編集後記2025年6月期

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本当は、昔から今に至るまでの、サービスレベルの変化を驚きをもって文章にするつもりだった。ものすごい短期間で、矢継ぎ早に制度変更があったからだ。

文末に「我が家族は今後もこのお店を使い続ける」と書いていてそれは本心なのだけど、そういう取り繕いともとれる文章を入れておかないと気まずかった。

だから、せっかく文章を書いていてる途中だったけど、バッサリと途中を、しかも話の中核となる部分を削ってしまった。なんのためにこの記事を書いたのかわからないレベルで。

淡々と事実を列記すれば大丈夫だ、と思っていたのだけど、その「淡々と列記する」こと自体がお店に対するネガティブイメージを植え付けそうで、危なっかしかった。

単に僕は「飲食店を営むって大変だ!」ということが短期間に、端的にわかるケーススタディとしてこのお店を紹介したかったのだけど、僕のまとめ力だと無理だった。

今、ここで編集後記という場を使って改めてお店の変更点を列記しようとしたが、やっぱり書いてからその文章を消した。だめだだめだ、どうしてもうまく書けない。

内情を知っているわけではないので、「たまたま僕らが訪れたその時だけ」のことしか見聞きしていない。そういう但し書きをいちいちつけながら、お店のことを書くのは難しい。ということで、やっぱり書けない。

なんだろうな、「いきなり!ステーキ」に対する愛憎も何度か記事にしたけれど、ステーキ屋さんってのはそういう感情が湧きやすい業態なのかもしれない。愛!と憎!の両方が強く出るのかも。

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「へべれけ紀行」にするか「オカ・デウス」にするかちょっと悩んだ連載。

最近の僕の旅というのは、自身の趣味である登山を除けば「いかに弊息子に良質な体験をさせるか」という観点でしか考えていない。

お金をかけて海外に行くなんてことは、今のところ全く考えていない。現時点では彼の知識と記憶にほとんど寄与しないと思っているからだ。お金と時間の無駄。結構わが家は忙しいので、遠くに行く移動時間が惜しい。遠くにいくからには、彼がちゃんと後日「◯◯は楽しかったねえ」と一人で述懐できるような場所と内容でありたい。

たけのこ狩りは、行って楽しい、家に帰ってからも皮を剥いたり食べたりして楽しい、ということで彼の記憶に残りやすいイベントだ。こういう行事はどんどん取り入れていきたい。

親として何が残念って、せっかくお金をかけて行った場所でも、数日後の彼に「あのときどうだった?」と聞いたら「覚えてない」などと平然と言うことだ。だから、旅行に行く際は、彼に対して予習の時間を設け、さらに彼を無理やり発奮させて「◯◯に行ったら◯◯したい!」などと自発的動機づけを与え、さらには旅行から帰ったら振り返りの時間を用意することに決めた。

教育熱心だから、ではない。単に僕がケチくさいからだ。本当に、子どもに「覚えてない」「・・・ああ、そんなのもあったねえ」などと言われると、ガックリしてしまう。それを回避するために手間暇を惜しまない、というだけのことだ。

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2022年頃の旅行記を書いていることが多い「へべれけ紀行」だが、珍しく「たけのこ」に続いて「大井川鐵道」と2025年の出来事を書いている。

この乗り物に乗るためのコツや実態というのがいくつもあったので、いしが「早く記事にしたほうがいいですよ」と言うからだ。

実際は、端的かつエレガントに要約した「大井川鐵道に乗るにはどうすればよいか」という記事は世の中にたくさんあるだろうから、そっちを見たほうが早い。僕の長文を読んで、そこからヒントを得る人はいないと思う。

それでも、敢えて早めの連載開始にしたのは、数年後にこれを記事にしても全然役に立たない記事になっているかもしれないからだ。たとえば、川根温泉笹間渡から千頭までは台風被害で不通になっている、というのが2025年時点の状況だが、これが数年後には解消されているかもしれない。そうなると、この記事に出てくるようや苦労というか、バスに乗り換えるプロセスなんてのは読者にとって役にたたない。「へえ、そんな時代があったんだ」という程度だ。

ということで、早めの連載。

今月のBGM

最近、頭を使う仕事が増えてしまったのか、それとも「仕事や記事執筆の処理と、音楽視聴の処理を脳内でマルチタスク処理できなくなってきた」のかわからないが、BGMを聴くのが難しくなってしまった。無音のほうが集中できる。

あと、YouTubeの広告が結構エグくなってきて、せっかくBGMを楽しんでいても急にCMが入ってきて気が散る、ということが多い。音楽のサブスクサービスも使っているが、クラブDJMIXみたいなノンストップで1時間以上、気持ちよく音楽が流れ続けるものが見つからないので困る。探せばあるんだろうけど。

今月圧倒的に視聴したのは、これ。

5月に開催された新しいイベント、MUSIC AWARDS JAPAN 2025 のオープニングショーとして流れたムービー。

細野晴臣氏による開会メッセージのあと流れたものだ。

MUSIC AWARDS JAPANは日本におけるグラミー賞を目指す、ということで、年末のレコード大賞とは違ったものを作る気合いが入っている。初回ということで手探りな要素はあっただろうが、このムービーは驚愕した。なんじゃこりゃあああああ、と叫ぶレベルですごい。

僕は売れ筋の曲にほぼ興味がなく、学生時代は坂本龍一の曲をこよなく愛していた。その流れでYMOも愛聴していたのだが、今年のMUSIC AWARD JAPANはそのYMOの代表曲とも言えるRYDEENのアレンジ版が使われた。

RYDEEN自体は正直もう、YMO好きの僕でさえ「こすられすぎた曲」であり、今更これがピックアップされたからといって「うおおお!」とマニア的に喜ぶ気持ちにはならない。「出た!YMOの曲!RYDEEN!」と無邪気に喜んでいるのではなく、この映像と音楽のクオリティがすごくて大興奮しているのだった。

「日本の音楽とエンターテイメント、そしてその多様性はまだまだ凄い!」と日本国民(の主に若者?)に勇気を与えてくれる内容だった、と僕は評価している。そして、「ああ・・・こういう演出が2021年の東京オリンピック開幕式で見られたら良かったのになあ・・・」と日本の権力構造に改めて落胆し、失望させられる内容でもあった。

なので、喜び5割だけど、悲しみ5割(!)も感じてしまう、そんな喜怒哀楽が詰まった動画になっている。

内容は、見たことがない人のために解説しない。どういう内容かを知らないで見たほうが面白いから。

少子化対策って、実はこういう「日本SUGEEE」コンテンツにお金を使うことの方が効果的なんじゃないか?未来にポジティブな印象がない、というのも少子化を間接的に助長している要因だと思う。ただ、クールジャパン政策があまりうまくいっているように見えないことから、官主導でコンテンツ制作支援というのは難しいんだろうが。

びっくりしたといえば、これもびっくりした曲。BGMにはまったく不向きなので、趣旨が違うけど。

機動戦士ガンダムジークアクスくらいは嗜みとして見ている程度で、それ以外のアニメは全然疎い僕だが、このアニメオープニング曲はすごい。

聴いた瞬間、「えっ、音痴?」とびっくりしてしまう。音程がズレているからだ。でも商業ベースに乗る曲なのでそんなわけはない。

じゃあ、敢えて低い音から発生して、しゃくりあげて正しい音程に合わせる歌い方なのか・・・?と耳を澄ますが、そんなことはなくズレたままだ。

でも、時々ズレが戻ったりする。あっ、戻った!と思ったら、またズレる。そして音楽の最後はちゃんと音程が戻り、気持ちよく曲が終わる。なので、歌が下手で音程がズレているわけではなく、これが転調によるものだということがわかる。

いや、転調・・・でもないのか?演奏が転調しているのではなく、ボーカルだけが転調しているように聴こえる。

最初は「何だこの曲?」と思うのだが、曲の最後のカタルシスが素晴らしい。不思議に思って何度か聴いていると、だんだんこのズレが心地よくなってくる。そして、この曲は意識的に違和感を感じさせるように作られた緻密な曲だということに気づく。

ブルーノート(ジャズなどで、憂いのある雰囲気にするために敢えて半音程度音をずらすこと)が取り入れられているとか、12音階よりももっと細かく音階が使われている、とかいろいろこの曲について分析されていて、そういう記事やツイートを読むのも面白い。

シンガーがaikoなのだが、この人の歌唱力だからこそ成せる曲だと思う。これ、素人がカラオケで歌ったら、たぶん他の人は「下手くそだなー」としか思われないだろう。

ひさびさにすごい曲を聴いた。

(2025.07.01)

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