2001年02月11日
【店舗数:086】【そば食:165】
長野県小諸市古城
かき揚げ、ざるそば、お酒

「めぐりあい・蕎麦」こと信州蕎麦紀行3の企画も、はや二日目。別所温泉の朝風呂につかったのでさっぱりしたが、何となくまだ体中の毛細血管の中に蕎麦が漂っていそうな感じが残る。
今日も蕎麦食べ歩きだ。本日のテーマは、「小諸」。小諸の蕎麦を食べ歩こう。
とはいっても、きっちり宿の朝食を食べてしまった。朝からよく食べるなあ、僕ら。あっ、そうか、だから今日はズボンのベルトがちょっときついのか。
今頃になって「朝感じた違和感」に気づく。
今朝の一発目は、「草笛」という蕎麦屋だ。小諸では代表的なお店らしい。懐古園のすぐ脇にあるお店だ。・・・といっても、われわれは懐古園には見向きもしないで、そのまま草笛ののれんに突撃。あらためて、感心する。何やってるんだろう、僕ら、って。
いや、何やってる、も何も、蕎麦喰いにきてるんですけどね。
「せっかく小諸にきたのに、懐古園すら見ないのはもったいない」とか言われそうだけど、いやいや、「せっかく小諸にきたのに、おいしい蕎麦をいっぱい食べないのはもったいない」という思考回路ですからね、われわれ。
さてその草笛だが、朝の9時から営業しているというからオドロキだ。
「・・・立ち食い蕎麦屋?」
「馬鹿言っちゃいかん。そんなわけないだろう」
きっと朝早くから蕎麦打ちに精を出しているのだろう。ありがとうございます、おかげで僕ら、早い時間から蕎麦にありつくことができるってもんです。

とはいっても、朝から「さあ今日も蕎麦を食うぞぉ」と気合いが入りまくっているかといえば決してそういうわけでもない。さすがに、昨日の刀屋の精神的ダメージをいまだに引きずっている状況では、いきなり蕎麦!ダイレクトにもりそば!とは注文できない。
「・・・お酒、お願いします」
「やっぱりそう来たか」
「ついでにかき揚げも」
「かき揚げ?これは意外だった」
お酒を頼んで「やっぱりそうか」と言われるのも悔しかったので、かき揚げを注文してみたというわけだ。淡白な蕎麦もいいけど、いい加減醤油の風味にうんざりしてきそうだ。ちょっと毛色の違うモノを食べておこう、というわけだ。
待つことしばし、大きなかき揚げが届けられた。おお、立ち食い蕎麦屋みたいな雰囲気になってきたぞ。
「やっぱりこのお店は立ち・・・」
「それ以上余計なことを言うな」
シャットアウトされてしまった。大体、アンタら今席に座ってるじゃん。
まあ、冗談はさておき、揚げたてのかき揚げを頂きつつ、熱燗をきゅっと呑む。いいね、何だか時間も場所も、すっかり忘れてしまって、自分だけの世界に浸れるような気がする。
と、いうわけにはいかないのが懐古園すぐ脇の蕎麦屋の宿命。なんだか、ひっきりなしに人が出入りしていてあわただしい。しかも、この後団体さんがやってくる予定になっているらしく、奥のほうの席は全部「予約席」にされていた。おい、あれだけの席にどうやってお蕎麦を提供するんだ?ゆでがま、いくらあっても足りないような気がするけど。
ま、お昼時に来なくて良かった。とんでもない修羅場でお蕎麦を食べる羽目になっていたかもしれない。やっぱり、蕎麦屋を楽しむにはピーク時を外して、ゆっくり、まったりと。そして、傍らにはお酒を。

お蕎麦がやってきた。「ざるそば」だ。大きな桶に入ってやってきた。まるでそばがきでも入っていそうな器だ。
「何もそんなに大げさな容器じゃなくてもいいのにね」と思うが、実際のところさりげなく量が多めだ。やはり、この地域でも上田同様、蕎麦の量は多めがデフォルトらしい。
このお店は「もりそば」はメニューにない。「ざる」しかないので、海苔が蕎麦の上にかかっている。三人とも、蕎麦にありつく前に、まずは無言で海苔だけ食べる。蕎麦と一緒に食べると蕎麦の風味がわからなくなるからだ。
ムシャムシャ、という音が三人の口から聞こえる。何だか、飼い葉を食っているウマみたいだった。
さてお次は麺なのだが、刀屋同様に麺が太い。きしめんみたいな形になっている。そして、太さがところどころ不均衡だ。麺切りのテクニックが下手でこうなった、という感じではなさそうなので、わざとこのような麺にしたような印象がある。「太いほうが、食いでがあっていいでしょ?」という事なのだろうか。確かに、麺で太くなったところをカミカミすると、何だか得した気分になるし、幸せな気分になるな。

甘いモノが大好きなばばろあは、名物のクルミを食べて置かなくちゃー、といいながらくるみおはぎを注文していた。一つがけっこうでかいおはぎが3つ、ごろんごろんと登場。モフモフとばばろあは「食後のデザート」を満喫していた。
「確実に太るわ、わし」
と言いながら。まあ、そうだろうな。いまのうちから覚悟しておかなくちゃ。

食後、適度な腹の膨れ具合でぼんやりとするわれわれ。
さあ、小諸ステージ一発目はこれで終わり。まだまだ小諸探索は続く。次へ行くぞ、次へ。
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