7月7日、七夕の日。
神社仏閣で「七夕まつり」をやっているというので、訪れてみた。
まずは神田明神。
商売繁盛を祈願する大小さまざまな企業が多く、1月はとても賑わう神社だ。どちらかというと御茶ノ水に近い場所にあるのだが、秋葉原方面に向けてとんでもなく長い行列ができる。
僕が以前いた職場でも、当時の親分が「神田明神に初詣祈祷に行こう」とか言い出してそれ以降毎年、幹部連中が揃ってお参りに行くようになった。こんなの、一旦やりだしたらやめるのが難しくなるからやめておけばいいのに・・・と僕は思うのだが、なんでこんなことをやるのか謎だ。そもそも、祈祷料もお守りのお金も、どういう勘定科目で決済を取ればよいのか、悩ましい。
そもそも、当時の僕は社員の多様化でイスラム教徒対応をどうするのか、など考えなくてはいけなかった。仕事納めで酒を伴う宴会をやる場合、イスラム教徒の新入社員をその場にいさせるわけにはいかない。幹事として企画立案や買い出しをすることもだめだ。そんなご時世なのに、なんで今さら神社にお参りにいくのか・・・と思ったものだ。
そんな神田明神が、7月7日は「七夕祭(成就祭)」をやるという。短冊に書いた願い事が叶うように、という祈祷をするのだそうで。そのお祭りは16時からだったので、直接お祭りを見ることはできなかったが午前中に神田明神を見に行った。
神社の拝殿両脇には、大きな笹。七夕ならではだ。
拝殿の中では、結婚式が営まれていた。僕ら夫婦も実際の神社で挙式をしているので、思わずその様子をじっと観察してしまった。
「あえて七夕の日を狙って式を挙げたのかな?」
「でも、織姫と彦星って一年に一回しか会えないから、縁起としてはどうなんだろう?」
夫婦でヒソヒソ話をする。
なお、僕らだが、神社の空き日程を考慮した結果仏滅に挙式をしている。まあ、神道式の挙式なので仏滅でもいいや、という判断だ。そもそも、六曜は仏教由来でさえないという話だし。
夜になって、今度は芝にある増上寺に行ってみた。
「七夕まつり 和紙キャンドルナイト」なるものが開催されているというからだ。
増上寺はお堂にプロジェクションマッピングを投影したりと、今風の演出に余念がないお寺として知られている。今回お寺に行って、「ああこれはさすがだな」と納得。
お堂に通じる階段に、びっしりとキャンドルが並べられている。しかも、川の流れのように波打って。
いかにも写真映えするように、設置されている。
もはや宗教も「映え」の世界なのか。
記念写真を撮った先に信仰心やらなんやらが芽生えればよいのだけど、単に「イエーイ」と写真を撮っておしまい、消費され忘却されおしまい、という気がする。諸行無常にもほどがある、と感じさせられた一幕だった。
(2024.07.07)
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