御そば打処 野麦(01)

2001年11月24日
【店舗数:103】【そば食:187】
長野県松本市中央

そば、地酒、季節の食材(忘れた)

松本市内には蕎麦屋が多数存在するが、その中でも特に有名な蕎麦屋の一つだろう、野麦。やはり、避けては通れないお店だ。限られた時間と胃袋の中、松本の蕎麦屋のうちどこに行こうか?という議論が仲間内であったのだが、「『もとき』、かぁ・・・同級生に元木ってやつがいたよな。そいつを思い出すからやめよう」なんてなんとも当の蕎麦屋からすると無念な理由により訪問が却下されたりなんかして。

その野麦だが、まさに松本の中心に存在していた。お店自体は小さいので、うっかり見落としてしまいそうだ。・・・いや、そんなことはないな。狭い間口のお店から、ずらりと伸びた行列を見れば、見落とすなんてことはあり得ない。このお店、地味な外観ながらも行列ができるお店だった。

このお店、原則冷たい蕎麦だけを提供していて、冬の時期だけかけそばを提供していると聞いていた。そんな素っ気のない蕎麦屋なのに、この行列は一体なんだ。知名度によって一見さんがひっきりなしに訪れるからなのか、それともヘビーなリピーターを多数輩出して、常時お店のキャパシティを越える来客があるというのか。

「まあ、しょせん蕎麦だ、すぐに行列は空くさ」

と言って行列の最後尾に並んでみる。・・・しかし、認識が甘かった。これが結構かかるんだな。正確な時間は覚えていないが、せいぜい10人弱の待ち行列で30分以上を要したと思う。ひょっとしたら、もっと時間がかかったかもしれない。

店内に入ってみて納得。あー、このお店は間口が狭いだけでなく、奥行きも狭いぞ。数えてみたら、12席しか存在しなかった。なるほど、これだとなかなか行列はさばけないよな。

麺打ち場では、まさに追い打ちの真っ最中。大繁盛でお店の人は大忙しだ。

蕎麦が出てくるまでちょっと時間がかかりそうだったので、季節の食材を肴に地酒を頂く。きのこだったか蜂の子だったか忘れた。

お品書きは、「そば」「大もり」「半分」「かけそば」の4種類だけという潔さ。「そば」という一言で「もりそばである」ということを宣言してしまうあたりが男前だ。ただ、さすがに信州の冬の寒さは厳しいということで、かけそばを冬季限定でやっているというのは男らしさの中に愛情を感じる。・・・言い過ぎか。

蕎麦は、ちょっと風変わりな、立体的なざるに盛られて出てきた。鼓のような形をしている。蕎麦はやや細め。すすると、なかなかに美味なる風味が口の中を吹き抜けていった。うん、おいしいです。

ただ、行列を作って、そして1,000円以上を払って食べたという現状を振り返ると、ちょっと物足りないのは事実。行列ができちゃったのはお店のせいではないにしろ、この蕎麦をもう少し手軽に食べられれば言うことないんですけどねえ。ほら、われわれ信州以外の人からすると、利便性なんてどうでもいいんですよこの際。どーせ遠方から車で訪れているわけで。不便な立地条件でもいいから、気軽にお蕎麦食べられれば最高だよな、と蕎麦をすすりながら思った、そんな晩秋の昼下がり。

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