神田いなせ家(02)

2000年01月19日
【店舗数:—】【そば食:015】
東京都港区芝

ざるそば大盛り

お客さんとの打ち合わせの最中、先ほど食べたいなせ屋のそばの味が気になって仕方がなかった。口の中にかすかに残る甘いつゆの香りが、「さっきのそばはおいしかったのかどうか」と脳みそに訴えかけるのだ。よりにもよって、今日訪れた二軒のそば屋共においしかったのかおいしく無かったのか判断しかねるお店。ああ、いらいらする。

結局、いなせ屋のそばをもう一度食べることにした。今度はざるそばで挑戦だ。さっきは甘いつゆでそばそのものの味がよくわからなかったけど、ざるそばにすれば白黒はっきりするに違いない。

カウンターで、ざるそばの食券を渡す。受け取ったおやじさんはいきなりファミリーレストランでステーキが乗っかっているような木の平皿を取り出してきた。その気の皿には四角いくぼみがあり、ざるが敷いてあることからどうやらざるそば用のお皿らしい。楕円刑の鉄板が間違って乗っかっていたら、こりゃ100%ファミリーレストランのステーキだ。こんな器、初めて見た。予想外の攻撃に一瞬たじろいでしまった。

しかし、敵はさらに強者だった。ひるんでいて目をそらしている数秒の間に、ざるの上にそばが盛りつけられていたのだ。あっ、いつの間に!!前回、かき揚げそばを食べたときは麺の湯通しがあった。しかし、今回はどんなにおやじが早技師でマジシャンであったとしてもそんなことはできるわけがない。・・・ってことはあれですか、すでにゆでてある麺をそのまま、ってことですか。嗚呼。

出てきたそばは結構愉快だ。ファミレスステーキの土台みたいな木の板皿に、ざるが敷いてあってそばが盛りつけられている。その横は、ちょうど猪口と薬味用小皿が乗せられるように丸いくぼみが二つあいている。なるほどお行儀が良い。

一口すすろうとすると・・・うーん、やっぱり。そばが乾燥してしまい、麺同士がくっついていた。たぐるのにえらく体力がいる。何度も高々とたぐりあげ、麺がくっついていて適量にならないのであきらめて、また気を取り直してたぐって、の繰り返し。新手の筋力トレーニングか、これは。

でも、麺からはちゃんとそばの香りがして、決して小麦粉ばかりの悪い麺ではないようだ。絶妙のタイミングで食べることができれば、きっとおいしいんじゃないか。そんな感じはした。しかし、つゆが甘い。たぷたぷと麺をつゆに浸さないとおいしくない。しかし、悲しいことにつゆにそばを浸してしまうと、今度はそばの味がしなくなってしまう。ああ、悩ましい限りだ。

結局、二回にわたって食べた結論は「暖かいそばは結構いけるが、ざるそばはやめた方が無難」ってところだろうか。まあ、ただ単にタイミングが悪かっただけなのかもしれないけど・・・。