戸隠奥社前食堂 なおすけ

2000年11月04日
【店舗数:062】【そば食:132】
長野県上水内郡戸隠村

ビール、ざるそば

戸隠神社奥社へと向かう

戸隠中心部に突入。中社の辺りは蕎麦屋が密集しているため、一体どこのお店にお邪魔するのが「勝ち組」なのかさっぱりわからない。事前に、いろいろな情報をつなぎ合わせて、「うずら家」「そばの実」というお店は好評を得ている事が分かった。

・・・朝11時過ぎ、この両店とも大行列。これには激しく驚いた。「神田まつや」で行列を作ったことはあるが、東京のお店だから納得もいく。しかし、ここは自然に取り囲まれた戸隠。まるで人気のラーメン店のように大行列だ。「うずら家」は、20人は下らない行列が伸びていたし、「そばの実」は30台分あるはずの駐車場に車がいっぱいで入らないありさま。自分一人だけでの旅なら、「並んででも食べる」という選択肢を採るだろうが、今回は連れが5名もいるため、断念。

うずら家の駐車場にあっけにとられながら車が進んでいくと、戸隠の中心地から完全に外れてしまった。あ、いかんいかん。行き過ぎだ。

でも、せっかく集落から外れついでに、ということで戸隠奥社への2kmにも及ぶ真っ直ぐな参道の入り口にある「奥社前食堂」で蕎麦を食べてみる事にした。

「一番戸隠の外れから、ざーっと攻めていくんだよ。全店制覇目指して」
「やめとけ、戸隠に一体どれだけ蕎麦屋があると思ってるんだ」
「じゃ、手分けして各自バラバラに」

むちゃな話をしつつ、お店に向かう。

奥社前食堂

それにしても、「奥社前食堂」という、まるでバス停か何かのよう名前だ。蕎麦屋にしては気合いが入っていない名前だが、店名だけでどこに所在しているのか分かるという、非常にわかりやすい名前だ。

参道入り口にあるということで、お食事どころというよりも土産物屋兼休憩所兼食堂、という位置づけのお店だった。

ぱっと見、失礼ながら美味そうな蕎麦が出てくるとは思えない。

奥社前食堂お品書き

「食堂」という名前がついているので、「焼き魚定食」とか「戸隠御膳」といった名前の料理が並んでいるのかと思ったが、店頭に置いてあったおしながきは「至って蕎麦屋」なラインナップだった。さすがは戸隠だ。ご飯物は「おにぎり」だけだった。

逆に、「蕎麦はあんまり好きじゃないんだよねえ」という観光客は困惑するかもしれない。「戸隠に遊びに来たんだけど、蕎麦は食べたくないんだよね、奥社前食堂、って名前だったら定食くらい置いてそう」って淡い期待でお店にやってきたら、実質は蕎麦屋で愕然、みたいな。

まあ、がっかりしないで、奥社でもお詣りしていきなはれ。

ドライバー以外はビールを飲む

でも、「蕎麦以外のものを・・・」という気分なのは、何も他人事ではなかった。参加していたアワレみ隊メンバーも、さすがに2日連続の蕎麦屋行脚で相当「蕎麦に飽き」がきていたようだ。次々と離脱者が発生した。

写真右は、蕎麦ではなくておでんを食べている人。

そばだんご

こちらは、そばだんご。350円。

天ぷら

天ぷらを食べる人も居た。こうなると、たんなる食べ歩きだ。蕎麦屋行脚する必然性がない。

かけそば

こちらはかけそば。

かけそば、といってもねぎときざみ海苔が上に載せられていた。

ざるそば

いろいろな料理に浮気するのは、蕎麦にいい加減食傷気味だったというベースに加え、「まだこの後も戸隠で蕎麦を食べる」ということを念頭に置いた体力温存策であり、即ち「このお店の蕎麦はそれほど美味そうではない」という判断が働いた結果だ。

そういう下馬評の中、ざるそばが到着した。6ボッチで750円。大盛りにすると100円増し。ノーマルの盛りでも、そこそこ量がある。

白い陶器の皿の上にざるが置いてある。薬味入れ、蕎麦猪口と比べて違和感がある。これはヤマザキのパンでシールを集めたらもらえるヤツでは、と思って吟味してみたが、どうやらそれではなさそうだ。こういうざっくばらん感も蕎麦がうまそうに見えない要因となっているわけだが。

まあ、ここまで書いていれば結論は分かると思うが、はっきり言って美味かったんである。「あれっ」というくらい、おいしかった。油断していたからこそ、余計においしく感じたのかもしれない。しかし、野太い味でしっかり味蕾を魅了したのは間違いない。蕎麦を食べていなかった仲間に、思わず「蕎麦食べた方が正解だったかもしれんよ」と声をかけてしまったくらいだ。

蕎麦というのは、えてして店の構えやシチュエーションといったものに左右される食べ物だ。その点、逆境を跳ね返して「ほほぅ」と言わしめたここの蕎麦は侮れないと思った。

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