広島駅立ち食い

2001年12月28日
【店舗数:114】【そば食:199】
広島県広島市南区松原町

天玉そば

広島駅の立ち食い

帰省の新幹線でへろへろになった。新幹線のぞみの「立席特急券」を使って、東京から広島へ。のぞみといえば、全席指定のイメージがあるが、実は違う。「立席特急券」という制度があり、この券を確保しておけば、座ることは許されないがデッキで突っ立っている事が認められる。お値段は、通常価格の500円引き。たった500円かよ!と思うが、背に腹は代えられない。なお、この立席特急券、たとえ座席に空席が発見されたとしても、座ることは許されない。座った瞬間に車掌さんがやってきて、「この座席の方がいらっしゃったら、すぐに立ち退いてくださいね。あとそれから500円ください」と言ってくる。

ただ、救いなのはこの「立席特急券」制度があまり知られていないので、デッキが大混雑しないということ。また、停車駅が少ないので駅に到着するたびにあたふたすることが少なくて済む。新聞紙でも用意しておけば、地べたに座り込んでくつろぐことができる。

だが、腰がバキバキに痛くなるのは事実で、やっぱりこれで500円引きはあんまりだぁ、とおもう。そんな疲れ切った体をいやしてくれるのが、広島駅1番ホームにある立ち食いうどん屋だ。

ちょうど新幹線ホームから陸橋を渡って、山陽本線岩国方面のホームに降りたところに位置する。さも、「遠距離お疲れさま、まあとりあえずうどんでも食いんさい」と言ってるかのようだ。

このお店、正式名称はよくわからない。普通、○○屋とかいう屋号がどこかに表示されていると思うのだが、見あたらない。ま、まさか「うどん」というのが屋号ではあるまいかとも邪推したが、それは考えすぎだとおもう。

このネオン看板、のれんを見ると「ああ、関西食文化圏だなあ」と感心する。そう、ここは東京と違い、「立ち食い蕎麦屋」ではないのだ。「立ち食いうどん屋」なのだ。ついでに指摘すると、店ののれんをみて欲しい。

「ラーメン、うどん、そば、うどん」

なんとラーメンが先頭に書かれている。トータルとしては「うどん」が2回出てきたということで、うどんの勝ちなのだがラーメンもそこそこ偉い立場にいるぞ、ということをまざまざと物語っている。その点、我らがそばはイマイチ印象が薄い。居候って感じだ。「やばい、ここはうどん文化圏だから、うかつにでしゃばると後で叱られるかも」とおびえている印象すら受ける。愛しい奴め、これから食べてやるぞ。

食券機

入口に用意されている食券機。「毎週月曜日は広島駅弁のうどん・そばの日」という張り紙がしてある。どうやら、月曜日は310円のそばが270円になるらしい。えらく豪快な値引きだ。

ちなみにこのお店、「天ぷら」「きつね」「玉子」「わかめ」「とろろ」うどん/そばが同じ値段だった。いずれも310円。やはり東京と比べて、安い。

自動食券機のボタン配列は、その店が何を売りたいのかがはっきりとわかってなかなか面白い。このお店の場合、左上の「一番おすすめ」ポジションが「天ぷらうどん」だった。 「うどん」と「そば」が完全別メニューになっていて、カウンターに食券を出す際に「あ、僕そばでお願い」なんてお店の人に言わなくても良い。

面白いのは、ラーメンがメニューにあるのは兎も角、「冷や麦」が売られていたこと。立ち食い冷や麦なんて聞いたことがない。涼しげでとても良いが、果たして冬にこのようなメニューが売れるのだろうか。

こういうメニュー一つ見ても、地域差があって面白い。おや、おでんも売られているのか。1本120円なり。「お気軽に係員にお申し付けください」と書いてあるが、たぶんおかでんのように「立ち食い蕎麦/うどん屋でおでん」を夢想すらしたことのない人間だったら、「お気軽に」は無理だとおもう。「え、えっと、あの、そのですね、お・・・おでん、ここで食べられるんですよね?はぁ、ではですね、ええーっと、玉子!」なんてしどろもどろで言ってしまいそうだ。

天玉そば

さて、郷に入っては郷に従えという事でうどんを食しても良かったのだが、やはりここは蕎麦を頂くことにした。天玉そば。カレーにしろ何にしろ、玉子がポンと割り入れられるとどうしてこんなに料理はグレードが高くなった気がするのだろう。天ぷらそばだけだと大衆食という印象が強いのに、たかだか原価1個10円強の玉子が入っているだけで、回りに自慢したい気分になる。

この玉子を、食べると見せかけて食べない・・・というフェイントをかけつつ、そばを頂く。ずずずっ。なるほど、関西風のおだしで頂く蕎麦、久しぶりです。関東風のきりりとした感じとは違い、甘い。これはこれで、旨いんだよなあ。関東は青ネギを使い、関西は万能ネギを使うっていう野菜の違いもこのつゆをすすればよく分かる。関西のつゆは、万能ネギがよく似合う。

食べ終わって、ふぅと一息。このつゆを頂くと、「ああ帰省したなあ」という気分にさせられる。やはり、自分のルーツは関西食文化圏にあるのだなと再認識する瞬間だ。

さて、息子の帰りを待つ実家に向かいますかね。家まであともう少し。