手打百芸 おお西(02)

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2003年12月22日
【店舗数:—】【そば食:267】
長野県上田市中央

発芽そばがき、挽きぐるみそば

おお西

小諸から先、渋滞に巻き込まれてノロノロ運転のなか、上田市街にあるおお西に向かった。雪国で雪に慣れている地方とはいえ、やはり積雪は交通を麻痺させるようだ。ただ、こちらとしては志な乃でたらふく食べた腹ごなし時間として、車の中でまったりと過ごす。

おお西は、2001年に開催されたアワレみ隊企画「信州新そば包囲網3 めぐりあい・蕎麦編」において訪問したことがある。しかし、あの当時から店は移転し、すっかり装いが新たになったと聞いている。果たしてどんな感じになったのだろう。

当時のおぼろげな記憶を辿ると、おお西といえば・・・お座敷の傍らに、PC-9801パソコンが置いてあったのが印象深いのだが・・・。

カーナビの指示にしたがって進むと、狭い路地の中になにやら民芸調な建物が。どうやらここがおお西らしい。駐車場を探して周囲をぐるりと一周し、ようやく店の裏側に駐車場を発見して格納。

新しいおお西は立派!

「えー、これがあのおお西かー」

入口で感嘆する。今までのお店は、単なる民家みたいな場所だった。いや、「みたいな」という曖昧は表現は不要だろう、まさしく民家だった。だからお座敷にパソコンが置いてあったりするんだから。それを考えれば、雲泥の差だ。おお西、凄いぞ。

営業中、と書かれた看板を確認しつつ、店の中に入る。なにやら、そろりそろりと扉を開けなくちゃって感じだ。

素敵な店内のおお西

中に入ってびっくりした。民芸調に統一されているのかと思っていたのだが、そんな気配がない。

「やっぱ、椅子は丸太の上に座布団を敷いたヤツだろうな」とか、「テーブルはデカくていびつな形の一枚板なんだろうな」とか思っていたのだが・・・

まず、格子が入った窓側の席は、黒いテーブルと机。喫茶店にでも使いそうなタイプだ。

そして、左写真でひびとしぶちょおが座っているテーブルは、真ん中がガラス張りになっていて、中にドライフラワー(だったかな、記憶曖昧)が納められていた。

それだけではない、足元が小川になっていて、ちょろちょろと水が流れとる。流しそうめんでもしようという魂胆か、これは?

打ち場

土間スペースがこんな感じで、これとは別にお座敷スペースも用意されている。客席数は結構多い。観光シーズンのお昼にでもなれば、この客席がいっぱいになるのだろう。幸い、今日は12月の寒い週末の16時過ぎ。客はわれわれしかいなかった。

入口入ってすぐ右手には、広々とした蕎麦打ち場が用意されていた。しめ縄が飾ってあって、なにやら神々しい。

厨房はここから伺うことができない。もっと奥のスペースにある。とにかく、広い場所だ、ここは。

発芽そばがき

ご主人の大西氏が注文を取りに来た。

「うーん、どれにしようか悩んでいるんですよー」と言ったら、「発芽そば切りがお勧めですよ」と強く推奨してきた。

確かに、このお店のお品書きトップに書かれている一品で、「店主お薦めそば」とまで書かれている。

お品書きによると、

そばの実を発芽させ、ひき臼と店主考案の手打ち法によって、そばに仕上げました。発芽期に発生する糖化酵素による甘みの増加、餅のような食感、独特のぬめり、従来のそばの概念が変わります。

ということだそうな。しかも、現在特許と実用新案を出願中というから、よっぽどの自信作なのだろう。

しぶちょおは、店主に薦められるままに更科そばとその発芽そばの二色盛りを注文、おかでんは発芽そばがきを注文することにした。

しばらくしてやってきた、発芽そばがき。棒状のそばがきが3つ、沈んでいるという面白いそばがきだ。箸で切り分けようとすると、普通のそばがきと違って「ぼそっ」と切れた。明らかに慣れ親しんでいるそばがきと違う。

なるほど、と感心しながら棒状のそばがきを囓ってみたが、箸の感覚そのものでなにやらぼそぼそする。そばの味は独特のもので、鼻に抜ける香りもちょっといつものものとは違う。美味いか?と言われると、普通のそばがきの方がおいしいような気がするのだが、これはこれでおいしいし、楽しい。しかし、一人一本の分量でいいかな、という気がしなくもないが。

挽きぐるみそば

発芽そばがきに対して、どう形容していいのか三人で悩んでいるうちにそばができあがった。

まずはおかでんが食べる挽きぐるみそば。

三色合い盛り、とかにしても良かったのだが、志な乃のカタキをきっちりこのお店ではらさないといけないので、脇見はできない。単品で勝負だ。
ずずずい。
うん、おいしい。良かった、顔がほころんでくる。香りよし、味よし、喉ごしよし。ようやくほっと一安心だ。
ダッタンそば
ちなみに、こちらはひびが注文したダッタンそば。

600円で、通常の量の半分だ。

外見、けっこうバキバキした感じの蕎麦に見えるが、実際普通の蕎麦と似て非なる印象がある。

食べさせてもらったが、若干口の中に自分の蕎麦の風味が残っていたため、正確な判断はできず。ただ、後味が苦い。

「・・・にが」

と思わず言ってしまった。

「あっ、今『にが』、って言ったな?」

なんてツッコミが入り、おいそのネタは『あずまんが大王』ですな、なんて会話をする。

二種盛り

こちらはしぶちょおが頼んだ二種盛り。

発芽そばもご相伴に預かったのだが、あんまり味に記憶がない。

しぶちょおは「更科そばが甘みが深くて美味かった」と言っていたのは覚えているので、きっと発芽そばについてはあまり言及されなかったのだろう。

おお西、いずれにせよ結構なボリュームのそばを出す。刀屋をはじめとして、この辺りの蕎麦屋は盛りが容赦ない。だから、値段が少々高くても「まあ、量がこれだからなあ」という気にさせられる。

しかし、お会計を済ませて店を出たとき、しぶちょおがこういった。

「本当は鴨南蛮食いたかったんよ。でも、2,200円だったんで、躊躇してやめた」
「おっ、鴨ゆえにチキンな判断ですな」
「いや、チキンも何も、もう16時半だぞ。宿の夕飯、食えなくなっちまうだろうが」
「ああ、そうだった!」

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