そば処 あずみ野 中央口橋上店(03)

2000年04月20日
【店舗数:—】【そば食:087】
東京都千代田区港南

天ぷらそば

品川駅の改札を通過したところにあずみ野はある。どうぞ、食べていってくださいと言わんばかりだ。JR資本が入っているNRE経営のあじさいの方が、よっぽど立地条件が悪い。品川駅コンコースにはいろいろな飲食店が軒を連ねていて、フードコートを形成しているがこのお店はその場所柄、メインダイニングな感じさえ受ける。

それにしても、なんで改札の中にこんなに飲食店を?と思う。改札の外にあるなら、近隣のビジネスマンなどの利用が期待できるだろう。しかし、改札の中に入っている以上は、JRのきっぷを買った人しか利用ができない。ああ、あれか。新横浜ラーメン博物館が入館料をとるのと一緒で、「食べたければ入場券を買え」というわけか。

と、変な納得をしてみたりする。

このあずみ野、よっぽど品川にて強固な既得権を持っているに違いないと思って調べてみたら、創業者の祖先はどうやら幕末の薩摩藩家老だったらしい。で、鉄道の推進に対する功績が認められて、鉄道大臣から品川駅における営業権が与えられたんだと。これが大正11年だというから、たいしたもんだ。既得権もなにも、地主みたいなもんだ。

これを調べていて、ふと気がついた。そういえば、駅構内にある居酒屋の名前が、「薩摩屋敷」だったなあ、と。ひょっとしたらこの薩摩藩家老の話と絡んでいるのかもしれない。駅構内に居酒屋とは何ともすてきだ、終電ギリギリまで飲んでいられる。終電出発1分前にお会計を済ませればOK。これは重宝しそうだ。

・・・絶対に、電車の中で寝てしまって乗り過ごすな。

おかでんはもっぱら、この薩摩屋敷は昼ご飯用として使っていて、地鶏カツ定食を食べるのが好きだ。

おい、あずみ野は?

ああ、そうだった、そっちが本題だった。で、あずみ野。

毎回訪問して思うのだが、カウンターのあちこちにおいてある七味入れ。あれ、ずっしりとしてやたらと重いんだよなあ。容器そのものはアルミなので、要するに中には七味がぎっしりと詰め込まれているということだ。いかに七味の消費が激しいか、という事なんだろう。(単純に頻繁に補充するのが面倒だから、という理由があるのかもしれないが)

確かに、周囲を見渡すと、ほぼ全ての人がおまじないのように七味をかけている。カウンターで自分の食べるポジションを確保し、荷物を足元に置き、なぜかじりっ、と足場を固めてからおもむろに七味に手を伸ばす。そして、しゃしゃしゃと蕎麦に投入。みなさん平均して、3回かけるって感じかな。立ち食い蕎麦には七味が必須なんだな、とあらためて実感したおかでんであった。おそらく、「今日から経費削減のため、当店では七味は配備しません」なんて掲示を店頭に張り出したら、お店の売り上げは2割くらい下がりそうだ。

おじさん達の七味さばきを眺めていたら、美しい七味のかけかたと汚い七味のかけかたがあることに気がついた。自分でやる分には全然意識していないが、他人の振り見て我が振り直せ、だ。

汚いやり方は、浅い角度から右下にむけて「ほいっ、ほいっ、ほいっ」とやるやり方。なんだか貧相だ。しかも、勢いのつけ方によって七味の飛距離が変わるので、時々どんぶりの縁を飛び越した場外ホームランがある。カウンターにぱらぱらと散らばった七味が、これまた郷愁を誘う。なんだか惨めなのでこのスタイルは美しくない。

逆に美しいのは、できるだけ急角度、垂直に近い角度で真上から真下にかけるやり方だ。豪快だし、七味は飛び散らないし言うこと無しだ。しかも、ちゃっ、ちゃっとかけるときに微妙に水平方面に位置をずらせば、思いのままにまんべんなく七味をかけることができる。美しい。ただし、手首をひねる形になるので、五十肩のオッチャンには相当苦しいスタイルといえる。しかし、ここはぜひ治療行為もかねて頑張ってもらいたいものだ。

今回食べた天ぷらは、なんだかじめっとした感じがしてあまりおいしくなかった。ちょっと食感がイヤだ。このお店のかき揚げはタコが入っているので、時と場合によっては水が出てきてしまいじめっとすることもある・・・のか?

それにしても、周囲の人たち、天玉そば食べている人が多かったなあ。ああ、夕食時だからちょっとリッチにした、ってことなのかもしれない。

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