QQとろろそば

2004年04月16日
【店舗数:---】【そば食:290】
自宅(東京都某所)

QQとろろそば

第287回「QQ冷やしそば」の続編。今回は、QQとろろそばに挑戦だ。

とろろそば、という食べ物はなぜかコンビニに常設されていて、メジャーな食べ物だ。これは、一般の蕎麦屋と傾向が異なっている。蕎麦屋で「とろろそば」に相当する料理は、ややマイナーな位置づけだと思う。お品書きに書いていないお店も多いのではないか。ぶっかけそば、というジャンルそのものをお品書きから除外しているお店が多いからだ。

ほかにも、立ち食い蕎麦業界であれば、「とろろ」といえばとろろ昆布の事を意味し、全然違う料理になってしまう。

それを考えると、さも当たり前のように存在するコンビニのとろろ蕎麦だが、結構な異端児なのだ。逆に、コンビニでざるそばが売られていることが少ないというのは面白い傾向だ。ざるそばをコンビニ弁当にした場合、「麺がくっつく」「蕎麦猪口に相当する器はどうするんだ?」といった問題が出てくる。だからこそ、ぶっかけそば系の蕎麦が幅を利かせたというのは想像に難くない。

では、なぜ「とろろ」がメジャー勢力になり得たのか。

おそらく、「蕎麦にめんつゆをかけただけ」だといまいち見栄えが悪かったのだろう。価格も低く抑えざるを得ない。では、このお蕎麦を高付加価値にするためにはどうすればいいんだろう、と商品企画担当者は悩んだはずだ。刻み海苔を載せるのはすぐに思いついた。その後だ、問題は。

錦糸玉子やハムを載せて冷やし中華風にしてみたり、山菜を載せてみたりいろいろ試したに違いない。

きっと、仕舞いには訳がわからなくなってミートソースをかけてやろうか、とか考えが及んでしまっただろう。こうなると端から見ると変人だ。しかし、結局やはり和のテイストで、具ともつゆともつかない曖昧な位置づけとなるとろろが一番塩梅いい、という事に気づいたのだろう。

そして、今に至る。大抵どこのコンビニでも、とろろそばは売られている。最近だと、とろろそばに温泉玉子がついていたり、なめこなどのキノコ類が添付されていたりと「とろろそば」の中でも工夫がこらされている。偉くなったもんだ、とろろそばも。

とろろといえば、アクが強くてすぐに変色する食べ物だ。しかし、コンビニのとろろはあくまでも白く、澄んだ色をしている。・・・工業製品じゃないか、とたまに薄気味悪くなる白さだが。この「変色しない技術」も、とろろそばを実現させた一つのきっかけなのだろう。

とろろそばは、現在大体300円の後半から400円の前半で店頭に並べられている。まずまずの単価だ。ちょっと高い気もするが、お酒を飲んで帰った時に軽く食べる、といった向きには非常に適している。するするっと胃に収まり、くどくない。ラーメンを「最後のシメに」と食べるよりかははるかに健康的だ。

・・・酒飲んだあとにシメをやっている時点で、何をどう弁護しても「健康的」ではないのだが。

ま、それはともかく、だ。99SHOPの偉いのは、「結構高い」とろろそばであっても容赦のない値段で提供するということだ。定価199円。他社製品の半額だ。ま、その分玉子もキュウリもない殺風景なとろろそばなのだが、しょせん「最後のシメ」用なのだからぜいたくな具は不要だ。こんなもので十分だ。

しかも、今回もちゃんと値下げシールが貼られているものを買ってきた。50円引き。よって、149円でとろろそばをゲット。いや、ありがたいもんです。これだったら毎食とろろそばでもいい・・・わけないよな、やっぱり。

お酒を飲んだあとに食べたので、ちょっと気持ちが大きくなっていた。ノーマルのとろろそばが殺風景だ、ということで生卵を投下し、ワケギを刻んで入れ、わさびをすり下ろし、白ごまを振りかけて。

・・・一連の作業をやっている最中、ふと「おい、149円の蕎麦にあれこれデコレートしていたら蕎麦の単価を超えるぞ」という事に気づき、作業中断。後もう少しで、水煮のキノコを投入するところだった。

食べたとろろそばは、生卵1個の効果抜群。なんだか玉子かけ御飯を食べているような気分になりました。蕎麦の味、いまいちよくわからんかった。でも、何だか幸せなシメでした。ええ。

保存がきかないものなので(だから50円引きしているわけで)、「ちょっと小腹が空いたとき用」として常備させるわけにいかないのが唯一残念なところだ。

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