
で、子どもが食べたがるものは、親にも伝播する。子どもと一緒に親も食べることになるからだ。そして、子どもが喜んで食べている様子を見ると、親としては嬉しいので「じゃあ、今度また煮込みを買ってこよう」と思うようになる。
その結果が、「柏にもつ煮込み屋さんがある?じゃあ、買ってこよう!」という展開だ。
常磐自動車道のインター出口脇にお店があるため、とてもトリッキーな場所だ。歩いて行くのはかなり困難だし、車で来ても駐車スペースがとても少ない。路駐をするとすぐに通報されるらしいので、地味に難易度が高い場所だ。
「もつ煮込みだから料理の提供が早いし、男性客が多いので食べるのも早い。客の回転が早いから大丈夫」という意見もあるが、だとしても長い行列なのでそれなりの時間がかかる。若干やましいところに車を停めている人は、気が気じゃないようでしきりに振り返って自分の車を確認していた。
店内で食べることもできるが、煮込みをお持ち帰りすることもできる。もつ煮定食なんて、所詮「もつ煮と、ご飯と、味噌汁と、お漬物」だ。だから、家で食べたってお店で食べたって大差はない。とはいえ、店で食べるもつ煮って、僕は大好きだ。大きめの茶碗に盛られたご飯をガブガブと食べながら塩辛いもつ煮を食べるのは、至福。
なお、お持ち帰りをしている人達は、段ボール箱いっぱいに煮込みを詰め込んでいたりする。おそらく10人前くらいを持ち帰るのはザラな世界らしい。
煮込定食両方大盛、1,050円。
煮込定食は950円で、ご飯と煮込みの両方が大盛りになると「両方大盛」と呼び、+100円で1,050円。
もつ煮の定食といえば、群馬県の「永井食堂」がとくに有名で僕ら家族も大好きだが、それと汁の味は類似性を感じる。
ただ決定的に違うのが、もつのトロトロ度合いだ。刺身こんにゃくよりももっと食感が柔らかい。どうやったらここまで柔らかくできるのか?と驚くレベルだ。何かケミカルな液にでも漬け込んだのかな?と思ってしまうくらい、柔らかい。「念入りに下ごしらえしました」という一言では納得できないくらい、柔らかい。だから美味しい。
なるほど、長い行列ができるわけだ。
えらく感心した僕は、わずか3日後に家族を帯同してこのお店を再訪し、煮込みをお持ち帰りにした。美味しい煮込みは、わざわざ遠方に行ってでも買う価値がある。そう思わせるモツだった。
(2024.11.21)
コメント
コメント一覧 (2件)
おかでんさん、はじめまして。
栃木県の佐野IC脇にも、似たようなロケーションかつ営業業態の「もつ煮屋 菜嘉村」というお店があります。
こちらの駐車スペースは余裕があります。
ina(栃木県民)さん>
はじめまして。情報提供、ありがとうございます。
地図を見たところ、佐野インター出たところだ。これは徒歩じゃあ無理そう。アウトレットから歩けないことはないけれど・・・アウトレットまでバスで行って、そこから歩くか・・・
朝9時半から営業しているのが良いですね。昼飯時を避けて、混まないうちにバババッと食べるのに良さそうです。さて、どうやって佐野に行こうか。
やっぱり美味しい煮込みって、具がシンプルなんですね。根野菜をあれこれ入れると味が濁るのでしょうか。