立ち食い蕎麦 新橋ポンヌッフ店

2003年06月09日
【店舗数:143】【そば食:253】
東京都港区新橋

天ぷらそば

今回は、自らを戒めるために文章を書かなくちゃ、いけないな。

小学校の時に、やたらと書かされた「反省文」って奴だ。昔はよく書かされたもんだ、反省文を。女の先生ほどこの反省文って奴が好きらしく、何かあっちゃあ「明日までに書いてこい」だったな。小学校6年生の時初めて男の先生だったのだけど、「終わりの会」でのチクリ合戦や反省文といった制度が全く無かったので相当 カルチャーショックを受けたっけ。

反省文を提出したって、すぐに「これでは反省していない、書き直せ」なんて突き返される始末。そりゃそうだ、小学生だと文章構成能力なんてないんだから「僕は、○○ということをやって・・・(中略)・・・次からはもうしません」だもんな。起こったでき事を延々と原稿用紙に書いて、最後に形だけのお詫び文句をつけるだけ。これじゃあ、反省文ではない。検察官の冒頭陳述みたいなもんだ。

どんな反省文を書いたっけな、ええと・・・やめた。ちょっと書くのがはばかられる内容が多いや。

お店の探訪記を書く前だというのに、えらく景気の悪い話を展開してしまった。

しかし、近年稀にみる「しまったァ」的蕎麦屋訪問だったのが今回であり、これは自分にとって不幸であると共にお店にとっても不幸な話だ。まあ、事故だと思って諦めるしかないだろう。

この日、夕方から銀座で上司の送別会が開催されていた。個室会席って奴で、見目麗しき料理がちょっとずつあれこれと出てきた。いやはや大変結構でございました。ここで「ちょっとずつあれこれ」出てくるというのがくせ者で、ならばそれぞれの料理でお酒を合わせてみたくなるというのが人情って奴だ。おかでんは一番末席に座って飲み物のオーダーなどを取り仕切っていたので、その立場を利用して勝手にお酒を頼み、勝手に手酌でお酒を飲っていたのであった。

こういう時、個室というのは良い。普通の居酒屋だったら、注文をする際は「すいませーん」と店員を呼ぶ事になり何を頼むかが赤裸々になってしまう。しかし、個室の場合ファミレスにある「呼び鈴ボタン」が設置されていて、それを押すことで店員がすすすっとやってくる。後は、小声で何やらオーダーしちまえばいい。それでも目立つなら、いったん部屋から出て、通路でオーダーすれば良い。

そんなこんなでビールを飲んだ後に白ワインを1.5本ほど飲んでしまい、明らかに酔っぱらってしまったのであった。

一次会が終わった後、二次会に行くぞー、と新橋方面に向かう仲間達を振り切って逃走、気が付いたら新橋駅近くに来ていた。おかでんは一次会で完全燃焼(=完全酔っぱらい)となる人間であり、二次会以降は大嫌いである。すぐにでも帰宅したい、早く帰らせろ、という気持ちを持っている。ただ、本格的に酔っていなければ「人付き合い」も考慮して二次会に顔を出すのだが、酔っぱらってしまうと本能が優先されてしまい「逃走劇」を展開してしまう。今回も、それ。

あと、本格的に酔った時の悪い癖として、がぜん食欲が沸くという事が挙げられる。帰宅途中にコンビニで大量のパンやおむすびを購入してしまい、「・・・これ、いつ誰が食べるんだよ」と我に返った時にあぜんとすることもある。(最近はへろへろに酔っぱらう事がほとんど無くなったので、そのような事は起きなくなったが)

で、だ。

今回はまずいことに相当食欲中枢が麻痺している状態であり、 そのような状態で新橋駅に向かうと・・・ほら、あった。毎度おなじみ、「天久利」。天ぷら蕎麦でも食べますかね、って事になってしまう。過去、何度となくこのパターンにやられてきている。

「また今回も」天久利に吸い込まれるのは、人間として進歩がない。いくら酒に酔っているとはいえ、それは恥ずべき事ではないのか。

そんな事を酔っぱらった頭で考えて、道路を挟んだ向かい側にある「ポンヌッフ」に入った。

結局食べるんかい!

食べるつもりは無かったんだけど、「天久利だけは避けないと」という事を強く念じていたら「だったら天久利以外の店に入ってしまえばOKじゃん」と間違った発想に至ってしまい、「おおちょうど目の前には、今まで一度もお邪魔したことがない立ち食い蕎麦屋があるぞ」と。酔っぱらい特有の短絡的発想だ。

ポンヌッフ。変な名前だ。普段のおかでんだったら、まずこの名前の由来をうそも織り交ぜつつ延々と語り、そこから面白くしようと各種ネタ振りをするのだが今回はやめとく。いや、別に「反省しているから」なんて理由じゃない。今回この文章を書くに当たって、webの他サイトでポンヌッフを調べてみたのだが、その文章がほぼみんな同じような事が書いてあるからだ。

「ポンヌッフとは、フランス語で新しい橋、という意味であり、新橋とひっかけてある」という用語解説はともかく、「フランス帰りの店主がやっていてキャビアそばとかフォアグラそばが名物で」なんていうジョークも。あああ、おかでんが「確実にやりそう」なネタが既に出尽くしている。

ということで、「ポンヌッフ」という名前をイジることは避けて、だんまりを決め込みます。ええ。

・・・といいつつ、わざわざ話題として取り上げるあたり、悔しさがにじみ出ておりますな。

入り口にある食券機は、なぜか左上の「一番目立つポジション」のボタンが「天玉そば」になっていた。お店としては一番プッシュしたい商品なのだろうか。食券機、立ち食い蕎麦屋ではすっかりおなじみのマシンであるが、ボタン配列が店によってまちまちなので最初はちょっと戸惑う。「そば・うどん兼用」で、食券を店のオッチャンに渡す際に「僕はうどんで」と自己申告するタイプのもの。「そば」と「うどん」がそれぞれ別のボタンになっているもの。

ええと。

こうやってネタ振りはしたから、これから「立ち食い蕎麦屋における食券機考」をどどーんとぶち挙げようと思っていたのだが、案外食券機のボタン配列とかメニューって覚えていないもんだな。話が続かないや。

ということで、この話題打ち止め

結局、たくさんあるボタンを探して、「天ぷらそば」をオーダー。ここで一つ、男のダンディズム講座。食券機でお目当てのボタンを探す際、人差し指でボタンを指さしながら探すのは、非常に年寄りじみているのでやめよう。若く見られたいなら、くわッとボタンを睨み付け、ぎょろりと眼球だけ動かしてお目当てを探し当てるべし。

さて、肝心の蕎麦だが。

ここまで前振りの話題を引っ張るということから既にバレバレだろうが、ほとんど覚えていなかったりする。酔っぱらっているわけであり、味がどうのこうの、と言える立場でもなし。

しかし、ドンブリは口が広かったのは確かだ。普通の、横から見たら扇形に近いデザインではなく、もう少し洗面器っぽいようなどっしりとしたドンブリだった。手にしたとき、この幅広ドンブリは手に馴染み、何だかうれしくなってしまった。しかし、特に麺の量が多いということはなかったようだ。このドンブリには大きな具を載せるそばが似合う。そういえば、このお店には「おでん」をトッピングする蕎麦があるらしい。きっと豪快な見た目になることだろう。

麺は個人的には好きではないタイプ。麺の表面がつるつるしている感じが、何か人工っぽさを際だたせていていやだ。あずみ野のようにボソボソしている方が、今俺は蕎麦を食べている!という気がして好きだ。立ち食い蕎麦屋の定番・「唐辛子を振りかけてかっ食らう」という行為にも、食い応えがある麺の方が向いているし。

この店の立地条件からして、おかでん同様酔っぱらいの小腹を満たすというニーズがあるわけだ。だから、ぜいたくなんて言っちゃいけません。新橋駅に併設されている事に感謝すべきであって、エラそうに麺がどうだ、とか食券機がどうだというのはお門違い。

ほら、今まさに次の酔っぱらったお父さんがやってきたぞ。食券を誇らしげに高く掲げ、「今日はイカ天ね」なんて店の人に言っている。「今日は」という前置きをしていることから、恐らくこの人は常連さんなのだろう。お疲れさまです。「安・近・短」が不景気時代のレジャーのお約束だが、仕事に疲れたサラリーマンのささやかなレジャーは、案外こういうお店なのかもしれない。