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越後本手打ちそば しんばし(01)

2000年01月30日
【店舗数:019】【そば食:028】
新潟県南魚沼郡湯沢町

そば団子、かけ、せいろ、熱燗

そばは、それほど市民権を得ている食べ物ではない。

いきなり何を言い出すか、あちこちにそば屋はあるし繁盛している店も多いじゃないか。いや、そういう意見はごもっとも。でも、少なくともワカモノの間ではそばってメジャーでありながらマイナーな食べ物なワケで。

そばではなかなか腹がいっぱいにならない。その割には値段がちと高い。あと、知ったかぶりした輩が「そばのおいしい食べ方はネ」と横で蘊蓄を延々と語る。ワカモノがそばに抱くイメージって、大体そんなところが相場だろう。

だから、僕みたいにそば屋に行きたくて行きたくてしょうがねぇ奴が友達と旅行に行った場合、「お昼はそばにしよう」と切り出すのはなかなか勇気のいる作業なんである。少なくとも、諸手を挙げてこのそば屋行きに賛意を表明する友達はごく稀だ。特に代替案もないし、否定するのも面倒だし、で結局「まあそば屋でいいんじゃないの」と落ち着く。そんな感じでそば屋行きは決まる。

しんばし外観

今回、越後湯沢にスキーで訪れているということで、事前に越後湯沢のそば屋を調べておいた。どうやら、「しんばし」というお店が有名らしい。ならば、そこに行くしかあるまい。

越後湯沢の駅から徒歩5分くらい。そこに「しんばし」はあった。お昼をやや過ぎた時間とはいえ、店の前にはスキー客とおぼしき人たちが数名、行列を作って順番待ちをしていた。こういうとき、そば屋行きを強烈にプッシュした僕としては気が気じゃない。「並ぶのもアレだし、別の店にしようぜ」って話になってしまったのでは今までの心労が水の泡。そうはさせじと「いやネ、でもそば屋のお客は回転が速いから、ネ、もうすぐだってば」なんてやや苦しいフォローに余念がない。

 しんばし内観

店の中には、カウンタがありその中で調理を行っていた。ラーメン屋みたいだ。いや、料理人が白衣を着ているから、天ぷら屋っぽいとも言えるか。

僕が抱くそば屋のイメージは、店の奥に厨房があってあまりお客様側にはオープンされていない、というのがあったのでちと驚いた。あと、料理人がたくさんいるのも新鮮だった。こぢんまりしたお店だったら、料理人を「ご主人」と呼べばまず間違いないけど、こうも多いと何て呼べばいいのかわからない。「板前さん」と呼ぶのも違うような気がするし。さすが、80人は入ろうかという広いお店だけある。

お酒のつまみになるようなものが無いか、と物色してみたら、舞茸天ぷらとにしんの煮付けがあった。いずれも1000円以上する。舞茸、激しく惹かれたけど1200円はさすがに払えないなあ、と断念。 さすがに観光地(しかもスキーシーズンがメイン)のお蕎麦屋という事でか、お酒のつまみがほとんどない。卵焼きや板わさといった定番すらおいていなかった。その変わりとして、そば団子なるものを注文してみた。

そば団子

出てきましたそば団子。って、これは・・・きな粉がかかっているじゃございませんか。そば団子って、そばがきみたいなものが出てくるかと思っていただけにびっくり仰天。認識が甘かった!

味は当然、甘い。お菓子だ、これは。お酒のつまみには当然なりっこない味。しかし・・・甘さはすれどそばの風味なし。そういう料理なんだろうか。

ああこれからどうやってお酒飲むのよ、おつまみないよ悲しいねえと一人落胆の色を隠さずに悶絶していたら、やってきました熱燗が。

熱燗

どぅわっ!何じゃ、こりゃ。徳利ではなく、木蓋付き鉄鍋で出てきたではないか。ひょっとして蓋を開けたら、もうもうと湯気を上げる芋煮が出てくるのでは・・・と思わずにはいられない、そんな姿だ。この必要以上の重厚さにしばし圧倒。

さすがに鉄鍋は重い。いっぱい、お猪口にお酒を注ごうとするだけでも腕に力がいる。そのお酒を飲むときは、「苦労して注いだお酒」って事でなんだかありがたい気持ちになってくる。ああ、ありがたやありがたや。お酒は越後湯沢の蔵元「白瀧酒造」(「上善如水」で有名ですな)のものがひととおりそろっていて、僕は「湊屋藤助」を頂いた(記憶曖昧)。幸いにも、お酒には突き出しとして高菜漬けみたいなものが添えられていたので、それをつまみに一献、また一献。2合で1050円。

せいろ

お酒を楽しんだ後、おもむろにかけそばとせいろそばを注文。注文する際に「かけを先にお願いしますね」と念を押しておいたんだけど、恐れたとおりやっぱりせいろが先に出てきた。なーんかそんな気がしてたんだよなあ。

しかも、せいろを食べている最中に、かけそばも到着。ああ、目の前でそばがどんどん伸びていくよ。悲しい、悲しい。

まあ、こういう観光地で混雑するお店において、そばが伸びるからこっちは後にしろ、とか食べ終わったのを見計らって出してくれ、というオーダーするのはワガママだとは思う。やはりオーダーの仕方に問題があったか。反省。

かけ

そばの味は・・・ふむ、それなりのお金を払ってるんだからこの程度かなっていう程度。つゆの香りが立ちすぎて、そばを殺していた。ここはフノリつなぎでそばを打っているという事だったけど、特に味の違いってのは分からなかった。

フノリつなぎのそばというのも名物だが、もう一つの名物といえばへぎそばだ。「へぎ」とは、木製の箱・・・というかトレイの事。これにそばをどかんと入れて、どかんとお客さんにだす。そういう料理らしい。隣のテーブルではそのへぎそばにチャレンジしていたが、長いへぎの中にこちょぼに盛られたそばがさざ波のように並んでいる様は壮観だった。ちなみに4人前で2000円強だったと記憶している。グループでこのお店にお邪魔した時、全員がせいろそばを食べたい!と言った場合はこのへぎそばに挑戦してみる価値はあるんではなかろうか。

さて、旅行が終わって東京に戻り、早速この「しんばし」を紹介している本を再確認してみた。すると、ここの名物は実はにしんそばと舞茸天ぷらであった事が判明。しまった!両方とも食べそこなってしまっていた!

教訓ですね、いくらマニュアル人間とか揶揄されようとも、事前に本やガイドブックで勉強しておいた方が良い。そうじゃないと、本当にいいものを体験しそこねてしまうから。

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