2000年11月23日
【店舗数:069】【そば食:141】
長野県上高井郡小布施町
あげそば、揚げ出し豆腐、ざるそば、冷酒、ビール
長野市街で2軒の蕎麦屋に入ったので、長野はもういいだろう。この日は宿をまだ決めていないのであてもない旅が可能だ。朝イチで買った「長野味本」を吟味し、長野から車でほど近い小布施に行ってみることにした。小布施地区では何軒か「長野味本」に蕎麦屋が掲載されていたが、一番シンプルかつ視覚に訴えかける美味そうな蕎麦の写真だった「つくし」をセレクト。
長野味本で、カラーの蕎麦写真を何十軒分も一度にずらずらと並べられると、非常に勉強になる。そして、「美味そうな蕎麦」と「大して美味そうではない蕎麦」というものがはっきりと見えてくる。それは、麺の色つやや太さ、というだけではなく、器のセンスであったり、机の材質であったり。カメラマンの技量によるところも大きいのだろうが・・・。
さてこの「つくし」だが、ちょっと探してしまった。しばらく小布施のあたりをうろうろし、ようやく発見。地味な作りだったので、素通りしてしまっていた。お店そのものは小布施駅から徒歩1分程度なので、非常に近い。
お店には、われわれしかお客が居なかった。善光寺の雑踏でばたばたしていたわれわれにとっては、随分と落ち着く。
落ち着くついでに、お酒を。
・・・やっぱり飲むんですか。
そういえば、善光寺界隈の2軒の蕎麦屋ともに、珍しくお酒を飲まなかったな。なんだか落ち着かなくて、飲む気になれなかった、というのが実情。このお店の場合、あれこれと清酒がラインナップされていた。「ぜひお酒とともに蕎麦を満喫して頂きたい。」というお店の意図がビシビシ感じられる。勝手にそう思いこんでいるだけだが。
お酒を頼むと、突き出しで昆布の煮物が出てきた。それから、「お茶請け」として浅漬けも。当たり前のように漬け物がでてくるのが面白い。戸隠でも出てきたけど、そういえば安曇野では出てこなかったな。長野市以北の文化なのだろうか。
東京では、漬け物は当たり前のように出てこない。
あげそばを頼んだら、ベビースターラーメン状態に砕かれた状態ではなく、鳥の巣みたいな固まりで出てきた。
とりあえず「アチョー」と叫んで真ん中に手刀を落とす。ばりばりばり。ああ、快感。梱包材の「ぷちぷち」を潰すのも快感だが、あげそばを砕くのもそれに勝る快感だ。
気持ちよいのだが、これは清酒のつまみというよりもビールだな。すいません、ビールください。
揚げ出し豆腐が出てきた頃にはビール満喫中。おっと、揚げ出し豆腐はビールよりも清酒のほうがあいそうだな。ええとご主人すいません、お酒を・・・
いや、もうやめときます。きりがない。
ざるそば。
600円だから、お値段は非常に良心的だ。やっぱり善光寺のお店は高い。
蕎麦はなかなかおいしかった。二口、三口食べたところで「おぅ、やっぱこれが蕎麦だよな。香り、喉ごし」と今日初めてのにっこり笑顔。「ということは、やっぱりさっきまでの2軒は・・・」
こちらは天ざる。1,200円だから安い。
これだけの値段で、なかなかな蕎麦が食べられるんだから幸せだ。お酒もいろいろ置いてあるし、近所にあったら重宝しそうな感じ。
ようやく蕎麦で心が潤った感じになり、「いや、良かったですな」「ああ」とお互い頷きながら店を後にした。
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