手打蕎麦 ぐらの(15)

2004年12月26日
【店舗数:—】【そば食:328】
埼玉県入間郡大井町

ふわふわ豆腐、車海老と野菜の天ぷら、かけそば、せいろそば(小)、吉田蔵、開運

昔は毎週押し掛けていたぐらのだが、最近は1カ月に1度程度のペースになっている。蕎麦屋に行く回数自体が減っているためなのだが、ぐらのに行くモチベーションのうち「週末ダラダラと過ごしてしまった贖罪で、遠出する」こと、「アルコール抜きと称して日帰り入浴施設にも行く」ことがあった。

しかし、このごろおかでんはフィットネスクラブに通うようになり、週末は格好のトレーニング時間だと汗を流すようになった。そして、トレーニングが終わったら、施設内のジャグジーで汗を流して帰るようになった。こんな状況のため、ぐらのに行く機会が減ってしまったわけだ。

気がついたらもう2004年も年の瀬。年末に、年越し蕎麦代わりに一度行っておかなくちゃ、という気になったので、久々にぐらのに向かった。

いつも通りのぐらの。しかし、一つ異変に気がついた。何の気無しにメニューを繰っていたのだが、メニューの最後のページに「本日のおすすめ ずわいがに天(5本) 930円」という紙が貼り付けてあったのだ。おや、こんなメニュー外メニューを扱うようになったのか、ぐらの。

メニューの最後は、飲み物が記載されているページになっている。本日のおすすめの地酒は別メニューになっているし、改めてこの飲み物ページを眺める事はない。だから、以前からこの手の「本日のおすすめ」があったのかもしれない。無かったのかも知れない。

いずれにせよ、頻度高く通っているこちらとしては、そろそろ違う料理を食べてみたいと思っていたところ。こういう日替わり的な試みは大歓迎だ。値段が高いのはずわいがに故に仕方がないところだ、早速注文してみよう。

「すいません、本日もう切らしちゃいまして」

ぐは。定番メニューじゃないと、仕入れ量が限定されてしまうためにこういう目に遭う。まあ、それでこそ、「本日のおすすめ」だ。お勧めしている理由が、「在庫たくさん抱えちゃったんで」という訳ではあるまい。「いいモノが手に入ったんで、せっかくなんで限定メニューにしちゃいました」だからこそ、「本日のおすすめ」なんだろう。量が少なくて、当然。

両手をチョキチョキしながらカニ天ぷらに期待していたので、他のメニューに頭がなかなか切り替わらなかった。結局、車エビ付きの天ぷらをオーダーすることで、代替食に見立てることにした。

お酒を頂きながら、いつも通りまったりとした時を過ごす。おかでんは一人で1時間弱をここで過ごすわけで、暇つぶし用の本や新聞は必ず持参するようにしている。しかし、途中で酔っ払ってきて手元に集中できなくなり、結局毎回、高い天井をぽかんと見上げるようになる。今日も、またしかり。

正面のテーブルでは、お子さま連れのファミリー客がトンカツ定食を食べていた。店員さん、ガキんちょに対しても大人と差別しない物腰で接客をしていた。だから、ガキんちょもなんだか照れくさそうな顔をして、神妙にお冷やを注いでもらっている。いい勉強になるだろうな、公共の場におけるマナーが身に付きそうだ。で、このお子さま、結局トンカツを全部食べきれずに残して帰っていきやがった。コラァ、残さず食え。

そう言えばこの日は子供が多かったな。いつもは閉店間際にお邪魔しているのだが、今回はやや早めの夕食タイムに滞在しているからだろうか。店内を子供の嬌声が響く。でも、高い天井だからだろうか、そういう「耳障りな」音であっても、あまり気にならない。いや、ここに居ると、なんかどんな音や声でも、気にならなくなってくる。これは、おかでんが酒飲んで酔っぱらっているからではないと思う。

この日の備忘録用メモに、一言「ZENの心境」と書いてあった。バカバカしいが、何となくそんな気がしたのは事実。

隣のテーブルでは、中年夫婦がiモードの使い方についてあれこれ議論していた。「よくわからんなあ」「いや、ほら、ここのボタンを押せば」「ほぅ、これが当月の利用料か」なんて、小さな携帯電話を前におでこを突きつけあっている。何だか微笑ましい。

反対側の隣の席では、若いカップルがひとときを楽しんでいた。女性の方が蕎麦屋に詳しいようで、オーダーは女性任せだった。女性は、彼氏用に生ビールを注文して、そのつまみとして「つまみ三種盛り」をオーダー。堂々としていて、思わず「格好いいー」と思ってしまった。彼氏の方も、あまり出しゃばったり無い知恵を無理して知ったかぶりしようとせず、好感度高し。清々しくてとても良いカップルだった。

でも、考えてみれば蕎麦屋でお酒っていったら、せいぜいあの程度だよな。おかでんみたいに、あれもこれも食べて、飲んでってのはちょっと格好が悪い。ボクも誰かを連れてくるようなことがあったら、あんな形でスマートに飲み食いしよう、とちょっとだけ酔った頭で思った。いざ、そんなシチュエーションになったら絶対忘れていそうだが。

ま、人を誘うときは、そば膳をお勧めすることになるだろうから、今回のカップルのようなパターンにはならないと思うが。

かけそば

この日は寒かった事もあり、せいろそばを手繰って帰るのはどうも身も心も冷え切ってしまいそうだった。だから、せいろは「大」にしないで「小」にして、その代わりにかけそばを頂く事にした。

このお店の場合、温かい蕎麦を注文した人にはライスがサービスになる。あと、天かすが必要な人は無料トッピングできる。

「ライスどうしますか?」と店員さんに聞かれたが、さすがにこれだけ飲み食いして、しかもこの後せいろを頂こうとしている身にとっては分不相応。謹んで辞退した。

かけそば到着。民芸調なおたまがついてくるのが、「おや?」という印象。そうか、どんぶりを手にとって、ごくりごくりと飲むのはあまりお行儀良くないのかな。ラーメンを食べるときの要領で、まずはお玉でスープを・・・じゃなかった、つゆを頂く。うん、きりりとした味わい。おいしゅうございます。

広島出身のおかでんは、「温かい蕎麦(+うどん)は関西風のだしに限る」と思っていたのだが、ここ数年ですっかりその考え方が変わってしまった。関西風も美味いのだが、やわらかい味わいが物足りなさを感じる。今では、きりっと引き締まったかつおだしの関東風がお好みだ。ただし、某駅構内立ち食い蕎麦屋のようなつゆは除くが。

せいろそば

最後、せいろそばを頂いた。今日はわさびが丸ごと一本、そのまんま添えられていた。でけぇ。

でも、蕎麦を食べている間はわさびを一切使わない性分なので、デカくてもあまり意味はない。ただ、目で愛でる分には非常に見栄えがよろしゅうございますので、たっぷりと楽しませてもらった。

このわさびだけでも1本400円は下らないだろうなあ、としげしげと眺めながら思う。そばが520円であることを考えれば、ここで万が一丸ごと一本すりつぶして、もりもり食べた場合は店は赤字になるなあ、なんて余計な腹算用をしてしまった。

最後、そば湯をこっくりと頂き、十分満喫してフィニッシュ。いや、今年1年間、どうも頻繁にお世話になりました。来年もよろしくお願いします。