さらし奈乃里(08)

2000年04月23日
【店舗数:—】【そば食:089】
東京都板橋区前野町

精進天ぷら、柴漬け、おかめそば、ビール、菊正宗

この日メニューを眺めていて、異変に気が付いた。「鴨汁せいろ」「鴨南蛮」がメニューから消えていたのだ。やはり季節限定ものだったのか。よく、蕎麦屋における鴨メニューは下に注意書きで(10月-4月限定)などと書かれているものだ。

しかし、このお店の場合はメニューそのものがさりげなく差し替えられていた。本来「鴨汁せいろ」が根城にしていたゾーンには、「鳥汁せいろ」という代替メニューが何食わぬ顔をして営業をしていた。最近、製造技術や流通の発展に伴い、食材の世界においては季節感乏しい事著しい。でも、肉の世界で季節感があるというのはやや意外だった。

考えてみれば「ぼたん鍋」なんて大抵冬だけの味覚だし、肉に季節感があるって決して珍しい事ではないんだよな。じゃあ、やっぱりダチョウ肉なんて温かい夏の方が美味いんだろうか、とかいろいろ妄想するが、ダチョウ肉って脂身が少ないので季節感ってない食べ物のような予感。

今日は、これから来る暑い夏に向けて、温かいお蕎麦を食い納めにすることにした。うんうんと唸った結果選んだのは、「おかめそば」だった。何だか、温かい蕎麦って値段高いッスね。かけそば以外、大抵夏目漱石さんのお世話にならないといけない価格帯だ。ま、種が蕎麦の上に乗っかるわけだから、高くて当然。ちなみにこのお店のおかめそばは、かまぼこ、しめじ、玉子焼き、ほうれん草、椎茸が乗っていた。それぞれの具がつゆを程良く吸い込んで、何とも至福の時。案外、お酒よりもビールの方が合うんじゃないか、と思った。

ビールと言えば、以前は置いてあった「銀河高原ビール」がずっと欠品中。どうやら再入荷の見込みは無いらしい。売れなかったのかもしれない。蕎麦屋には、小瓶でいいのでマイナー系のビール銘柄が一種類あれば非常にうれしいのだがね。やや残念。

メニューといえば、季節の変わり蕎麦が「桜葉切り」から「よもぎ切り」に切り替わっていた。月単位でチェンジするのかと思ったが、どうも二週間おきくらいで新メニューに切り替えているらしい。研究熱心なご主人だ。

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