豆まきの裏側に迫る!日本の奇祭に隠された文化とは?

節分は、例年2月3日に行われ、「鬼を追い出し、福を招き入れる」縁起ものの行事だ。現代の常識に照らし合わせると奇祭の部類に入るかもしれないが、日本では昔から当たり前のように行われているため、全く違和感を感じることなく21世紀でもその文化が根付いている。

家庭レベルでは、炒った大豆を「鬼は外」という掛け声とともに屋外に撒き、悪いことが家に入ってこないように願う。

しかし、テレビの報道を見ると、大きな神社やお寺ではこの豆まきを集客のためのイベントとしていて、芸能人を招き、高いところから豆を撒くことをやっているようだ。

参拝客を鬼扱いしているように見えるが、実際は「祈祷を済ませた、ありがたい豆を参拝客におすそ分けする」という意味合いがある。

神社でもお寺でも行われる行事なので、日本の宗教がいかにごちゃまぜなのかがよくわかる。

この手のイベントは、とても大きくて有名なお寺や神社限定で行われるものだと思っていた。しかしこの日、たまたま立ち寄った小さな神社でも豆まきが行われていたので、人生初めて豆まきに参加してきた。

境内は物々しい雰囲気だった。かなりの数の警官が配置されていたためで、さらに消防署の人もいた。人が集まりすぎてトラブルが起きることを警戒したのだろう。

そして、参拝客もなにやら物々しい。みんな大きなビニール袋やトートバッグ、または紙袋を持参しているようで、豆を持ち帰るための準備をしている様子が伝わってくる。そのやる気に圧倒された。

しまった、僕だけ手ぶらじゃないか。パソコンが入ったビジネスバッグひとつしかなかったため、周囲から浮く格好だった。


予定時刻を過ぎても、豆まきは始まらなかった。まずは神社の拝殿で豆の祈祷が行われ、その後に豆まきが行われるようだ。

待つこと10分から15分ほどで、拝殿からスーツ姿の方々がたくさん出てきた。おそらく、この神社の氏子代表や地元の名士なのだろう。政治家もいるのかもしれないけれど、少なくとも僕が知っているような有名人はいなかった。

そして、ついに豆まきが始まった。小さなチャック付き袋に豆が20~30粒程度入ったものが壇上から撒かれ、拾った人が持ち帰りやすいような配慮がされていた。

そっか、バラバラな豆そのものがばら撒かれるわけではないのだな。それだったら、単にハトやカラスの餌になるだけで誰も拾わない。

主にその豆の小袋が配布されるのだけれど、時々すごいのも飛んでくる。お菓子を詰め合わせた大きな袋、カップ麺、その他諸々。デカいのが飛ぶと、おすそ分けを貰いに来た人たちはわっと色めく。

てっきり、みんな豆を一袋ずつゲットできたら帰るものだと思っていたが、そうではなかった。大きな袋を手にしている人は、豆一袋じゃ飽き足らず、もっとこっちに豆を撒いてくれ、お菓子をくれ、とおかわりを要求していた。へえ、そういうものなのか。

食べ物に群がる卑しい空間になるのかと思ったが、やってきた皆さんはみんな笑顔で楽しそうに豆を拾っている。お札がばらまかれているなら取り合いの喧嘩になるだろうが、そこまで必死になるほど豪華な商品というわけではない。だからか、柔らかい雰囲気に包まれながら、撒かれる豆やお菓子をキャッチしていたのが印象的だ。

ちなみに僕は豆のほかにラムネ数個をゲットして退却した。

(2023.02.03)

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