そば処 あずみ野 中央口橋上店(01)

2000年01月17日
【店舗数:009】【そば食:012】
東京都港区港南

天ぷらそば

常磐軒外観

まだそば経験はお子さま並だけど、立ち食いそばにはピンからキリまであるというのはわかってきた。いや、ピンといっても「しょせん立ち食い」。どうひっくり返ったところで手打ちそばの名店の味は出ないだろう。要するに、中の上レベルから下の下レベルまでに立ち食いそばは位置するのかな、という気がする。しかし、立ち食いそばという存在意義とその価格帯を考えるにつけ、たとえ「中の上」程度が「立ち食いそばのピン」であったとしても、許せるのではないか。ということで、「下の下」という地雷を巧みにかわしつつも「立ち食い界のピン」探しを始めることにした。

この「ピン」探し、なかなか難航しそうだというのは想像に難くない。一軒家のそば屋だったら、その外見や客足を見ることである程度の振るいをかけることができる。お店入り口脇のサンプルが埃だらけだったら、まずこのお店がおいしいということはないだろうし。しかし、立ち食いそばの場合はそこら辺の判断基準がよくわからない。これはもう、ロシアンルーレット的にチャレンジするしかあるまい。

さてそういう意気込みの元、入ったお店はJR品川駅コンコースにあるあずみ野という立ち食いそば屋だ。店から溢れそうになりながら、たくさんのおやじ共がそばをすすっているのがかいま見える。このお店、おやじエキスとそばのだしで相当濃ゆい空気になっている。チャレンジする価値は十分にあるお店だろう。早速天ぷらそばの食券を買って、店内に突入。

店内では、食券を持ったお父さん達が順番待ちで行列を作っていた。行列の先には、ひたすらつゆを注ぐおばちゃんの姿が。このおばちゃん、行列をさばくためにダイナミックに柄杓を振り回して丼のそばに出汁を注いでいた。まるでマシーンだ。背中にぜんまいがついているに違いない。しかしまあ、そのマシーンの前に行列を作っておそばを待つ人々ってのは、自分が卑屈な気持ちになってこれはこれで気持ちよいものであるな。

さて、肝心のおそばは、しっかりした麺で悪くない味わい。もっとへろへろのどうしようもないものかと危惧していたんだけど、どうしてどうして。手打ちそばの繊細なものとは似て非なるものだけど、これもまたそばとしてありかなと認識を新たにした。まあ、「立ち食い」という前提条件がつくからこそなんだけど。

かき揚げは、小麦粉がやや多めだけどたこのぶつ切りが入っていて美味。タマネギだらけのかき揚げと違って、「かさを増やしてまっせ」という印象を持たせない具だ。ちょっとうれしくなってかき揚げをもりもりと頂戴いたしました。

いや、それにしてもおなかいっぱいだ。この異様な満腹感は一体なんだろう。かき揚げのせいだろうか?家路が遠い・・・。

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