丸泉 手打そば

2001年11月23日
【店舗数:099】【そば食:183】
長野県塩尻市洗馬太田

もりそば、小鳥のやきとり、笑亀

丸泉手打ちそば

富士見→諏訪→茅野と移動してきて、この日4軒目の蕎麦屋は塩尻だ。蕎麦キャラバン状態。朝10時から食べはじめているので、4軒目にもかかわらずまだ「おやつの時間」にすらなっていない。われわれ、「蕎麦を食べよう」という思いつきで長野に集結したため、蕎麦を食べること以外何も考えていなかった。どこかで観光しようとか、そういう考えもない。ただひたすら、蕎麦を食べるだけだ。

4軒目は「丸泉手打ちそば」という。塩尻駅からそれほど遠くない場所に立地しているのだが、どうも場所がよくわからない。手元の「人気味本」についている地図を見ると、何だか奈良井川の河川敷にお店があるように見える。地図に道が描かれていないところにぽつんとお店の印があるので、「おい一体どうすればここに行けるんだ?」と悩ましい。

いざ現地に向かってみると、ところどころに案内の看板が出ていたので助かった。看板に導かれるままに、車を走らせる・・・のだが、こりゃ相当に狭い道だな。地元民しか使うことを想定していない道だ。こんなところによくもまあ、蕎麦屋が・・・と思って、奈良井川を横目にみつつ道を進むと、田んぼの先にお店発見。

「わっ、わっ、こりゃ隠れ家だ!」と思わず興奮して声を上げてしまった。

お店・・・というより、これは単なる農家だ。ええと、入り口はどこかな。軒先に「そば」と書いてあるから蕎麦屋だと分かるが、あまりに「ざっくばらん」すぎますぜ、これだと。お店の入り口も、駐車場に面していないし。

お茶請け

まるで民家の中に入るような感じ。

・・・じゃない、これ、まんま民家だ。民家を改築して蕎麦屋にした、という表現もふさわしくない。知らない人の家にお呼ばれされたような心境で、やや恐縮しながら席に通された。客席も、「大広間」状態にはなっておらず、いかにも普通に使っている民家の一室ですよ、という感じ。

お茶は急須で。このあたりもまた、蕎麦屋っぽくない。蕎麦がでてくるまでの「暇つぶし」用のおつけ物は、茄子を漬けたものだった。野沢菜か白菜の浅漬けが信州地区では定番なのだが、ちょっと珍しい。

小鳥のやきとり

珍しいといえば、なにやら壁に怪しげな張り紙が。

「小鳥のやきとり 一人前(三羽) 700円」

ほほーう、スズメを焼き鳥にするというのは聞いたことがある。京都の伏見の方の名物だったと記憶しているが、まさか蕎麦屋で注文できるとは。うれしくなって、ついつい注文してしまった。

ええと、そうなるとお酒も注文しなくちゃな。

お品書きは結構な枚数、存在する。何事かと思ったら、蕎麦屋では珍しくワインが充実していた。そういえば、塩尻のあたりってワイナリーがあるんだっけ。このお店に来る途中も、五一ワインの看板をあちこちで見かけた。

ワインの紹介ページ

ワインの紹介ページを数えてみたら、なんと6ページ半もあった。何でそんなにたくさんページを割いているのかというと、これが驚いたことにラインナップがそれだけ凄いからなのであった。種類がある上に、それぞれの銘柄が90年くらいから毎年、収穫年ごとに用意されているというこだわりぶりだ。ところどころ取消線が引かれている年度があるが、どうやらこれは売り切れじまいらしい。

値段は比較的良心的で、高いものでもフルボトルで3000円台後半だった。飲食店でワインを飲む事を考えると、悪くない値段だ。

焼き鳥

ただ、忘れちゃいけない、ここが蕎麦屋であるということを。

焼き鳥、どどーん。

こんなのを肴に、ワイン飲みますか?

いや、まあこの料理は極端だとしても、ええと、他にワインにあう料理ってないのかしら。

マダム、お任せください。当店にはいろいろ料理がございまして。ええと、

蜂の子(塩炒め) 600円

などいかがでございましょう。

え?ワインにはあわないのではないかって?ふむ、なるほど、ではこのようなものはいかがでしょう。地物でございます。

いなごのうま煮 300円

ああっ、マダム、どこに行かれますか!お待ちください!

・・・うーむ、ワインのラインナップの割には、一品料理が非常に和のテイスト満点なんである。一品料理の数は限られていて、

イワナの塩焼き、やきとり、つくね、もつの味噌いため、蜂の子、いなごのうま煮、きのこのおろし和え、松茸のすいもの、松茸のどびんむし

以上、なんである。うーむ、なかなかワインとあわせるのって難しいと思う。なかなかシュールな組み合わせになりそうだ。

怖い物みたさにワインを頼んでみたくもなったが、まさかフルボトル1本空けるわけにもいかないのでやめにした。一体誰が頼むんだ、こんな「車じゃないと来られないお店」で!?

小鳥のやきとりを頂く

小鳥のやきとりを頂く。生まれて初めての体験。

見たまんま、鳥だ。生きていた姿をそのまんま想起させるので、なかなかにグロテスクな感じだ。まあ、でも、お魚は活き作りにして食べたりあれこれやっても平気なのに、鳥が「生きていた姿をとどめる」のがキモい、なんていうのはあんまりな話だ。ちょっとは躊躇したが、えいやっとかぶりついた。

がりがり。

うほう、固いのぅ。肉を食べている、というよりも骨をかじっている感じ。正直、美味いもんだとは思わなかったが、まあ珍味ということでここは一つ。

やきとりをかじって、おもむろに清酒をきゅーっと。うん、この組み合わせは大変に良い。赤ワインと組み合わせても悪くないのかもしれないが、さすがにこの小さな小さな鳥3羽でフルボトルを飲めというのはちと勘弁してつかあさい。

もりそば

このもりそばは1枚1,000円。相当に高い蕎麦だ。地粉100%ということだが、結構なお値段といえる。しかし、これで驚いていては寿命が縮む。十割蕎麦である「特製そば」は1枚2,500円。ウソだろーって思う。桁一つ間違えたか?と疑ってしまうくらいだ。落ち着け、桁が間違っていたら1枚250円だ、これはあり得ない。ということは、2,500円に相違無いわけだ。何だ、その強気な価格設定は。

先日、「お値段高いぞ蕎麦グランプリ」で1位の座に輝いた「しもさか」の蕎麦をあっさりと撃墜。ダントツの一位なんである。うわ、でもあまり名誉ある一位ではないなあ。

素晴らしくこだわり抜いた蕎麦なのかもしれないが、さすがに2,500円という価格設定には引く。

蕎麦の味は全く記憶に残っていない。

焼き味噌が添えられていて、「つゆに入れて味を濃くしてもいいし、そば湯に入れてもいいし」という一風変わったシステムになっていた。が、これも記憶になし。

きじそば

こちらは、きじそば(1,600円)。

きじの焼き肉とつくねが入ったあたたかいつゆの付いたもりそば。

うーん、これで普通のもりそばより600円高かぁ。どうにも高いなぁ。美味い物食べたかったら値段につべこべ言うな貧乏人、と我ながら思うが、あまり納得感は得られなかった。