天久利 新橋店(05)

2003年06月03日
【店舗数:—】【そば食:252】
東京都港区新橋

天ざるそば大盛り

仕事が忙しくて、昼ご飯を食べ損ねた。14時頃に、ようやくお客さん打ち合わせを終わらせ、一息つく暇ができたので、遅いお昼御飯を物色することにした。

打ち合わせが田町だったので、ラーメン二郎三田本店に行くことにする。しかし、昨日もここで大ラーメンを食べたばかりなので、少々気恥ずかしい。「行列が長かったら、やめよう」とココロに誓い、慶應大学の前を歩く。しばらくして、この条件設定に意味が無かった事を思い知った。そういえば、三田二郎で行列が無いなんてあるわけがないじゃないか。案の定の行列を前に、食べるのを断念した。勤務時間中に、1時間かけてラーメン屋に並ぶわけにもいくまい。

しかし、こちらとしてはぶた入り大ラーメンの野菜ニンニク増しをもりもりと食べるつもりでアドレナリンを脳内生産していたので、この空虚感たるやすさまじい。田町駅までの道のり、リンガーハットでちゃんぽんを食べようか・・・と思っているうちに通り過ぎてしまい、天丼てんやで夏野菜丼でも食べようか・・・とひらめいた時には既に駅にたどり着いてしまっている始末。優柔不断の性格は、こういうときに機動性が非常に低くていやだ。

というより、二郎のインパクトにまさる食事が思い当たらない。「二郎はラーメンではない。二郎という食べ物だ。」という名言があるが、まさしく言い得て妙。二郎を食べ損なった時の精神的ダメージたるや、筆舌に尽くしがたい。大量に投入されるうま味調味料「グルエース」の魔力なのかもしれない。とにかく、中毒性が高いからたちが悪い。現に、2003年6月時点のおかでんは蕎麦喰い人種ならぬ二郎食い人種になりつつあり、週2回は二郎で食事をしている状態になってしまっている。不健康だと分かっているが、やめられない。

おいちょっと待て、蕎麦のコーナーじゃないんか。ラーメンの話題になっとるぞ。

まあ待て、これからが本題だ。

結局、山手線にのって会社に戻ることにした。かといって、会社近辺じゃ昼下がりで食事ができるところといったら牛丼屋くらいしかないしなあ・・・と考えているうちに、新橋駅到着。お、そうだ、新橋にも二郎があったっけ。新橋下車。場所うろ覚えの、新橋二郎に向かう。到着してみたら、既にお昼の部は終了していて、中休みに入っていた。がっかり。

さあ、こうなると八方ふさがりだ。何を食べればこのぽっかり空いたココロの隙間を埋めてくれるんだ?えっと、23歳以下のギャル限定のヘルス・1プレイ9000円?よし、ここだったらココロの隙間を・・・おい!何をやってるんだ!・・・新橋は誘惑が多い場所でございます、危ない。

結局、新橋駅に戻ってきてしまい、途方にくれていたら駅の脇に「さぬきうどん」屋があった。おや、これは昨年からJR四国の子会社とNRI(あじさいでおなじみ・日本食堂)が合弁で作ったうどん屋じゃないか。いつの間にかこんなところにもできていたのか。セルフ立ち食いうどんが本格的に東京上陸!みたいな感じで、一時恵比寿の1号店がもてはやされていたっけ。

店の入り口では、「セルフ」について理解していない関東人のために、ディスプレイでエンドレスに「注文のしかたビデオ」を流していた。「まず、カウンタでご注文の品を店員に告げます・・・」なんて。

おかでんにとって、セルフうどんそのものは岡山香川あたりで馴染み深いものだ(岡山は実家があり、香川はおかでん家のルーツの一つ)。どれ、では話のネタに東京でのセルフうどんを楽しんでみることにしよう。

おいおいおい、今度はうどんの話か?

だから待てって、まだ本題じゃないんだから。

だったら端折れよ・・・。

いやね、それ今気付いた。前段の話、長すぎたわ我ながら。

あつたまうどん大に、ちくわの天ぷらをつけてみた。

まず驚いたのが、食べるうどん料理名そのものを店員に告げるということ。で、できあがったうどんを受け取りトレイに載せ、レジとの間にたくさん陳列されている天ぷらが必要なら適時トングでつまみ、そしてお会計。

これは単なる「ビュッフェスタイル」であって、「セルフ」ではないぞ?本当のセルフというのは、既にドンブリにうどん玉が入っていて、それを自分でテボに入れて軽くゆがいて、つゆはタンクからじょぼじょぼと注いで、天ぷらを適当に載っけてお会計・・・という流れではないんか。道理で店員がやたらとたくさん厨房内にいると思った。普通のセルフうどん屋って、せいぜい一人か二人程度だと思う。

まあいい、これがトーキョースタイルのセルフって事なんだろう。讃岐スタイルを無理にマネしなくてもいいわけだし。それにしても、あつたまうどん大580円+ちくわ天120円=700円ってなんだいこりゃ。物価までトーキョースタイルになっておりましたァ!あいたたたた・・・。量も「大」の割には少ないし、ちょっと香川県さんに言いつけてやろうかしらんと思ってしまう。「終わりの会」で告げ口したいくらいだ。

生まれて初めて、セルフうどんで500円以上払いました。正直、すごく悔しい。

もうこうなってくると、味なんて二の次三の次。悪くはなかったと思うが、「700円(うどん単体だと580円だが)払っていただくお昼御飯」としてどうよ?と問われると、満足感低し。残念賞。これだけ高いんだったら、二度目三度目の訪問はちょっと躊躇してしまう。

さてお待たせしました、ここからが本題。

結局、「ちぇっ、高いカネ払っちゃったな」と、700円ごときで2000円くらい払ってしまったようなショックを受けつつ、店を後にした。こうなると、「もういっぱい食べておかないと気が済まない」状態。ならば、近くにある立ち食いスタイルのそば屋、「天久利」に行くべぇ、という結論になった。あそこでかき揚げをカジれば、きっと今までの苛立ちも落ち着くことだろう。

今回、このお店訪問は「5回目」と記載されているが、実際はもうちょっと多いはずだ。新橋駅前、しかも銀座7丁目方面にある店なので、銀座で夜更かしをしてしまったときの最後のシメとして愛用される。ここで蕎麦を食べて一息ついて、新橋駅からタクシー。疲れたサラリーマンの一日の終着点、というわけだな。ただ、そういうシチュエーションって大抵夜中の1時とかだったりするわけで、記録として保持されていないので正確な数字が残っていない。だから、蕎麦喰い人種コーナーでも面倒なので割愛してある。

天久利に到着すると、店内には誰も客が居なかった。しめた、これはゆでたて・揚げたてを食べるチャンスかもしれない。過去、「天久利は極力揚げたての天ぷらを出すようにしている」「蕎麦は生麺」という話を耳にして、何度となく「ゆでたての天ぷら」と「揚げたての麺」・・・ああ、逆だ、「ゆでたての麺」「揚げたての天ぷら」を期待して行った事か。しかし、その全てにおいてゆでおき・揚げおきのものに出会ってしまい、「そりゃそうだ、いちいちオーダー毎にやってたら大変だもんな」と何とか自分を納得させていた。ゆで置き揚げ置きでも十分に美味いので、十分満足はしているのだが。しかし、今回のように昼下がりで客が誰もいなけりゃ、事前にストックしていない可能性大。ようやく積年の恨み・・・ああ違う違う、「もし、これが揚げたてだったらどんなに美味いんだろう?」という確認がで

あれ?食券を出すと同時に、既にざるに盛られた麺が。侮りがたし、天久利。さては伏兵か。こんな時間にもスタンバイしてあるとは敵ながらあっぱれ・・・でも、残念。

天ぷらも揚げおきのもので、既に油が回ってしまっているものだったが、保温機に入っていることもあって暖かくておいしい。指3本分くらいある分厚さなのが、見て楽しい、食べて楽しい。オデンに入っている練り物か?それともお好み焼きか?と疑ってしまう小麦粉が多いかき揚げじゃ、こうはいかない。

そば猪口にかき揚げが入らないので、箸をこねくり回して、かき揚げを右90度回してみたりしながらつゆにつけて食す。うん、うん、これが楽しみでこのお店に来ているようなものだな。そば?いや、麺は普通でしたよ。昔は結構感動したんだけどなあ、今食べると、昔の感動ほどのものではなかった。なぜだろう?・・・ああそうか、さっきうどんを食べてきたばっかりだからかもしれない。空腹にまさるスパイスはない。

ん?あれ?では、何でかき揚げだけはおいしく食べられるんだ?

ええと。まあ、ね、それはそれ、で。

「そんなにかき揚げが良いんだったら、天丼でも食べりゃいいじゃん。蕎麦はイマイチだったんでしょ?」と言われそうだが、いや、それは違う。天ぷらをカリカリとかじって、その後にそばをつるつるっとすする。この食感のアンバランスさが脳に適度な刺激を与えて、ボケ防止に繋がるという研究発表が先日・・・ええと、先日・・・。(沈黙)

天久利のかき揚げ程度でこれだけ楽しんでいるのだから、揚げたてのかき揚げを出してくれるというお茶の水「とんがらし」や初台「加賀」に行った日にゃ、感涙にむせぶかもしれない。失禁してしまうかもしれない。残念ながらまだこれらのお店は訪問したことがないので、近日中に突撃してみないといけないだろう。

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