シマダヤ「流水麺そば」(01)

2003年05月21日
【店舗数:—】【そば食:249】
自宅(東京都内某所)

シマダヤ「流水麺そば」

流水麺そば

ゆでずに水でほぐすだけで、食べられる—

シマダヤの流水麺そばは、お手軽を最大の売りにしたそばだ。一般的にスーパーで売られている麺は、一度ゆでないと食べることはできない。しかし、シマダヤは「水でほぐすだけ」でできあがるという、鍋いらずの麺を実現した。それが、流水麺だ。製法特許を取っているというから、何かスペシャルな技術なのだろう。

素人考えだと、「えー、ゆでた麺をそのまま袋詰めすりゃ、いいんじゃないの?」と思うが、恐らくそうではないのだろう。これは想像だが、ゆで麺を袋詰めしてしばらく放置すると、巨大な蕎麦団子になってしまって後から水でほぐしても元の姿に戻らないと思われる。

麺同士がくっつきあっているのを、箸でばりばりと引きはがしつつ食べる、という行為は非常に野蛮で格好が悪い。そもそも、蕎麦という食べ物は「ずるずる」とか「ちゅるちゅる」と食べるものだ。それを、「ふん、ふんっ」と鼻息を荒くしながらばりばりと麺を引きはがすのはモノの道理に反する。そもそも、そんなものはおいしくない。蕎麦団子だけは勘弁、なのだ。

さてこの流水麺、何を麺に混ぜたのかは謎だが、とにかくお気楽に蕎麦を食べることができるという。シマダヤのオフィシャルサイトには、こう説明されていた。

風味豊かなそば粉を使用し、シマダヤ独自の技術によって、飛躍的に品質が向上。コシが強くなって、新しく生まれ変わった、ゆでずに水でほぐすだけでおいしい、冷やし専用そば

「冷やし専用」というあたりが強気だ。要するに、暖かい蕎麦のようにつゆの味でごまかしが効かないのを承知のうえで、「蕎麦そのものの味で勝負じゃ!」と宣言しているわけである。お手軽麺とはとても思えない。 そもそも、「○○専用」という言葉がつくモノというのは、大抵「通常の3倍の能力」を持っているものである。それと、赤いという特徴がある。きっと、この蕎麦もマゼラン級の戦艦を5隻ほど一度に撃破・・・すいません、話がそれました。

漫画家の西原理恵子が、自分の作品の中でまずい蕎麦を形容するときには、「シマダヤの流水麺の方がマシ」という記述をする。あの「かんだやぶそば」も、シマダヤの流水麺扱いされていたほどだ。それほどの蕎麦でありながら、いまだに一度も食べたことが無かったのは非常に悔やまれる限り。今回、スーパーをふらふらと歩いていたらたまたま流水麺を発見したので、「ではこの機会に」と購入してみたのであった。
この日は自室でビデオを見ながらビールを飲んでいて、最後の締めとして流水麺を食べることとなった。水でほぐすだけ、というのは本当に便利だ。準備にかかる時間は僅か数十秒。では、さっそく食べてみることにします。

・・・ん? 気のせいか?美味い気がする。

・・・ん? あれれ、すすり上げた後、蕎麦の香りが立ち上がるような。

そんな馬鹿な、お手軽麺で蕎麦の香りなんてあるわけがないだろう。冗談にもほどがある。それ、もう一口。 ・・・気のせいかなあ、やっぱりおいしい気がするなあ。

「コシが強くなった」って袋には書いてあるけど、それほどコシが強いとは思わない。あと、蕎麦の食感が「いかにも大量生産型」という感じで、あまり楽しくない。蕎麦粉より小麦粉が多い麺の特徴が出ている。でも、味と香りはきっちりするぞ。おかしい、そんなはずはない。 あわててゴミ箱に入っていた空き袋を引っ張り出して、原材料を確認してみた。

小麦粉、蕎麦粉、澱粉、小麦たん白、卵白、そば葉粉末、増粘剤(アルギン酸Na)、乳化剤、酸味料

うーん。やはり蕎麦粉より小麦粉の方が量が多い。それなのに蕎麦の香りがするのは一体どういうことか。「そば葉粉末」が影響しているのか?

正直、驚いた。相当驚いた。スーパーで売っているような蕎麦は、「蕎麦の香り」とは全く無縁であり、蕎麦屋の蕎麦とは全く別モノ、と考えていた。しかし、実売価格158円で買える蕎麦で、香りがするとは。 いまだに信じられない。酔っぱらっていたから、勘違いしたのだろうか。

袋には、注意書きとして

本品はわずかにお酢の香りがいたしますが品質の異常ではありません

と書いてある。ひょっとしたら、お酢の香りを蕎麦の香りと勘違い・・・なわけないよなあ。いくらお酒でちょっと酔っているとはいえ、そんな間違いをするとは思えない。

これは要注意だ。一回食べただけでは判断できない。おかでん自身も混乱してしまっている。今後もう一度食べてみて、本当にこの蕎麦は旨かったのかどうかを確認することとしたい。 ・・・しかし、素直に「美味い!素晴らしい!」と誉めて貰えないシマダヤの流水麺って可哀想だなあ、自分で言うのも何だが。ごめん、シマダヤ。疑っているわけじゃないんだけど。