蕎仙坊

2002年06月01日
【店舗数:126】【そば食:223】
静岡県裾野市須山

生湯葉のさしみ、鴨わさ、田舎、おせいろ

蕎仙坊

6月1日といえば何の日か。蕎麦の日だということをご存じか?

・・・のっけから大うそを平然とつく悪い子に育ってしまったなぁ、と我ながら感心。蕎麦の日なんてのがそもそも存在するのかどうかは兎も角、この日はアワレみ隊メンバーで伊豆に出かけ、そこで初物の鮎を頂こうという企画を遂行していた。季節の移ろいを感じさせる企画は楽しい。

ただ、「鮎を食べました。ごちそうさまでした」で終わりになってしまうと、せっかく伊豆まで1泊2日の旅行を計画したのに非常に時間が冗長だ。普通、ここで「じゃあ近隣の観光名所でも散策するかね」という話になるわけだが、「時間がある?それだったら、蕎麦屋に何軒か行けるじゃないかキミィ」という発想になってしまうのがアワレみ流。

この日は、愛知方面からくる連中と、東京から参加するおかでんとがJR三島駅で合流した。しかし、宿をとった中伊豆でもなく、「鮎の茶屋」がある西伊豆でもない・・・裾野方面にアワレみカー、逆走。目指すは、富士山の山麓にある「蕎仙坊」という蕎麦屋だ。

いやー、カーナビ様々やねぇ、といいつつすいすいとお店に到着。お店の構えは、数百年前の建物を移設したということで、相当に風格のある建物だった。どっしりとした作り。黒光りした大黒柱。こういうところでのんびりと蕎麦を食べられるというのはそれだけで幸せな気持ちになれる。

満席の警告

ややや?「のんびりと蕎麦」のつもりだったのに、なにやら玄関には人だかりが。あれっ、あれれっ、ひょっとして満席?

入り口には、こんな看板が立てかけられていた。

舌代
満席のことがありますので、混雑の際、御来店の折に、お名前と人数を店員にお知らせください。お席があきましたら順番にご案内致します。ご協力ください。店主

予想外の順番待ち

結構な座席数がありそうなお店なのだが、この状態。驚きつつも、店員に人数と名前を告げ、入り口にある囲炉裏端に座り込んで待つ。

「驚いたな、まだお昼にもなっていない時間なのに・・・」

とっても繁盛店なのであった。そしてわれわれは完璧に油断していたのであった。

お昼前からやってくるような蕎麦好きのことだ、蕎麦一枚を手繰ってあばよーっていうわけにはいかない。客席を見ると、多くのお客さんがビールを飲んだり清酒を飲んだり。そりゃーそうだよな、このお店の雰囲気、満喫したいよな。でも、そういう人ばっかりなのでお客がなかなか回転しないのは困ったもんだ。

揚げそば

予想以上に待機して、ようやく客席に通された。それでは早速オーダーを。

ビールを頼むと、揚げそばがでてきた。

・・・揚げそば?なんだか、うどんのように見える、極太麺だこと。すごくワイルドだなあ。そういえば、「揚げそば」は存在するけど、「揚げうどん」ってないな。一体どんな味になるんだろう。小麦粉を練っただけのものだから、つまらない味になるのだろうか?

「皿うどん」という揚げた麺料理は存在するけど、あれは一般的に言ううどんではないので力強く却下。

生湯葉のさしみ

生湯葉のさしみを頼んだら、まるでチーズのような、消しゴムのような分厚いのが出てきた。これはぜいたくだ。「おーう」と一同感嘆の声をあげながら、食らいついた。

鴨わさ

鴨わさ。「鳥わさ」というのは珍しくないが、「鴨」というのは初めて見た。

田舎そば

さて、田舎そばがやってきた。ふ、太い!先ほどの揚げそばは、この田舎そばを揚げたものであることが判明。

今まで見てきた中では一番太いかもしれん。むむぅ、挑戦状って感じがする。

では。ずずず・・・いや、駄目だ。わしわし。「太い」ということはイコールで「重い」ということであり、我が輩の吸引力ごときではなかなか思うようにすすりあげることができなかった。やむなく、箸で麺をつかまえ、かぶりつくことにした。

かみかみしていると、蕎麦の味と香りがぐわぁぁぁんと出てくる。ええのぅ、こりゃあ、ええのぅ。つゆにざぶんとつけても、蕎麦の味が負けない。それだけの野太さがある。そうかぁ、麺が太いと、蕎麦の香りは消えにくくなるのか。

おせいろ

こちらは「おせいろ」。入り口で待たされている間に、猛烈に蕎麦を食べたくなってしまったため、わざわざ2杯を頂戴することにした次第。

ざるの形が面白い。この形の必然性がよく分からないが。

先ほどの田舎ががしがし、わしわしといった感じだったのに対し、こちらはつるつるッと痛快だ。うーん、こっちの蕎麦も捨てがたい。というか、こっちのほうが口腔に入る空気の量が多くて、鼻に幸せな蕎麦香を漂わせてくれるので、やっぱりせいろの方が好きだな。

二色もり

二色もりを頼むと、こういう事になる。

まるでカンジキのようなざる。先ほどの「おせいろ」用のざるよりも、細長くなってる。

この二色の取り合わせは、とてもハッピーになれると思う。二枚食べるほどの胃袋は持ち合わせていない、という人にはこれが大絶賛お薦め中と言えよう。

いやー、決して良い立地条件ではないのに、ここまでお客さんがくる理由も分かる気がする。蕎麦!を食べさせてもらいました。どうもごちそうさまです。

いやぁー、鮎なんてどうでも良くなってきたかもしれん。