自作手打ち蕎麦(01)

2001年12月30日
【店舗数:—】【そば食:200】
岡山県某所

もりそば

蕎麦粉と鉢

2001年の締めくくりは、自分で年越し蕎麦を打つことにした。別に蕎麦好きが高じて「将来は脱サラして蕎麦屋を」なんてトチ狂ったことを思っているわけではない。どちらかといえば、言いたい放題蕎麦屋を評してきた自分自身の罪滅ぼし、といった感じだ。

「今までエラそうな事を言っていましたが、肝心の自分は全然蕎麦なんて打てないヘタレなんですぅ」

という事を再認識し、蕎麦とは大変な食べ物なのであることを再認識したい。というのは本音か建て前か、とにかく蕎麦を打つ気満々になったのであった。

早速、東急ハンズで蕎麦打ち道具を物色してみる。こね鉢、麺きり包丁、のし棒。・・・あれれ、こま板が売り切れているぞ。まあ、いいか、これは我慢。

そば粉は、古川製粉所というところからインターネットショッピングで購入した。そば粉の善し悪しが蕎麦のできの大半を決めてしまう。そば粉の入手先は慎重に検討し、複数の候補先から一番信頼できそうなお店を選んだ。

特上そば粉、打ち粉、割粉のセットを購入した。1700円なり。今回は技術が追いつかないので、良いそば粉でごまかそうという算段だ。

こね鉢に粉を投入

分相応、という言葉がある。いきなり二八そばを打とうなんて欲を出してはいけない。今回は、250gのそば粉+150gの割り粉で合計400gの蕎麦を打つことにした。四六のそばだ。

まずそば粉をくんくんとにおってみるが、この段階では特に蕎麦の香りはしない。まあ、当然だ。

ざっくりと粉を混ぜ合わせる。

新品のこね鉢が初々しい。

水回し

水回しをする。

水が一カ所に集中しないように、途中から霧吹きをつかったりと凝ったことをしてみるが、そんな細心の注意を払う以前の腕前なので、あまり意味はなかったような。

水分少な目で打ったため、なかなかそば粉がまとまらず、冬なのに大汗をかく。

練り

なんとかそば粉がまとまり、練りの段階へ。

ひぃひぃ。

蕎麦打ち体験は過去に3度ほどしたことがあるが、いずれも3-4名がかりで交代しながら打った。だから、最初から最後まで一人で打つことになると、結構な重労働にびっくり。

もうこの辺でいいかな?

粉がややうす緑色をしている。こ、これは旨い蕎麦の可能性大だぞ。そば粉、やっぱり大正解だった模様。今から食べるのが楽しみになってきた。

伸ばし

伸ばしの工程。

さっきまで置いてあったこね鉢を片づけ、机に打ち粉をうつ。さすがに、自宅では蕎麦屋のように麺を伸ばすスペースは確保できない。

他の自宅蕎麦打ちが趣味の人も、同じく机でやってますよね?ね?

(おかでんがバッチイ事をやっているのではないかとやや心配だったりする)

畳み

なんだか四角く延ばすことができなかったが、見なかったことにしよう。「これ以上延ばすと、ちぎれる!」と危機感を抱いたので、早々に折り畳みに入ってしまった。(たんなるチキン野郎)

切り

強引に切りに入る。もう、どうなっても知らぬという気分。

こま板が無かったので、急ごしらえのニセこま板を使う。これは、紀州梅が入っていた小さな木桶のフタの一角をノコギリで削り落としたもの。兄貴があっという間に作ってしまった。

まあ、何とかなるか。

木桶のフタを使って切る

しかし、何とかならんものだ。ややざらざらした表面の木だったために、折り畳んだ麺の上をニセこま板がスライドすると、麺をひっかけてしまう。このために、せっかく薄くのばした麺がびりびりと破れてしまった。しかも、ノコギリ切断面がすぱっと一直線になっていないので、包丁を添えるのが難しく、動きがぶれる。

麺と戦うというより、こま板とたたかう羽目に。

できあがった蕎麦

できあがった蕎麦。

・・・うどんですか?これ。

もりそば

うち上がった蕎麦は、その日の昼ご飯としておかでん一家に振る舞われた。

見栄えは悪いが、手繰ってみてびっくり。あらら、非常においしいじゃあございませんか。

へたな蕎麦屋で食べるよりも、はるかに旨い。これは、「手前味噌」って奴なんだろうか?「落ち着け!落ち着いて冷静に判断しろ!」と自分自身を諫めて、もう一口。

ううむ、やっぱりこれは旨い。ひいき目に見ても、旨いぞ。もちろん、蕎麦というよりもうどんの風情な麺であるので、歯ごたえとか喉ごしはイマイチすぎるのだが、蕎麦の香りがしっかりとするし、蕎麦の味だって申し分ない。まさか、自宅で香り高い蕎麦が食べられるとは思ってもみなかった。相当衝撃。

あわてて、家族に「つゆなしで食べてみて!あと、食べるときはつゆにドボンと麺をつけること禁止!」と通達を出した。しかし、家族全員蕎麦の旨さについて頓着しない連中ばかりで、「何を通ぶった事を言ってるんだ」と鼻でせせら笑われてしまった。

母親は、写真のようにつゆの中にわさびを溶かし込んでしまい、「わさびしょうゆ」にした挙げ句そこにドボンと麺をつけて食べる始末。ああー。

蕎麦は非常にうまかったのだが、なんだかむなしくもあった昼下がりであった。

「ちぇっ、食事作法とかはあれこれ口を挟むくせに、蕎麦の食べ方をこっちから指導したら、突然態度を変えて『通ぶった事を言うな』だもんなー、おかしいよこの扱いの差は!」

とぷんぷんしながら、デザートのリンゴを食べた。蕎麦の後のリンゴ。ううむなんだか変な感じだ。

さて、これは予行演習。明日の大晦日が本番だ。明日、もっとおいしい蕎麦が打てるように頑張ろう。

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