さらし奈乃里(25)

2000年11月12日
【店舗数:—】【そば食:138】
東京都板橋区前野町

そば味噌、松茸の天ぷら、もり、生粉打ちそば、ビール、お酒

このお店は、来るたびに臨時メニューが変わっているのが楽しい。こじんまりとしたお店だといって侮ってはいけない。足繁く通う人にも、常に満足感を与えるだけの創意工夫がある。ホント、凄いと思う。なぜこんな良店がときわ台の、駅から15分以上かかる場所の、住宅地の中にあるのか不思議で仕方がない。

このお店の場合、蕎麦の食べ歩きが好きという人であっても、訪れる機会はまずないだろう。交通の便が悪い上に、車が入るのでさえ難儀する細い道の先にあるお店だからだ。

蕎麦味噌

今回は「そば味噌」がメニューとして登場していた。しゃもじの上にこんもりと盛られている。うわ、結構ボリュームあるなあ。普通の蕎麦味噌って、しゃもじの上に薄く「塗りつけてある」ものだが、このお店の場合「盛り上げてある」状態。これだけあれば、他の酒肴はいらねぇやって感じだ。

なめてみる。蕎麦が香り、おいしい。しかし、味噌が塩辛い。当たり前の話だが、辛い。見た目のボリュームにつられて、ついつい箸でひとすくいしてぺろっと食べてしまうのだが、当然の事ながらまんま味噌なもんで、辛さに悶絶してしまった。小指の先ほどで、お酒を頂くスタイルに変更。・・・しかし、それだといつまで経っても蕎麦味噌が減らない。出された料理を残すのは自分の信条に反するので、バランスに苦慮しながらなんとか完食。

松茸の天ぷら

臨時メニューとしてもう一つ、「松茸の天ぷら」が用意されていた。ほほぅ、松茸か。そりゃ秋っぽくていいじゃないか。こちらもオーダーしてみる。値段は600円。割と庶民的な価格で、これなら「酔った勢い」とか「清水の舞台から飛び降りる覚悟」は必要なくオーダーできる。ありがたい。

出てきた天ぷらは、1本まるごと使ったものだった。十字型に縦に包丁が入っていて、四等分されている。松茸の歯触りを楽しみながら、秋の味覚代表選手をかじる・・・かじる・・・歯触りが良すぎて、噛みきれない。仕方がないので、噛みきるのを断念して、一口でごっくん。ああっ、もったいない。香りは、ちょっと鼻炎気味だったためによく分からなかった。でも、松茸って香りだのなんだの言うけど、結局は秋の風物詩として「食べる」ことに意義があるという気がする。蕎麦みたいな庶民的なお値段の食べ物じゃないんだし、イベントとして「松茸を食らう」というわけだ。少なくとも、おかでんはそれで結構満足。

生粉打ちそば

今回、楽しみだったのは「生粉打ちそば」が臨時メニューとして組み込まれていたことだった。普通の蕎麦が新蕎麦シーズンになってダントツに美味くなっている昨今、生粉打ちなんて食べちゃった日にゃ、僕ぁどうすりゃいいの?って感じだ。さて。

・・・ええと、ぼそぼそした感じがするくらいで、見た目・味ともにあまり変わらなかったような気がする。やっぱり鼻炎の影響だろうか。いや、でも待て。普通のもりそばも対比の為に注文していたんだけど、こっちはもう、蕎麦蕎麦蕎麦!と味と香りを主張しやがって、もう愛おしいくらいに美味かった。どうしちゃったの?というくらい美味かった。生粉打ちは、まだその実力を出し切れていないのかもしれない。今後に期待、か?

お店のお姉さんに、「期間限定ですか?」と聞いてみたところ、やはり生粉打ちは今月限りのメニューらしい。「おいしかった」と伝えたら、「なんとか長く続けていけるように頑張る」とのことだった。ああウレシや。では今後もどんどん生粉打ちを食べていかないと。

もり

こちらは普通のもりそば。やや色が違うことがわかる。しばらくの間は、生粉打ちそばばかり食べることになるので、今回で当面はお別れ。さらばだ。