全国47都道府県をデザインの観点から紹介する季刊誌、「d47」の岡山編が発売となった。それを記念としての、岡山を取り上げた展覧会。
誌面で紹介された、岡山のいろいろなデザインが紹介されている。
岡山といえば、今の僕にとっては出身地の広島よりも詳しくなってしまった。広島在住だった両親が岡山県に移住したからだ(実家が岡山のため)。なので、ある程度僕の理解の範疇が、今回取り上げられているはずだ。どんなものが紹介されているだろうか。
廣榮堂のきびだんごのパッケージでおなじみ、五味太郎氏による「桃太郎」の鬼の絵が雑誌表紙と、この展覧会の入り口を飾る。
きびだんごは複数社から発売されているけれど、僕はいつもこの五味太郎デザインの「廣榮堂」のものを買っている。手堅い美味しさだ。食べ比べれば、もっと美味しい(というか、趣味にあう)きびだんごが見つかるかもしれない。でも、きびだんごを買うときは大抵大切な人たちへのお土産だ。ハズレを引きたくないので、廣榮堂一択になっている。
相変わらず、いろいろな岡山のものを集めてきている。
ただ、全体的な印象として、「なんでこんなものを見つけてきたんだ?」と着眼点に驚き、思わず笑ってしまうようなものはあまりなかった。昔は「スターバックスの紙カップ」みたいな、どこにでもあるようなものを敢えて展示してびっくりさせられたこともあったっけ。解説を読むと、「なるほどそういうことか」と納得するけれど、見た目はごく普通、というのが面白い。
多分、今回僕があまり驚かなかったのは、セレクトが手堅かったというよりも「岡山をある程度知ってますよ」という上から目線で展示をみて、「ふーん、これを選んだのね」と偉そうな立ち位置になっていたからだと思う。己の傲慢さをむしろ恥じるべきだ。
椅子とか食器とか並ぶ。
今回一番びっくりしたのが、白い備前焼というのがある、ということだ。
これは欲しい、と思ったが、かなり値段が高いので解体気持ちは持たないでおこう。
「旅館くらしき」の展示は、座椅子や倉敷緞通(だんつう)など。
倉敷緞通は、子供のころ「なんて野暮ったいデザインなんだ」と思っていたけど、柳宗悦に見いだされた金波織を芹澤銈介がデザインしたもので、大原孫三郎とも関連性があるという話を聞くと俄然欲しくなってきた。でも、今やこれを作れる人は1名しかおらず、完全受注生産なんだとか。い草と綿で作られているジャパニーズカーペットというのは興味深い。すまん、倉敷緞通を完全に舐めていた。
僕のパートナーは芹澤銈介と同じ出身校、ということもあるので、なにかの縁を感じる。しかし、理由をつけてえいやっとこれを買ってもいいのだけれど、渋いデザインを一体家のどこに配置するかは悩ましい。玄関マットは今の御時世いらないし、リビングに敷くのが合うかどうか。
まあ、せいぜい「いつか買うかも・・・?」と妄想していきたい。
(2020.11.20)
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