甲子(05)

2000年10月21日
【店舗数:—】【そば食:123】
東京都練馬区栄町

飛竜頭、野菜天ぷら、そばみそ、もり、お酒

東長崎「休屋」から移動して、江古田「甲子」にやってきた。毎回、このお店の前に立ち、その蔵作りな店構えを見るとわくわくする。テーマパークに向かうような心境になる。今までいろいろな蕎麦屋にお邪魔したが、このお店ほど入店時に「にっこり」ほほえみながら入れる店は僕は他に知らない。

ただ、これはあくまでもおかでんに限った話であり、この文章を読んでいる読者に当てはまるものではないことは、あらかじめお断りしておく。ま、当たり前の話だが。恐らく、おかでんの場合、「無銭飲食をツケにしてもらった」という恐縮なでき事があったので、特にこのお店にいい印象を抱いているのだろう。

さて、今日の目的は、飛竜頭を再度食べることと、飛竜頭の写真を撮ることだ。以前このお店で飛竜頭を食べて、「へぇーっ、これが飛竜頭か!おいしい!」と感動したものだが、今回はその感動をデジタルカメラに焼き付けてやる。・・・日本語がオカシいな、デジタルカメラで撮影してやる、だな。フィルムカメラじゃないんだから、「焼き付け」てはいかん。

野菜の天ぷら

飛竜頭のほかに、野菜の天ぷらも酒肴として注文した。揚げ物ワールドとなってしまい、さすがに注文するときに悩んだ。揚げ物ばかり注文するなんて格好悪いぞ、おかでん、と自分に語りかける。でも、いつだったか、このお店で野菜天ぷらを食べていた老夫婦が「おいしーわぁ、おいしーわぁ」と絶賛していた事を思い出したので、注文せんわけにはいかんかったのだ。あんどんや灯籠の油を夜な夜なぴちゃぴちゃ舐める妖怪、って居たよなあ・・・と思いつつも、油っちい料理をダブルオーダー。

店員に、若いお姉さんがいた。ニューフェイスだ。しかし、このお店のトレードマークとして君臨しているもんぺおばちゃんは健在だ。相変わらずニコニコしながらぺたぺた音を立てて、料理を運んでいた。

野菜の天ぷらが先に来たので、頂いてみる。まずは紫蘇から。驚いた!かりっ!とやけにクリスピーなのだ。こんな天ぷらは初めてだ(筆者後注:決して珍しくはないのだが、この当時のおかでんにとっては斬新だった)。片面にだけ天ぷら粉をつけて揚げているからなのか、まるでスナック菓子のようにかりっ!さくっ!ワオ!・・・いや、最後のワオ、ってのはおかでんの感嘆詞です。別にそういう音が天ぷらからしたわけではないです。念のため。

ええと、何の話だっけか。

そうそう、天ぷら。このほかのしいたけやかぼちゃの天ぷらも、全てしゃきーんとした揚げっぷり。男前だぜ、アンタら。揚げすぎでもなく、こんなにきりりとした衣ができるのは、ははーんさては油だな。何か揚げ上がりがいい油を使っているに違いない。そういえば、ごま油の香りはするのだが、薄い。菜種油か何かを主体にしているのだろうか。

飛龍頭

「へー」とか「ほー」と、もっぱら「ハ行」の日本語で感嘆していたら、飛竜頭がやってきた。あっ、いかんいかん、早く天ぷらを食べてしまわないと。揚げ物は時間との勝負。へろへろになる前に食べないと。しかし、結局飛竜頭に手をつけた時には、既に飛竜頭がぐったりしはじめていた。ごめん、間に合わなかった。でも、やっぱり美味いんだよな、これが。時間が経ったことで、飛竜頭の油がつゆににじみ出して、このつゆがうまいうまい。これだけでご飯2杯はいける。お酒なら3杯はいける。

そばみそ

なんて、調子に乗っているうちに徳利が空になってしまった。3つめの徳利をオーダー。あわせて、蕎麦味噌も注文。おい、飲み過ぎだぞ。

このお店は、本を読みながら昼下がりのお酒を愉しむ、という事はあまりそぐわない。今回も、雑誌を持ち込んでゆっくりと読もうと思っていたのだが、どうしても集中できなかった。何が気を散らす原因かというと、店の雰囲気だ。高い天井が、こちらにお誘いをかけてくる。で、気が付いたら天井をほぉーっと見上げて、ぼんやりしてしまう。太い木の梁を見つめたり、高い天井からぶら下がっている裸電球を眺めたり。で、ぺたぺた歩くおばさんの足音があちこちに反響するさまを耳で楽しんだり。すごい癒し空間だと思う。

おそばを食べて、大満足で帰宅。しかし、さすがに飲み過ぎだ。案の定家に帰ってから二日酔いになってしまった。ああ気持ち悪い。

長寿庵外観

あれっ、長寿庵に行くって話は?

・・・あれだけ飲み食いして、これ以上胃袋に入るもんか。店の前で写真撮影だけして、素通りしました。また今度にでも。

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