神田いなせ家(01)

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2000年01月19日
【店舗数:011】【そば食:014】
東京都港区芝

天ぷらそば

神田いなせ家外観

なんだかもやもやしてしまって、居心地が悪い。何がって、先ほどの謙徳のそばだ。まずいならまずいとばっさり切ってしまったほうがどんなにすっきりすることか。

「ああ、中途半端だ」とどかどかとお店の入っているビルを出ると、そこには立ち食いそば屋が。これ天啓なり、と急きょ本日二度目のそばタイムと相成ってしまった。

このそば屋、入り口に「打ち立て・ゆでたて・揚げ立て」なんてばかでかく書かれている。おお、こんなに堂々と書くからにはよっぽど自信があるんだろう。これは期待がもてそうだ。期待ができる=おいしければ万々歳だし、くそまずかったら思いっきりけなして、もやもやした今の気持ちがすっきりする、というどっちに転んでもいいシチュエーション。ターゲットにされたこのお店も不幸だが、ひとつ許して頂きたい。

さて、「揚げ立て」を標榜するからには、かき揚げそばを食べないと始まらないだろう。食券でかき揚げそばを買って入店・・・あれ、目の前にあるのは屋台なんかでホットドックを保温するためのガラス張り電熱器が。いやな予感がするぞ。しかも、よく見ると、そこにはたくさんのかき揚げやら天ぷらが鎮座しているではないか。こ、これは一体。

食券を差し出すと、店のおやじがおもむろにすでに丼に入っていたそばを振りざるに移し、熱湯に軽くつけてちゃっ、ちゃっ、ちゃっ。数秒後にはまた元のどんぶりにそばが戻っていた。「あっ、まさかそれをゆでたてと言うのではないだろうな」と視神経に入った情報が前頭葉に到達して危険信号を発する前に、保温器からかき揚げがつまみ出され、そばの上にどーん。こちらがびっくりしているうちに、あれよあれよでかき揚げそばの完成になってしまった。

これは、どう贔屓目に見ても「ゆでたて」ではないし、「揚げ立て」なわけがない。店の三大宣伝文句のうち二つが崩壊しているというのは一体どうしたことか。これが、立ち食いそば屋の姿なのだろうか。激しく失望してしまった。

ただ、味さえ旨ければその製造法なんて本来どうでもいい話。文句は味わってからにしなければ。ずずずっ。麺はしっかりしていて、コシがえらくしっかりしている。小麦粉が結構多めの配合なのかな、とは思ったが、おいしい。つゆは甘めで、辛く仕上げる江戸風そばとは違う。甘くておいしいなあ、なんて感じてしまった。味わいとしてはみりんっぽいとでもいうべきか。食べながらよくよく考えてみると、おでんのつゆを頂いているような感覚。

天ぷらはタマネギがメインで、少し焦げていた。揚げる温度が高すぎたか。ちょっと時間が立っていたせいか、油っぽくて残念。

うーん、僕が無知だからこうして仰天しているのだろうか。立ち食いそば業界においての「ゆでたて」とか「揚げ立て」の定義って一体なんなのだろう。真剣に悩んでしまった、そんな一食であったよ。



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